BEYOOOOONDSが令和に叫ぶ“主張”──流されず、自分の考えをちゃんと持つのが大切

2022.5.28

文=井上明日香 撮影=オノツトム 編集=小林 翔


2019年8月にデビューした、ハロー!プロジェクトのグループBEYOOOOONDS。メンバーは「CHICA#TETSU」「雨ノ森 川海」「SeasoningS」の3グループを合体した12人で構成されており、歌とダンスにとどまらず、楽曲中の寸劇や身体表現なども行う謎の?グループである。

2019年10月発売の『クイック・ジャパン』vol.146では、デビュー直後の彼女たちを40ページにわたって大特集。ここでは、デビュー曲のひとつ「ニッポンノD・N・A!」について、岡村美波、清野桃々姫、平井美葉、小林萌花の4人にインタビューした記事を公開。

内弁慶、付和雷同、体制順応、独創力──。よくも悪くもの「日本人らしさ」を羅列し、アップテンポなメロディに乗せて日本人を応援する、令和の応援歌。思ったことは声に出す。最近なかったそんな曲を彼女たちが歌うとき、現在の日本社会に、周囲の大人に、どんなことを思っているのだろう?

※この記事は『クイック・ジャパン』vol.146に掲載の対談インタビューを転載したものです。

自分の考えをちゃんと持つのが大切

岡村美波(おかむら・みなみ)
2004年10月20日生まれ。大阪府出身。自身が生まれる前にデビューしたアイドル・松浦亜弥に憧れ「本物のアイドル」を目指す

清野桃々姫(きよの・ももひめ)
2004年12月22日生まれ。東京都出身。得意のヒューマンビートボックスをインタビュー中に披露してくれた、グループ最年少のムードメーカー

小林萌花(こばやし・ほのか)
2000年8月16日生まれ。東京都出身。現役音大生で、コンクールで賞を獲ったこともある実力派のピアニスト

平井美葉(ひらい・みよ)
1999年12月11日生まれ。東京都出身。クラシックバレエとヒップホップが得意。ブログにセンス抜群の自撮りをアップする

左から:岡村美波、小林萌花、清野桃々姫、平井美葉

──今の日本を憂い鼓舞するインパクトのある歌詞ですが、歌詞に共感するポイントはありますか?

平井 日本中に訴えかけるような、規模の大きな曲でうれしかったです。「日本人は控えめでよくない」って言われるけど、使い方によっては強みにもなる特徴ですよね。「そうだよ、日本人、奮い立とう!」と思いながら歌いました。

小林 よくない特徴を変えようとするのではなく、受け入れたままポジティブに転換しようっていう歌詞が素敵ですよね。

清野 私は「令和に生きる 新風世代」というパートを歌えているのがうれしいです! 私たちが新しい風を吹かせていきたいです。

岡村 難しい四字熟語が出てきて、知らない言葉もたくさんあったので、意味を調べながら歌いました。でも、サビになるといきなり「Hey!」って(笑)。意味があんまりない歌詞になるのが、キャッチーでいいなって思いました。

──岡村さんは、間奏で主張を述べるという見せ場もありますね。

岡村 はい。私と前田こころちゃんでセリフを言わせてもらってるんですけど、初めて歌詞をいただいたときはびっくりしたし、うれしかったです。

──ちなみに皆さんが今、世の中に向けて「主張」したいことは?

小林 「なんで一日は24時間なのー!?」って。お仕事してピアノを弾いてるとあっという間に一日が終わっちゃうので。本当は絵を描いたり買い物したり、趣味にかける時間がもっとほしいです。

清野 混んでる駅で舌打ちする人に「舌打ちしないでー!」って言いたい。私、ヒューマンビートボックスができるんですけど、やり方が舌打ちと似てるんですよ。舌打ちしたくなったらヒューマンビートボックスをやれば、世の中が平和になるのになって結構本気で思ってます(笑)。

岡村 私は「海外で流行ってるものをもっと取り入れてー!」。ラグビーとかスケートボードとかEDMとか、海外で流行ってるものが好きなんですけど、日本ではまだまだ流行ってない気がするので。

平井 私は「本当に世の中よくしたいって思ってるー!?」って。みんな、どんなに大きな理想を掲げていても、自分のマイナスになることはしないじゃないですか。

──たとえば、どういうことですか?

平井 地球温暖化はよくないとわかっていても、低い温度でクーラーをつけちゃうとか。今の自分にとってメリットになることしかしないのはどうなの?って言いたい。まわりや今の気持ちに流されず、自分の意見をしっかり持って、行動に移すことが大事だなって思っています。

──ほかの皆さんは、今の日本に対してもっとこうしたらいいのにと思うことはありますか?

岡村 楽観的な考えを持つこと! 私はまだ中学生で、どちらかというと子供なんですけど、大人になったらあまり面白い考えを持てなくなっちゃうのかな?ってちょっと思う。楽しく、自由な大人になりたいです。

清野 最近気になるのが、みんな他人事って思いがちなこと。道で落し物をしている人がいたとして、気付いてるのに誰も拾ってあげないとか。そのわりに、火事とか事故の現場には野次馬がたくさん集まってくる。

──当事者にはなりたくないけど、傍観者にはなりたいってことですかね。

清野 その心理が不思議です。私自身も、道で困っている人に気付いたら助けるとか、行動に移していきたい!

小林 私は、もっと鈍感さも必要だと思います。特にSNSとか、小さなことに対していろんな人があれこれ言って、炎上につながったり。それ、考えすぎじゃない? わざわざ言わなくてもよくない?って思うし、逆に発信するほうも、人の目を気にしすぎないことが大事かなと思います。

──皆さんはメンバー12人という大所帯で、ちょっとした「社会」ですよね。でも仲がよくて。そこに日本社会をうまく回す秘訣があるのでは?と思うのですがいかがでしょうか。

小林 どうでしょう?(笑)でも、みんな精神年齢が高くてすごいと思います。私より年下のメンバーもたくさんいるけど、人に気を使えたり、言っちゃいけないことをわかってる子が多いです。だからみんな個性があるけど、お互いを尊重できてる気がします。

岡村 よくないところもちゃんと言い合えるよね。ひとつのパフォーマンスに対して12人分の意見を聞けるって、いいことだなと思います。

平井 たとえば会社だと、社長がいて、部長がいて、って上下関係がはっきり決まってますよね。でも私たちは、ポジションが点在してるというか。私は年齢は上のほうだけど、ハロー!プロジェクトに入ったのは遅いほう。でも、ダンスはずっと習っていて。みんな、人生で学んできたことやタイミングがばらばらだからこそ、お互いを認め合うことができてるんじゃないかな。

──上下関係がないのがいいんですね。話すときも、皆さんタメ口で?

清野 結成当初は敬語で話してたけど、途中でやめようって決めました。それも、意見を言いやすくできてる理由なのかなと思います。

小林 私、最初は年下のふたりのことを「清野さん」「岡村さん」って呼んでたもんね(笑)。ハロプロの中だと、ふたりのほうが先輩なので。

岡村 萌花ちゃんとか美葉ちゃんは、私のお姉ちゃんと同じくらいの年齢なんです。お姉ちゃんから敬語を使われてる!っていうのが、すごく違和感があって(笑)。今はみんなタメ口で仲よく話せるので、いい関係だなって思っています!

BEYOOOOONDS

※『クイック・ジャパン』vol.146では、BEYOOOOONDSメンバー全員へのインタビューのほかに、制作スタッフインタビューも掲載。BEYOOOOONDSの誕生秘話や、本誌でしか聞けないCDデビューまでの裏話、未来への展望などをたっぷり語っています。

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