初めて手応えを感じて「まわりがピッカピカに見えた」
——方正さんはテレビでビンタされたりけっこうひどい目に遭ったりしていますけど、そこで本気で嫌がっているように見えたんですよね。それがこちらとしてはおもしろかったというのもあるんですけど。
方正 僕、出川(哲朗)さんによく言われたんです。「なんでまたモリマン対決やらないの? あんなオイシイのないじゃん」って。でも、僕は本気で嫌やったんです。出川さんはああいうのをエンタテインメントとして受け入れることができる人なんですよ。それは本当にすごいと思います。
——方正さんの「ヘタレキャラ」ってテレビではすでに確立したものがあったと思うんですが、ご本人はそれに満足していなかったんですね。
方正 満足したことは一回もなくて。モリマン対決が終わったあと、松本(人志)さんに「今日、日本で一番笑い取ったな」って言っていただいたこともあったんですけど、僕にはまったくその感覚がなくて。オッさんがボコボコにやられてギャーギャー騒いでいるだけだから、誰がやっても笑うんちゃうの、と思っていたので。
——ウケているとか盛り上がっているというのはご自分でもわかるはずだと思うんですが、それでも手応えがなかったということですか?
方正 手応えはほんまになかったので、ずっと神頼みでしたね。神頼みっていうのは精神がグラグラするんですよ。でも、落語は1回ウケたら、どこ行ってもウケるんですよ。グラグラがないんです。
テレビではそんなんがいっぱいあったんですよ。僕はこういうふうにやりたかったのに、こういう流れになって今日はラッキーとか、全然あかんかったな、とか。そのときの運任せみたいなところはあったんです。 でも、落語はそれがないんです。あかんかったら僕の責任やし、よかったらそれも僕の責任やし。運がよかった、悪かったという感覚はないんですよ。ということは、自分がどんだけしっかりしているかということなんですよね。
——初めて人前で落語をやったときには「これだ!」という手応えがあったそうですね。
方正 はい、今までの人生でうれしいことってあったじゃないですか。僕がそれまでにマックスでうれしかったのは、やっぱり子供が生まれたときだったんです。立ち会い出産したんですけど、まわりがピッカピカに見えたんですよ。「え、何これ?」ってなって。帰り道、車に乗っていても、ずっとまわりがピッカピカに見えるんです。これにもうびっくりしたんですね。
初めて落語をさせてもらったときも、それに似たようなピッカピカでした。お客さんとか、自分の持っている扇子とか、とにかく全部ピッカピカに光って見えたんです。魂が喜んでいたんでしょうね。
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