僕たちは、ニューロティカに育てられちゃった芸人です。ハチミツ二郎、小峠英二、まちゃまちゃwithアツシ「武道館大丈夫?座談会」

2021.12.17

姉ちゃんが彼氏と別れてバンドの夢が絶たれた

──それだけバンドにハマッていて、自分でバンドをやろうということにはならなかったんですか?

まちゃ 5つ上の姉ちゃんはとっかえひっかえ彼氏がいたんですけど、ある彼氏がドラムセットをくれるっていう話になって。楽しみにしてゴミ箱とかを叩いて練習してたんですけど、もらう直前に姉ちゃんが別れちゃって。あれでバンドの夢が絶たれましたね。

二郎 オレはもう、芸人かプロレスラーになろうと思って東京に出てきてたんで、バンドをやろうとは思いませんでした。また、高校が渋谷区だったんで、「バンドやろう」みたいな話になっても、みんなが聴いてるのはPANTERAとかGorilla Biscuitsとか、洋楽のスケボーやるヤツが聴くような音楽だったんですよ。

ニューロティカ
当時の雑誌を見ながら、思い出トークが止まらないまちゃまちゃ

──バンドブームど真ん中の東京ってそういう感じだったんですね。

二郎 逆に「テレビに出ている音楽なんてダサイ」みたいな感じでした。でも、その高校のOGにLINDBERGの渡瀬マキさんがいるんですけどね。

──小峠さんは、小峠ナターシャと名乗って、アンダー・ザ・チェーンドッグというバンドを本格的にやっていたようですけど。

小峠 いや、別にそれでプロを目指そうとかはまったくなくて、遊びですよ。

二郎 ルックスは遊びレベルじゃなかったけどね。イギリスのパンクバンドみたいで、あれで薬物やってたら完全にアウトだよ。

まちゃ 田舎にいると、いろいろな要素を過剰に取り入れちゃうんだよね。

ニューロティカ
かつては「小峠ナターシャ」だった人

憧れのニューロティカとの対面で小峠号泣

──そこから、お笑いの道に進むまでには、どんな経緯があったんですか?

小峠 高校卒業してNSCに行って……みたいな普通の流れですよ。ガキのころはドリフターズが好きで、中学のときにたけしさん。高校でダウンタウンさんに影響を受けて。

二郎 みんなそうですよね。ドリフはただ「おもしろい」って笑ってるだけ。ちょっとお笑いを意識し始めたのが、たけちゃんマン。そこからとんねるず、ダウンタウンが出てきて、本当にかっこよくておもしろくって……。

まちゃ 私も小学校のとき、学習机にとんねるずさん、枕元にたけしさんの写真飾ってましたから。親、すごい心配してたんじゃないかな。

二郎 1996年に東京NSCができたときは、すべての漫才がダウンタウンでしたよ。オレはそのときから「いつか松本さんと浜田さんを笑わせるならマネじゃないほうがいい」と思ってましたけど。そのまんま『ガキの使い』(『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』日本テレビ)みたいなトークをやって、先生に褒められているようなヤツもいて。のちに品川(祐)が「そういうヤツがいたんですよー」とか言ってましたけど、お前のコントこそモロに『ごっつええ感じ』(『ダウンタウンのごっつええ感じ』フジテレビ)だったろうと。東京出身なのに関西弁使ってましたから。

まちゃ 私はお笑いをやろうとは思ってなかったですね。でも、バンドの入り待ちをするようなヤバイ追っかけだったんで、待っている間、そのヒマさを埋めたいと思って、追っかけ友達に向けてショートコントをやり始めたんです。そしたら、みんなが喜んでくれて、「来週までに新ネタ考えてこよう」みたいな。そうこうしていたらオーディションに受かって吉本に入った……みたいな感じですね。

二郎 銀座7丁目劇場に出ているころは、お互い「ニューロティカが好き」とは知らなかったですね。

まちゃ 10年くらい経ってから新宿ロフトで再会して(笑)。

ニューロティカ
二郎「お互い『ニューロティカが好き』とは知らなかったですね」

──お笑い同士なのに、親しくなったのはニューロティカつながりなんですね。

まちゃ 小峠くんもそうで、ものすごい勢いで「まちゃさーん、いつもニューロティカのライブにいますよね!」って声をかけてくれて。

二郎 小峠ちゃんってBLANKEY JET CITYとかTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTみたいなバンドが好きだと思ってたら、ニューロティカも好きだって言うから、「一緒にライブ行こうよ」って誘って。最初は楽屋に行くのも躊躇してたんですよ「緊張します」って。実際、あっちゃんに会ったら号泣しちゃって。それを見たクドカンさんが心配してましたから。

※ちょうど、ヘルプとして宮藤官九郎がニューロイティカのギターを弾いたライブだった。

アツシ クドカンちゃんが帰りにメールで「なんて日だ!」って送ってきたからね。オレ、そのネタ知らなかったけど。

まちゃ バイきんぐが『キングオブコント』に優勝した直後だっていうのに!

二郎 あっちゃんに届くまでには東京と地方くらいのタイムラグあるから。

──お笑い芸人に、こんなにファンがいるのはどうしてなんですかね? 一般にそこまで人気があるかというと、そうでもないじゃないですか。

小峠 バンドブームにハマるような人って、J-POPには乗れない、ひねくれ者が多いと思うんですよ。芸人になるようなヤツにも共通点があるんじゃないですかね。あとは、ニューロティカって実はすごく歌詞のメッセージ性が強いんです。僕も「ダメだな~」なんて思ったときにニューロティカを聴いて支えられたりとか、奮い立たされたりしてきましたから。

ニューロティカ
「育てられちゃった」芸人その3・小峠英二(バイきんぐ)

バンドブーム終了後30年目にして日本武道館に

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