雅紀さんは乙女チック?
──この本は、おふたりの日常会話を切り取ったようにも感じられました。プライベートや、楽屋が一緒だったりするときは、よく会話されますか?
渡辺 してますよ。雅紀さんはずっとしゃべってるんですけど、「この話はどうせ内容ないな」って思ったらだいたい、僕は無視してますから(笑)。
──それでも雅紀さんは話し切るんですか?
渡辺 だいたい話し切ってますよ。
雅紀 そうですね。
渡辺 相づちすら打たないときもありますね。
──そんなとき、雅紀さんはどういうお気持ちでお話を?
雅紀 僕はあったことを話してるだけなんで、気持ちも何もないんですよ。でも、隆があんまり聞いてくれなくなったせいで、後輩とかほかの人に話すようになっちゃって。だから今ごろ、皆さん隆と同じ気持ちになってるかもしれないですね。
渡辺 今、嫌われてる途中かもしれないですね。
──この取材でも「軸となってお話されるのが雅紀さんなんだ!」と少し驚きました。
渡辺 そうですね、しゃべりたくて仕方がないんで。
──漫談とかにも興味ありますか?
雅紀 僕のしゃべりってオチがあるわけでもないし、技術的なおしゃべりじゃないですからね。ただ、自分の気持ちを相手に伝えたいっていう。女子会みたいなものじゃないですか?
──あぁ、なるほど!
雅紀 女子会に参加したことないからわかんないですけど、女子のおしゃべりってそういうイメージで。もう、ただ言いたい。だから僕は乙女チックなところがあるのかもしれないですね。
──渡辺さんは、女子会には付き合い切れないといった感じでしょうか?
渡辺 いやぁ、別にそういうことじゃなくて、雅紀さんが話し始めたらもうわかるんですよ。「この話は内容がない、聞かなくてもいいやつだ」とか。必要な話は聞いてますよ。
──ここ最近で、必要だなと思った雅紀さんの話はありますか?
渡辺 ここ最近はないですね。
雅紀 (笑)。
──辿っていって、一番新しいものを教えてほしいです。
渡辺 今年(2021年)はないですね。
──もう12月ですよ。
雅紀 もう1年終わるのに。困っちゃいますよ。
渡辺 今年ないんじゃないかな、雅紀さんの口から大事な話は。雅紀さんは、50歳なのに初めて聞くことが多過ぎるんですよね。何にでもビックリするし、何にでもビビるし。
──たとえばどんなことがありましたか?
渡辺 あり過ぎて出てこないんだよな……。ファミレスで唐揚げフェアやってることにめちゃくちゃビックリしてなかった? そんなことでビックリするの?っていう。
「バカです」のスタンスではいきたくない
──雅紀さんがビックリしたことってなんですか?
雅紀 アルコ&ピース平子(祐希)と『M-1グランプリ2021』準決勝の待ち時間に街なかでお店を探してたら、何もないところに急に光があったから、「あれ、タリーズの光じゃない?」って言ったら、そのことを平子がラジオで言ってて。「光」まで言うのって、普通じゃないんですね? それと、タリーズに売ってる楕円形みたいなお菓子あるじゃないですか。
──……フィナンシェ?
雅紀 そう! フィナンシェ! それを平子が食べてたんですよ。僕はそのお菓子を知らなくて「なんていうお菓子?」って聞いたら、それも平子がラジオで「雅紀さん、フィナンシェを知らなかった」って言ってて。ラジオでイジられてるのを聴いて初めて、「僕の発言、変わってるのかなあ」って。
──言われて気づいたんですね。
雅紀 そうそう。ラジオを聴いた人がみんな「タリーズの光、笑った」みたいなことを言ってたから、確かに「あれ、タリーズの光だ」ってあんまり日本語で言わないのかなって。別にウケを狙って言ったわけでもないですし。
──狙ってやれることではないので、そこが雅紀さんの魅力のひとつでもありますね。
雅紀 でも、これが時として「この人、危ないんじゃないか」って思われるというか。
渡辺 雅紀さんは、バカだと思われたくないんですよ。すごい言ってきますもん、「今の発言でバカだと思われたんじゃないか」とか。「もうバカなんだよ」ってずっと言ってるんですよ。そのへんをあんまり理解してないですね。そのままでいけばいいのに。
──なんとなくなんですが、雅紀さんは、喜怒哀楽の4つで生きてるような感じがします。
雅紀 普通の人間は、喜怒哀楽のほかに4つの間があるってことですか?
──そうです。それをいろんな言葉を使って細かく人に伝えたりすると思うんですが、雅紀さんからお話を伺っていると、すべての結論がシンプルなところに辿り着くので、単純明快な方だなって思いました。
渡辺 犬の翻訳するやつみたいな感じですよね。
──あっ、はい!
雅紀 なるほど! 今回発見が多いです、おもしろい! 喜怒哀楽4つっていうのも合ってるなって思うし、さっきの乙女チックな部分とかも、掘っていったらそういう部分があるなって思ったんで、おもしろいですね。自分がもっとわかりそうです。
──ありがとうございます。言いたかったのは、雅紀さんは細かいところを気にしなさそうだなっていうことでした。
雅紀 まさにそうですね、合ってますね。
──でも、喜怒哀楽の「哀」と「怒」が少ないようにも感じます。
雅紀 そうです、そうです。「怒」なんてすごい少ないですよ。僕、沸点が高いんで。低いんで。どっちですか?
渡辺 高いんで。
雅紀 「高い」でいいのか。じゃあ、高いんで。だから怒ることないんですけどね。
──渡辺さんに対して怒ったことってありますか?
渡辺 ないですね。すべてのものに対して怒ってるのを見たことないですね。
雅紀 怒らないわけじゃないですよ、いくらなんでも。でも怒るまでが高いから、怒ってる人を見ても「そんなことでムッとすることないじゃん」とか思っちゃうんですよ。
──渡辺さんはいかがでしょう?
渡辺 そうですね、まあまあ怒りますけどね。
──そうなんですか(笑)。正反対ですね。
渡辺 それがニュートラルみたいな感じなんで。
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