2023年10月27日に発売された『クイック・ジャパン』vol.168では、11月17日(金)に封切られる映画『OUT』を15ページにわたって特集。
同作に出演したグローバルボーイズグループ「JO1(ジェイオーワン)」の與那城奨・大平祥生・金城碧海のソロインタビューや、3人の鼎談、品川ヒロシ監督インタビューなどが掲載されている。
ここではその中から、誌面には入りきらなかった話も盛り込んだ與那城・大平・金城による鼎談のロングバージョンをお届けする。
目次
與那城奨「とりあえず“強い”っていうことだけ頭に入れて現場に」
──『OUT』への出演はオーディションで決まったそうですね。
與那城 はい。でも「3人とも受かるとは限らない」と聞いていたんです。だから全員合格と言われたときはすごく驚きました。台本を渡されて、何役か演じたんですけど、僕は全然手応えがなかったんですよ。
大平 僕もオーディションでは実際に演じた目黒修也のほかに、ふたりがやった沢村や圭吾も演じたんですけど、全然手応えがなくて。
金城 僕は品川監督とドラマ『ドロップ』でご一緒していたんですけど、だから有利ということは一切なく、むしろ逆で。オーディションで再会したときは「あれ、碧海君なんで来たの?」って苦笑いで言われました(笑)。品川監督的には別の作品として作りたいから、前の作品のキャストを使いたくなかったそうなんです。でもなんで受かったんだろうと思ったら、僕のアクションに絶対的な信頼を持ってくださっていたそうで。ありがたかったですね。
──それぞれ普段のみなさんからの振り幅が大きいキャラクターだったと思いますが、どんなふうに役作りをしていきましたか?
大平 出演が決まってから撮影までがすごく短かったんです。できることをがんばるしかなかったんですけど、とりあえず3人とも筋トレを始めました。僕はアクション経験がなかったので、とにかくアクションの練習をしていました。JO1の練習場にも、ミットを買って置いていたんですけど、すぐほかのメンバーに取られて……。
金城 結局、俺たちは何もできなくなる(笑)。
大平 遊ばれてました(笑)。あとは原作のマンガをとにかく何度も読みましたね。
與那城 役の情報がマンガにしかないからね。僕の演じる長嶋圭吾は、原作の前半にはあまり出てこないんですよ。しかも寡黙で、全然しゃべらないし。どんなテンション感なのかもわからないまま、とりあえず“強い”っていうことだけ頭に入れて現場に行きましたね。
金城 僕が演じた沢村良は、すごくお姉ちゃん思いなんです。僕も姉がいまして。ヤンキーの友達と集まっている中にお姉ちゃんが来るシーンは、気まずい感覚がよくわかりました(笑)。そういうところも、演技にいい感じに出ていたかなと思いますね。
大平祥生「サングラスをつけると役に入り込める感覚があった」
──ビジュアルも強烈ですよね。圭吾の髪型は原作を踏襲していて、インパクトがありました。
與那城 最初の衣装合わせのときは、ここまでじゃなかったんですよ。「マンガではすごく髪が立ってるけど、難しそうだからモヒカンくらいでいこうか」と話していたのに、撮影当日にメイクさんがガッツリ作り込んでくれて。最終的には原作の完全再現になってました。
──あれは地毛なんですか?
與那城 襟足はエクステなんですけど、上は全部地毛です。アクションしてもまったく崩れなくて、家に帰ってから困るくらい(笑)。でも僕は形から入るタイプなので、あの髪型にしたら圭吾になれる感覚がありました。
大平 目黒はオールバックなんですけど、やってみたら僕にはあんまり似合わなくて。品川監督と試行錯誤して、帽子を被ってサングラスをかけたときに「これだ!」って決まりました。
──後半はサングラスを外す場面が増えますよね。
大平 目黒は瞳が青色なんです。そこは見せたほうがいいという話になり、ケンカするときにあえて外したりしてましたね。
與那城 目黒はケンカが強いから、どんなに闘ってもサングラスが絶対取れないんです。あのサングラス、高いんだよね?
大平 すごくいいやつを使ってるんですよ。ドキドキした(笑)。でも、僕もサングラスをつけて目黒になれている感覚があって。外したときは心細かったです(笑)。
──自分が演じた役の魅力は、どういうところにあると思いますか?
