「10年に一度の逸材」と言われて加入し、ミリオンヒットを記録する国民的アイドルグループ「モーニング娘。」のメンバーとしてスポットライトを浴びていた後藤真希さん。
現在はYouTubeを中心にタレントとして活躍し、2021年11〜12月には約10年ぶりとなる有観客ライブ『後藤真希 Billbord Live 〜Reply〜』を開催予定。グループ加入から22年という年月を経て、今気づいた“自分らしさ”とは。
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目次
オーディション前「モーニング娘。のことはよくわからなかった」
――後藤さんは「モーニング娘。第2回追加オーディション」に合格し、モーニング娘。入りを果たしました。当時は13歳だったかと思うのですが、もともと芸能界には興味があったのでしょうか。
後藤真希(以下:後藤) そうですね。母の好奇心で、6歳くらいから劇団や事務所のオーディションを受けたり、所属したりしていました。
――モーニング娘。のオーディションを受けたのは、なぜなのでしょう?
後藤 私自身は芸能の世界に入りたいというより、「歌って踊れるかっこいい歌手になりたい」という夢が幼少期からあって、それにどんどん近づいていきたいなと思っていたんですね。
でも、モーニング娘。のことはあまりよくわからなかったんです。
――そうだったんですね。
後藤 「『ASAYAN』(テレビ東京)って番組、最近学校で流行っているよな〜」と思って観た日にたまたまオーディションの募集をしていて、軽い気持ちで履歴書を出したという感じでした。
それで夏休み期間に家にいたら「第1次審査受かりました。第2次審査までに●年から●年までの楽曲を覚えてきてください」って連絡が来たんです。
――オーディションでは本来2名が合格する予定だったのに「ひとりだけレベルが違う」「10年にひとりの逸材」との理由で後藤さんだけが選ばれ、モーニング娘。入りが決まりました。当時、そういうふうに言われることでプレッシャーを感じたりはしなかったのでしょうか?
後藤 うーん……あまり感じてはなかったですかね。当時は子供だったこともあり、そんなに深刻に受け止めていなかったと思います。
――「期待に応えなくちゃ」とも思わず?
後藤 そうですね、期待を感じることはあったんですけど。個人的には、ただ楽しくやれたらOKだったし、チャートの順位とかもグループでの数字だから、あまり気にしていませんでした。
「ミリオン達成」も「オリコン1位」も喜べなかった理由
――モーニング娘。のメンバーになったことで生活が一変したのではないかと思いますが、「世界が変わったな」と自覚した瞬間を覚えていますか?
後藤 表参道の交差点にあるビルに「LOVEマシーン」のCDジャケットの看板が貼られていたんです。それをぼーっと見ていたときに「あれ? 私いるじゃん」って思ったのは覚えていますね。
あとは『ASAYAN』(テレビ東京)でオーディションに合格したことが放送される前に、私が事務所の出入りをしていることに気づいた人たちから「サインください」って言われたとき。当然、まだサインなんてないので、とりあえずフルネームで“後藤真希”って書いておきました(笑)。
でも、どちらかというと、“いつの間にか世界が変わってた”みたいな感覚のほうが近いかな?
――そうだったんですね。
後藤 なんか当時のモーニング娘。って「ミリオン達成した!」とか「オリコン1位!」とか「紅白に出場する!」みたいなことがつづいていたんですけど、私、それがなんなのかも、どれだけすごいことなのかも何もわからなかったんです。だから私以外のメンバーが泣いて喜んでいる横で、ポカーンってしちゃってたんですよね。
――当時の後藤さんって、少しクールな印象を持たれがちだったかと思うのですが、そうではなくて、わからなかっただけなんですね。
後藤 そうそう。うれしいことなのかどうかがわからないから、リアクションできなかっただけだったんです。
――ブレイクに伴う日常の変化に戸惑うことはなかったんでしょうか?
後藤 活動自体は楽しかったんですけど、自分の時間がなくなっちゃったことはつらかったですね。前までは、学校から帰ったら好きなことができたのに、家族との時間もなくなっちゃったし、早朝から何時まで働いているんだろう……という状況がつづいていました。
1日に3回ぐらい飛行機に乗って、食事を取るのも5分とかで、自分が今どこの地方にいるのかもわからない。「何やってるんだろう、私」みたいな感じで考えたことはありましたね。
――それはいつごろの話ですか?
後藤 オーディションに受かってから、半年ぐらいはつづいていたかなと。もちろんお休みもあったんですけどクタクタだったので、好きなことをしたり、自分のペースで過ごしたりするのは難しかったかな。今思えばそれだけお仕事があるのはありがたい話なんですけどね。
――ファンやマスコミから注目を浴びることで、プライベートがなくなる感覚はなかったのでしょうか?
後藤 実家はモロバレでしたし、タクシーに乗っていても、ずっとうしろに同じ車がいる……みたいな経験は何度もしました。そのたびに「ネットワーク、すごいな〜」と感心していましたね。
追いかけられていないときも、同じ車がずっとうしろにいると、自然とナンバーをチェックしてしまうようにはなっていましたね。でも、別にやましいことをしているわけじゃないし、そこまで気にしていなかったかな。
――なぜですか?
後藤 うーん……感覚的に、地元に入ると安心しちゃうんですよ。ずっと同じ場所で生まれ育ったので、仕事先から車で移動して、徐々に地元が近づくと“自分の街”感が出るので。「ついて来ている人はいるけど、地元だから安全だ」ってくらいの気持ちでしたね(笑)。
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