tofubeats、新型コロナの影響で変わりゆく音楽活動を明かす

2020.4.17
tofubeats_quickjournal_main

文=tofubeats 編集=森田真規


中学生のころから音楽制作をスタートさせ、29歳にして10年以上のキャリアを誇り、最近ではジャニーズ事務所のSexy Zoneに楽曲提供したことも話題になった音楽プロデューサー・DJのtofubeats。

そんな彼のデジタルミニアルバム『TBEP』が2020年3月27日に配信された。そこに収録されている「クラブ」という新曲のミュージックビデオを、地方のライブ遠征に撮影スタッフが同行し、ドキュメンタリーとして収めたものにしようとしたのだが――。

昨年に上京し、いきなり踏ん張りどころ

「お変わりなくやっておられますか」「お元気ですか」などという儀礼的な書き出しにも本心が込もってしまう今日このごろ、皆さまいかがお過ごしでしょうか? tofubeatsです。この度は『QJWeb』さまにて(時事ネタを取り扱う)新連載をさせていただけることになりました。いろんな三面記事的なものに触れて楽しくやっていけたらいいな~なんてふうに年明けは思っていたのですが、いざ転がり始めるころには世界は一転この状況です。

実際に編集部から送られてきた見出しの一覧は体感95%コロナ関連。手洗いをがんばってみたりなるべく在宅するようにしたりすることしかできないなかで消耗戦に持ち込まれつつあるこの状況を、ミュージシャンである自分が積極的に触れる意味についても考えてしまいます。クラブやライブハウス、飲食店やギャラリーなどもそうですが、支援についても結局融資や業界の自助努力などで内々で解決していくしかないのかな……といった切なさもあり(多過ぎるクラウドファンディングの選択肢、本当に多過ぎて選び切れなくてちょっと悲しいです。こういうところでもやはり規模の大小による競争が生まれてしまっているところも難しいです)、もうこの原稿が出るころには3月あたりから影響が出ていた店舗などでもう閉店や倒産に追い込まれているところもあるでしょう。

実際音楽関係に限らず不景気過ぎる話があまりにあちこちから入ってくるので、なかなか前向きなことを考えにくい時期に入ってきました。持続化給付金という制度も出ましたが給付は最速の申請でも5月ごろ、審査条件なども実際の給付が開始されてみないとわからない部分が多く、スピード感という意味でも多くの自営業者などがこれに間に合わなかったりもしたのではないでしょうか(ミュージシャンに限らず自営業者で逼迫(ひっぱく)している方々はぜひ調べてみればよいかと思います)。

ご多分に漏れず自分の事務所HIHATTにもまあまあの打撃があり、昨年スタジオを借りて上京したにもかかわらずいきなりの踏ん張りどころに立たされております。会社を作って6期目でこのような状態は初。どうなるかまったく先の見通しが立ちませんが、この連載についても皆さまの暇つぶしになるよう踏ん張っていきたいと思います。何卒おつきあいのほどよろしくお願いいたします。

なのでまあここでもそんな現状について話すことになるのだろうと思うのですが、今回はそんな事象も絡めて自分の楽曲「クラブ」のミュージックビデオについて書いてみようかなと思います。楽曲については下記ミュージックビデオで聞いていただくとしましょう。7分あるので長いですがこっちがメインの仕事なので見てやってください(笑)。

tofubeats「クラブ」

こちら「クラブ」という楽曲は自分のプロジェクトデータを紐解いてみればスケッチが完成したのは昨年11月、完成したのは2月の上旬11日ころ。コロナウイルスが国内で猛威を振るうギリギリ前とはいえ、歌詞などは1月末に完成していたので、基本的な楽曲の骨子としてはそこまで世間のそういったムードに影響は受けていないと思います。ただ自分的にはストレートな雰囲気の曲が久々にできたので、これできちんとしたビデオを撮りたいなという意思があり、その旨を連絡したのが楽曲完成後すぐの2月13日ごろ。

デビュー曲「Don’t Stop The Music」、近作「Keep on Lovin’ You」などのミュージックビデオも撮影してくださった森祐樹監督に今回もお願いした。今作は自分的に「ディスコの神様」「Don’t~」といった初期作から一貫している部分と、もう少し自分が突っ込んで描けるようになった部分の差異を見せたかったので、あえてその2作を監督していた森さんにやっていただきたかった部分もあります。

新曲「クラブ」のMV撮影を地方ライブで行う予定が……

この記事が掲載されているカテゴリ

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。