ジャルジャル「コントを頼りにすごいことを」フランスで大スベリして得た原動力とは

2021.11.19


優勝して、もっとネタが作れるようになった

ジャルジャル

——おふたりが『キングオブコント』で優勝してちょうど1年経ちましたが、何か変化は感じられますか?

福徳 『キングオブコント』に挑戦しているときは本番が10月ごろにあって、予選が7月くらいから始まって。ということはネタの調整に入り出すんがだいたい3、4月ごろなので、1年のうち半年くらい使っていたんです。それがなくなると、有意義に時間が使える。そのぶんまた新しいコントを作れる。だからネタ作りのスピードがよりアップしました。

——ただでさえネタ作りのスピードと量がすごいのに、なお。

後藤 ふふふ。こうやって映画館にかけるネタの映像を作るみたいなことも、優勝してからやるのと、せずにやるのとではちょっと説得力も違うかなと思うので。優勝後にやることでわかりやすく「あ、ジャルジャルは次の新しいことに動き出したんだな」というふうに観てくれるのかなとは思います。

——まわりのスタッフが見せ方を考えてくれるという話がありましたが、基本的にどんな提案でも受け入れますか?

福徳 基本はウェルカム姿勢です。でも「こらできへんわ」とか言うこともありますよ、実際。具体的には思い出せないですけど……。やっても意味がなさそうなこととかですかね。

倉本 作品を作るという方向性においてはたぶん全部ウェルカムやと思うんですよ。

こないだも「ARコントを考えてください」なんてムチャ振りがありましたけど、そういうのも「やりますよ」とすぐ受けるし、結果すごくええもんができる。「こんな新しいことできんのか!?……うん、まあできるやろ!!」でやってみたら思った以上のものができる。その繰り返しです。

——コントの切り口とかやり方に関してはもう何が来ようと受け入れてやってみる?

後藤 そうですね。

——たとえばおふたりのコントをアートとして見せる「JART(ジャール)」の活動も、ちょっと笑いの領域をはみ出しているように見えるのですが、そういうこともふたりはやってしまう。

福徳 やっちゃいますねえ(笑)。

後藤 確かに、あれはお笑いにはない雰囲気でしたね。

——それもやってみたら楽しいだろうという予想のもと?

福徳 そうですね。あれに関してはお客さんの大爆笑を聞きたいわけではない、ということかもしれないですね。

後藤 実験的なニュアンスもあって。お笑いとして見せるのと、アートとして見せるのでは、どういう違いがあるのかなっていうのを、自分たちでも知りたいから。

——初めてのことだからやってみたい?

後藤 そうです。

福徳 もちろん単独ライブとかだったら爆笑がいいですけど。爆笑じゃない、心の中で笑う系の、満足するものを見せられたらな、という。

コントを頼りに、すごいことを

——今回の映画も、爆笑の部分というかコントのやりとりは笑ってしまう部分が盛り込まれてますけど、一本の映像作品として、爆笑だけではないニュアンスもある。それも新しいチャレンジとして捉えているわけですね。

後藤 そうですね。

福徳 ふふふ。

倉本 お客さんがどういう反応をしてくれるのか見えない怖さと、楽しみとがあって。映画館で全然知らん人と暗い中で一緒に観たらどうなるのかなと。もちろん映画館の中が笑い声でいっぱいになったらいいなあとは思いますけど、どんな空気になるのか。

後藤 そうっすねえ。

福徳 怖いっすね(笑)。

——おふたりは笑いじゃないところまで、コントで辿り着こうとしている。

福徳 コントを頼りに、いろんなすごいことをどんどんやっていけたらいいっすね。……フランスで一回単独ライブやったときに、すごい大スベリしたことがあるんです。それが糧になってて。「あの人たちがどうしたら喜んでくれるのかな」っていうのがけっこう、いろんな活動の根っこにあるんですよ。

後藤 ふふふ。

福徳 本当に大スベリしたので。

——そのフランスの人たちを楽しませられるようなことを、いろいろやってみる?

後藤 JARTの活動も、「アートという入口やったらフランスの人も身構えずに観てくれるんじゃないか」という観点もあったりします。今回のコントシネマも、字幕をつけて海外の人に受け入れられたらいいなあという思いもあるんですよね。

——そういうお話を聞いていると、活動を通じてコントそのものの地位を上げようとしているようにも見えますが……。

ジャルジャル
ジャルジャルの後藤淳平と福徳秀介、監督の倉本美津留(撮影=長野竜成)

後藤  (即答で)ないです。

福徳 文化貢献は全然ないです(笑)。

——でも今後も新しいことをやりつづけてくださるんでしょうね。

福徳 はい。

後藤 そうですね。僕らは今後もコントをやりつづけるので、みなさんに観て笑っていただけたら。

【関連】『キングオブコント2020』ジャルジャルが優勝記者会見で語った苦悩と勝因、決勝に吉本の芸人が多かったシンプルな理由


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  • 映画『サンチョー』

    2021年11月19日(金)シネ・リーブル池袋、新宿バルト9ほか全国順次ロードショー
     
    キャスト:後藤淳平(ジャルジャル) 、福徳秀介(ジャルジャル)
    作:ジャルジャル(後藤淳平、福徳秀介)
    監督:倉本美津留(『あ・りがとう—JARUJARU TOWER 2020—』)
    構成:藤井直樹、川上潤也
    企画構成:本多アシタ
    音楽:窪田渡
    ポスター写真:大金康平
    プロデューサー:真砂陣
    制作協力:株式会社ニンポップ、株式会社レゾナージュ
    製作・配給:吉本興業
    (C)2021 「THANC YOU ─JARUJARU TOWER 2021─」 吉本興業

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釣木文恵

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