マヂカルラブリー『アメトーーク!』登場<シリーズ大宮セブン#4>「仲良しで集まってないから、仲悪くなっても終わらない」


「終わってた」状態からの大宮入り

──マヂカルラブリーさんが『M-1グランプリ』で優勝を果たしたことで、大宮セブンがますます注目を集めていますね。

野田 大宮セブンって、もともと実力あるメンバーしかいないんですよ。それが今になってこれだけ騒がれるってことは、吉本はダークホースだらけだなって改めて思います。吉本の気づかせる力不足とも言えますよね。だって、これだけこぞって賞レースを勝ち上がる奴らを都落ちさせてるわけですから。

村上 まあ、こんな状況に追い込まれたからこそ力を発揮できた、っていう考え方もあるけどね? ある程度お金をもらいながらルミネ(theよしもと)に出つづけられてたら、ここまで全員ブチギレて覚醒したかはわからないから……。

──少し遡って伺いたいのですが、2014年11月に「大宮セブン」が誕生したとき、マヂカルラブリーさんはコンビとしてどんな状態で、大宮所属となったことをどう思っていましたか?

野田 いやもう終わってましたよ、あのときは。終わりかけの芸人一歩手前か、ちょっと足踏み込んでるくらいの状態にはなってましたね。「仕事がない」と「仕事が来そうにない」。そのふたつがそろうと、芸人はだいたい終わるんすよ。で、僕ら当時、まさにその状況になってきてた。だから大宮に入ったときは、うれしかったっすねえ。

──仕事があることが?

野田 そう。バイトしなくてすむ状態にはなったんで。

──2014年というと、『M-1グランプリ』がなくて、代わりに『THE MANZAI』が漫才の賞レースとして年末にあった時期(2011〜2014)ですね。

村上 僕ら『THE MANZAI』のあった4年間で、最初の2年は認定漫才師(予選を勝ち残った上位50組に与えられる称号)だったんですけど、2013、14は2年連続でなれなかったんですよ。

野田 その代わり、コントの調子がちょっとよかったんだよね。ラップバトルのネタができたときに……。

村上 2013年ね。

野田 そのとき、「なんて楽な笑いの取り方なんだ」って思ったんですよ。

──漫才に比べて、ということですか?

野田 うん。やってて「うわ、楽だなー」って思ってましたね。

──それは、「コントは本業ではない」という感覚があったという意味でしょうか?

村上 それはあった気がするな。

野田 まあ、コント自体はやってたんですよ、ずっと。単独ライブはコント中心だったんで。だからコントをメインにしてもよかったんですけど、漫才は結成直後からいいところまで行ってたのに比べて、コントで勝てたことはなかった。でもラップバトルのネタが『キングオブコント』の準決勝でウケたとき「なんか無理してないな」って思えたんです。『THE MANZAI』のころの漫才はめちゃくちゃ無理してた感じがあったし、俺も楽しくなかったんですよ、ずっと。だから「もうこっち(コント)でいいんじゃないか」とも思いました。

マヂカルラブリー
『最強ラップバトル』のネタは『あらびき団』(TBS)でも披露された。最近は『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ)でたびたび放送されている

モダンタイムスには見せられない

──大宮セブンに所属し始めた時期のご自分たちについて、村上さんはどんな認識ですか?

村上 僕自身のことで言えば、それまでまとっていた国語教師のようなキャラがだんだん抜けてきてた時期だったので、やりやすくはなっていたんですよ。(野田に)ほら、そのころからあんまりさぁ、野田の、うーん、なんていうんだろう。僕にちょっかいかけてくるみたいなの。

野田 小手先。俺は小手先って呼んでる。

村上 小手先。それが、だんだんなくなってきてるころじゃないですかね。

野田 ああ。そのちょっと前に、むしろ小手先だけになった年もあったからね。

村上 だけ(笑)。そうだね。

野田 うん。一度、小手先のみでやっちゃったことがあるんすよ。ネタに本筋がなくて、キャラとしてやれる部分……たとえば急に変なこと言い出すとか、村上に絡むとかの部分だけのネタを『THE MANZAI』に持ち込んで、予選で落ちた。そのときに、マジで楽しくねえなって。ていうか「これはネタじゃない、俺はネタを作ってない」って思ってました。

村上 確かに苛立ちというか、もやもやを抱えてんのかなあ、って感じた時期はありましたね。

野田 だからさっき言ったように、「もしかして漫才じゃなくてもいいのかな」って。

──「小手先」だけのネタを作ったのは、そこがウケたからですか?

村上 そのころ出てた無限大ホールに合わせてたのかもしれないね。

野田 うん、そうだね。無限大のお客さんに寄せてたし、そこでは反応があったし。

村上 意識はしてないけど、若い女の子にウケるようなネタになってたのかもしれないです。

野田 たぶんランキングバトルで負けないようなネタを追求した結果、そうなったんですよね。俺はそのころのネタは正直、モダンタイムスとか地下の芸人たちには見せらんないな、っていう意識でした。

──野田さんは、常に10代のころ師匠と慕っていたモダンタイムスさんの目を意識しているんですか?

野田 モダンっていうか、みんな。地下の人たちみんながどう思うかなっていうのは考えてましたね。

野田はしゃべってもいいんだ!

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