1回死んだ、知らない人とルームシェア…納言・薄幸の2020年個人的ニュースベスト3

2021.1.1


2位 21歳の男とずっと一緒にいるようになった

去年から、21歳の若手男マネージャーが現場につくようになった。新人の彼は純粋で一生懸命で非常にかわいらしい。たとえば、童貞のうちの相方に「彼女が欲しいんですけど、どうしたらできるんですかね?」と相談したりもする。

相手は童貞だ。

いったいどんなアドバイスができるっていうんだい?

少し前には、私が行きつけの居酒屋を収録で紹介したのを見て、そこが気に入ったらしく収録の翌日その居酒屋でバッタリ会ってしまったこともある。担当している芸人が紹介した店、実際に行くマネージャーあんまりいないよ。

私が店に入ったときに、彼は友達と揚げ茄子を頼もうかどうしようかの話をしていて、私が出て行くときも彼はまだ揚げ茄子を頼もうかどうしようかの話をしていた。

あんま友達と仲よくないんじゃないかと心配したよ私は。そんな彼が成長していく姿を見届けていきたいと思う。

1位 新しい家族ができた

コロナの自粛期間中、私はひとり暮らしをしていた。

すでに私に対して酒が好きなイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれないが、そのイメージの3倍酒が好きと思ってもらってけっこうです。飲酒ロケがよく入るのだが、それが放送されると、「酔っ払ってるから、酒強くねえじゃん」なんて声が届くことがある。

あのさ、勘違いしないでくれよな。

私は“酒が強い”と豪語しているわけではなく、シンプルに“酒が好き”なだけ。たとえるなら、すぐ「ケンカしよーぜ」と言ってくるくせに、実際ケンカが始まると肩パン1発くらっただけでボロボロになっちゃう、ケンカ大好き、めちゃめちゃ弱い、でも本人は本気では戦ってる、クソショボヤンキー。

その酒バージョンが私だ。

要するに、すっっごい酒好きで、すっっっごい量を飲むけど、すっっっっっごい酔っ払うわけで。

知らない人と始めたルームシェア

自粛期間中は、仕事も減って休みも増えたぶん、毎日笑っちゃうくらいの量の酒を飲んでいた。もちろん外出はできないから、家でひとり、大人しく飲んでいたのだが、酔っ払うから、大人しくなんていられるわけがない。

今まで毎日いろんな芸人仲間に囲まれて、外で飲むことに慣れていた私は、日を追うごとに、孤独感、虚無感、疎外感、ありとあらゆる負の感情に襲われるようになった。

ひとり壁の薄いアパートで聞こえる音といえば、語彙力皆無のゲーム配信系YouTuberの隣人の、ここでは書けないようなきったねえ罵声、ただそれだけ。そんな自粛期間中、密着というわけではないのだが、家にカメラを置いて14日間ほど、家での様子を撮影する仕事が入った。

2日目、酔っ払った私はカメラが回っていることを忘れ、ド深夜、夜泣きする赤ちゃんよりも号泣した。

それはそれは号泣した。

翌日、冷静になって昨晩の映像を見返すと「やだやだやだ!さみしー!あーーー!!!」

と、えんえんと泣いている、私の嘘みたいな姿が映されていた。

おそらくその日は、語彙力皆無YouTuberも配信を見送ったことだろう。“ひとり暮らしはもう限界だ”そう悟った私は、これを機にルームシェアを始めようと心に決めた。

普段から飲み仲間だった、ダンビラムーチョの大原(優一)さんと、ポンループのアミを誘うと、ありがたいことに快く引き受けてくれた。なんてチョロい奴らなんだ。

アミと私の女ふたりと、大原さん男ひとりだとキリが悪いから、もうひとり男をということで、大原さんがダイヤモンドの野澤(輸出)さんを誘ってくれたところ、20秒で承諾したらしい。野澤さん、私とアミとは話したこともないのに。なんてキショい奴なんだ。

そんなこんなで7月ごろから、4人のルームシェア生活が始まった。事務所も違うし、たまにライブで会うのと、飲みに行くらいで、人間としての本当の部分は知らないまま始まったこのルームシェア。

本当の部分とかの話じゃなくて、野澤さんに関しては、そもそも知らないし。嘘の部分も知らないし。嘘の部分ってなんだし。

多少の揉め事とかあるのかと思ったけど、もうね、これが楽しくて仕方がない。

ウクレレ弾きながらみんなで歌を歌ったりするんだよ? 

リビングでキャッチボールするんだよ? 

家の中でドローン飛ばして、キャッチャーミットでドローンをキャッチする遊びとかするんだよ?

ちょっと野球率が高いものの、そんな生活楽しくないわけがないじゃない。

心から大好きな家族ができた

まあ、唯一納得いかない点は、私が外出している隙に、私が買った食べ物を根こそぎいかれることくらい。

3人のうち誰かは忘れたけど「みゆきが最近帰って来ないから食うもんないんだよ」と言っていたという噂も聞いた。なんだその噂。

そんなところも愛おしく感じられるほど、ルームシェアが幸せ過ぎる。

私には第2の家族ができたんだ。

家族のために、楽屋の弁当も持って帰るし、私の家ロケで使った食材ももらうし、出前も家族の分頼むし。確かに飯のことしか考えてない家族ではあるけど、心から大好きだし、心から尊敬している。

この家族たちと「また今日も仕事一緒じゃん」と毎日のように言える日が早く来ると幸せだな。


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