男性バーチャルユニット・Monsterz MATEが、デビュー8周年を祝うアニバーサリーライブ『目撃』を、2026年5月5日にKT Zepp Yokohamaで開催した。
これまで何度となくライブを開催してきた本会場で行われた今回の公演には、彼らと親交のあるVTuberがゲストとして出演、生バンドを編成してのパフォーマンスとなった。
ツインギター編成に加えて、出演者らがその熱情をシャウトアウトするような内容で、これまでの彼らと比べても、よりパワフルな一夜となった。
8周年ライブ『目撃』で示した“衝動”を再点火する、そんなライブを今回レポートする。
8周年を迎えたMZMのもとに、“メイト”(仲間)が集結!
Monsterz MATEは、ボーカルのアンジョーとラッパーのコーサカによる、ふたり組VTuberユニットで、2018年5月5日よりYouTubeにてデビューした。
音楽ユニットとして音源リリース・ライブ活動を行っており、一時期はメジャーレーベルからもリリースし、3枚のオリジナルアルバムを世に送り出してきた。
一方、VTuberとして動画投稿を続けており、バラエティ番組風の企画動画で多くのファンを生み出してきた。
音楽アーティストとしての一面、同時にVTuber・バーチャルタレントとしての一面。この二面性こそが彼らの魅力だ。
シリアスな表情でカッコよく決めたかと思えば、コミカルな笑いを見せることもできるそのギャップは、多くのファンを魅了し、VTuberシーンから見てもロールモデルともいえる存在となった。

そんな彼らのもとには、男女を問わずこれまで多くのVTuberが動画を通じて参加。音楽イベントを通じて仲よくなったメンバーを動画へ参加させることもあったりと、プライベートおよびオフラインの場やつながりを重視する姿も見せてきた。
ユニット名にもある“メイト”(仲間)という言葉のとおり、彼らの周年ライブには“メイト”(仲間)が集結することが多い。

天開司、歌衣メイカ、佐藤ホームズ、女性ふたり組ダンスボーカルユニット・Marprilの谷田透佳と立花鈴、合計5人のゲストが登場し、全23曲のうち3分の1近い楽曲で歌唱したのだ。
ファンに目撃してほしかった“衝動”や“本能的なもの”
仲間とのつながりや絆を見せつけるだけじゃない。ツインギターのバンド編成で臨んだこの日のライブは、普段の彼らの楽曲やライブでは感じられることのない、パワフルさや荒々しさを強く押し出したライブとなったのだ。

彼らの音楽といえば、コーサカのラップとアンジョーのボーカルを引き立てるような、HIP-HOPやR&Bに由来したポップスがメインとなる。今回はギターのサウンドを十全に活かし、原曲では感じさせなかったヘヴィ&ラウドな表情を見せたのだった。
熱唱に次ぐ熱唱、その中で気づいたことがある。「せーの!」と曲終わりに、曲の途中で、いやむしろ曲の始まりから、軽く飛び跳ねたりジャンプしている姿が多かったのだ。
出演者が動的に跳ねる姿を見ていると、アッパーなサウンドとともに躍動感を強くこちらに訴えるように感じられた。

参加したメンバーの中には歌をメインにしていない人もいるので、人によっては調子っぱずれに聞こえる場面もあるかもしれない。だが、そのぎこちなさもこの日のライブでは重要だった。
この日彼らがファンに見てほしかったのは、ある意味での“衝動”や“本能的なもの”、“純粋さ”であったからだ。
活動が8年を超えてくれば、誰もが最初にあった衝動や純粋さを保つのは難しく、なにより継続すること自体が難しいとすら感じられる。音楽であれ、VTuberであれ、ライブであれ、彼らが大事にするつながりや絆でさえ、保ち続けていくことが難しくなる。
今日この日のライブは、8年の中で抱えてしまった難しさを吹き飛ばすくらいの“衝動”を再確認し、“再点火”する。その姿を、ファンに見てもらう……『目撃』してもらうためにあったように感じた。
「姿が見えなくたって、歌えるんだぜ?」
象徴的だったのは、本編最後に「-Hanakin-」「Bikidan」「Be Shangrila」とクライマックスに向けてたたみかけていったときだ。
「-Hanakin-」「Bikidan」の2曲で最高潮へと向かい、本編ラストとなる「Be Shangrila」の最中に、なんとトラブルが発生。3Dビジュアルで描かれたふたりの姿がピタッと止まってしまい、途中で姿が見えなくなってしまったのだ。
VTuberのライブにおいて3Dビジュアルが止まってしまうのは、もちろんご法度中のご法度。一瞬戸惑ったように見えたふたりだが、本編ラストということもあり、そのままパフォーマンスを続行、力強く本編を締めてみせたのだった。
ふたりによれば、ライブ本番中に3Dビジュアルが止まってしまうことは初めてとのこと。だが8年目の経験と、この日、衝動を再点火させたふたりにとって、このトラブルは些末(さまつ)なことだったのかもしれない。
「姿が見えなくたって、歌えるんだぜ?」と言い放つコーサカ、その後アンコールを求める声に対して、アンジョーとふたりでMCを行い、会場の笑いを誘っていた。

クールでカッコよく、コミカルでユーモラス。今回の公演で見せたふたりの姿、オーラ、風格に、ファンは改めて惚れ直したに違いない。
8周年記念ライブは、MZM史上に残るであろう伝説の夜となった。





