出版不況も関係ない!ギャル雑誌が好調な理由とは(egg編集長・赤荻瞳)

2020.3.16


若い子にとって雑誌や本はグッズ感覚!

『egg』は年に2回しか出ないからこそ「絶対買おう」って気持ちになってもらえるのかな、と思っています。お土産として買っておくというか、グッズ的な要素もあるのかも。最近eggモデルの伊藤桃々がスタイルブックを出したんですが、その本にもステッカーがついていたり、サインつきのお渡し会があったり。物として残るという価値があるし、若い子でも買うときは買うんだなと思っています。

うちでも、オンラインストアでモデルの直筆サインつきバージョンを販売しています。定価の4倍近い値段ですが人気モデルだと1人で500冊くらい、トータルでも数千の予約をいただいていて、そこだけでもけっこう収益になっているんです。ここまで予約があると思っていなくて、サインも発送も急いでやらないと(笑)。

YouTubeでの連動は今の時代に絶対必要!

これから紙媒体としての雑誌が生き残っていくために一番大事なのは、WEBとの連動だと思っています。これだけ動画が身近になっているのに、動画に紐づいたコンテンツがないなんて時代遅れ! 最新号の発売後は、買ってくれた子がもっと楽しめるようにオフショットやYouTubeをWEBにどんどんアップするようにしています。

『egg Channel』にアップされた巻頭撮影の裏側

私も普段は『egg Channel』(eggのYouTubeチャンネル)の動画編集をやっているんですけど、雑誌の準備期間はさすがに編集を外部の制作会社に出しています。逆に言えば、外注してでも動画のクオリティは下げずに稼働しつづけるよう徹底しています。それくらいWEBとの連動は大前提。年間の売上が一番大きいのもYouTubeで、収益はどんどん上がっています。雑誌のほうもビジネスになっていますが、お祭り感覚で盛り上がれるこのくらいのペースがちょうどいいと思っていますね。モデルさんや読者のみんながSNSで盛り上げてくれているところが大きいです。

もちろん紙と動画で見せ方を変える必要はあると思っていて。たとえばメイク企画をするにしても、雑誌では使ったアイテムをよりわかりやすくしてあげる。動画だったらメイクのやり方のほうを丁寧に教えてあげるって感じで、内容を分けています。

あと、文字多めの企画も雑誌向け。『egg』はもともと読者アンケートから成り立つページがすごく多いので、半年分溜めたネタを思い切り詰め込んでいます。最新号の「ギャルママ対談」もうちららしい企画かな。登場した4人のうち、せいなは専属のeggモデル、ちなみは読モ、あとのふたりはインスタでギャルママを募集したら参加してくれて、リアルな声を語ってくれました!

これからはモデルの子たちへの感謝を込めて、一人ひとりにフォーカスした、eggらしいムック的なものもやれたらいいなと思っています。動画1本分の密着をやってあげるよりも、紙なら家族や親戚の人にも見せてあげられるじゃないですか。やっぱりうれしさの重みが、紙になると違うと思うんです。





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