金城 うーん、やっぱりお姉ちゃん思いのところ。でも、それゆえに沢村はある行動を取ってしまうんですよね。それは正義感が強い自分としては共感しづらい行いで、気持ちを乗せる上ですごく葛藤しました。
與那城 圭吾は無口なんですけど、すごく斬人(圭吾、目黒、沢村が属する暴走族)思いで。あっちゃん(丹沢敦司。斬人の総長)のためならなんでもやるし、体を張って守るところがかっこいいですよね。そのかっこよさをどれだけ出せるかを意識しました。
大平 目黒はクールに見えてすごく熱い。人のことを煽ったりするけど、ちゃんと仲間を思って行動するところが好きです。
金城 目黒のひと言でその場が落ち着く場面も多いんですよね。キーパーソンだと思います。
金城碧海「撮影終盤、僕のシーンはほぼワンカットで撮りました」
──本作はなんといってもアクションシーンが大きな見どころです。予告編にも盛り込まれていましたが、金城さんは見事な蹴りを披露していますね。
金城 沢村は脚で闘うスタイルなので、とにかく回していました(笑)。股をパーンと開いて両脚で蹴るシーンがあるんですけど、めちゃくちゃ難しかったですね。あれは痛かった……。終盤のアクションは撮影がタイトで、僕のシーンはほぼワンカットで撮りました。品川監督が僕の目を見ずに、「碧海君、ノーカットでいける?」っておっしゃったんですよ(笑)。がんばりましたね。
與那城 品川監督とアクション監督の方が、やっていくうちにノリに乗って「もっとこうしよう!」って増やしていくんだよね。
大平 そうそう! その場でアクションの型が増える。僕はダッキング(上体を前かがみにしてパンチをかわす動作)がうまいらしくて、その動作を多くやったし。目黒と(小柳心が演じる)田口勝のスクラップ工場でのシーンも、その場でどんどんアクションが追加されました(笑)。夕方から朝6時くらいまで撮ってたんですけど、もう必死で。小柳さんとも全然しゃべらず、やりきったときは「お疲れ様です!」って労い合いましたね。達成感が本当に大きかったです。
與那城 朝、すごく寒かったよね?
大平 うん。でもアドレナリンが出すぎていて、シャツ1枚だったのに全然寒くなかったんですよ。スタントマンの方を殴るのも怖かったけど、殴らないとOKが出ない。「すみません」って伝えてから殴ってました。
──圭吾は、なんといっても爆羅漢(斬人と対立する暴走族)の下原孝二と闘うシーンが大きな観どころですね。
與那城 本当に大変でした。孝二と闘う前からやることが多くて。爆羅漢の手下を蹴ったりつかんだりして飛ばして、ガラスを3枚順に割らなきゃいけなかったんですけど、品川監督から「ガラスの替えはないから」って言われて(笑)。すごく足場が滑るんですよ。僕が飛ばす相手のアクション部の方が滑って、割るタイミングより早くガラスに当たっちゃって。もうヒヤヒヤでした。なんとか無事に全部割れたんですけどね。孝二にたどり着くまでが長かったです(笑)。
金城 最後に車に乗って逃げるとき、僕が「圭吾さん!」って呼ぶんですね。そしたら顔面がボコボコに腫れた奨君が出てきて、「圭吾さん!?」ってなりました(笑)。
與那城 それくらい死闘だったから(笑)。そんなふうに、1回しか撮れないシーンが多かったですね。予告に入ってる、孝二が圭吾との闘いの中で壁を殴るシーンもそうでした。
──共演者のみなさんとは、どのようにコミュニケーションを取りましたか?
金城 僕は品川組は2回目なので、スタッフさんとも仲よくしゃべったりしてたんですけど、ふたりはド緊張してたよね(笑)。
大平 最初の本読み、すごく怖かった。みんなストイックに台本を読んでいて……。
與那城 もうしっかり役に入っている感じでね。緊張しました。
大平 (下原賢三役の)仲野温君が目の前に座っていたんですけど、年齢を聞いたら、僕と2歳差でした。『OUT』のメンバー、みんな若いんですよね。
與那城 本読みのときはマスクだったから、年齢不詳だったよね。僕が特にびっくりしたのは、水上恒司。座った席がたまたま隣で、ヒゲ生えてるしすごくガツガツいくから年上だろうと思っていたら、4歳下でした(笑)。彼は写真を撮るのが好きで、打ち解けてからはフィルムカメラでたくさん写真を撮ってくれましたね。祥生と碧海と同い年の子も何人かいたよね?
金城 あっちゃん役の醍醐虎汰朗は同じ2000年生まれ。沢村はルーキーですけど、総長が同い年と知ったときはなんだかホッとしました。お互いサウナが好きで意気投合して、「今度一緒に行こうよ」って、プライベートでもやりとりするようになりましたね。あと虎汰朗は、俺のアクションシーンのときにめっちゃ見に来てました(笑)。品川監督がみんなに、「碧海君のアクションすごいからね!」と言っていたそうで(笑)。緊張しましたね。
大平 (武藤将吾役の久遠)親も同い年。彼も年上だと思ってたんですけど、しゃべっていくうちに同い年だと知って。彼はこれまで見たことないくらい天然でした。撮影が始まる前に神社に行ったそうなんですけど、「僕、成功祈願で『お見舞い』に行ってきたんですよ!」と言ってて。どうやら「お参り」に行ったって言いたかったみたいなんですけど。
──(笑)。
大平 天然でしたね。おもしろかったです(笑)。
與那城 ほかのキャストもみんな個性的ですごく優しくて、たくさん助けられました。いい現場でしたね。
関連記事
-
-
天才コント師、最強ツッコミ…芸人たちが“究極の問い”に答える「理想の相方とは?」<『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』特集>
Amazon Original『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』:PR -
「みんなで歌うとは?」大西亜玖璃と林鼓子が考える『ニジガク』のテーマと、『完結編 第1章』を観て感じたこと
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
「まさか自分がその一員になるなんて」鬼頭明里と田中ちえ美が明かす『ラブライブ!シリーズ』への憧れと、ニジガク『完結編』への今の想い
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
歌い手・吉乃が“否定”したかった言葉、「主導権は私にある」と語る理由
吉乃「ODD NUMBER」「なに笑ろとんねん」:PR