『銀魂』は「アニメ作品」ではなく「バラエティ番組」
──アニメ銀魂に15年間携わってきて、「このアニメ変わったなぁ」と思うところはありますか?
最初に敷いた目指すところ、大きな太い芯は変わってないといいな、と思っています。私は高松信司さん(第1話〜第105話 監督)、藤田陽一さん(第100話〜265話 監督)から引き受けて、おふたりから「銀魂に対する想い」を聞いて、そこからなるべくブレないように。物語の変容はありますけど、目指す部分は変えないように、という気持ちでやっていました。おそらくそこがズレていたら、藤田さんは次に私を選ばなかったと思うので、不安はありましたけど、藤田さんはできない人を指名するような人ではないから、それを信じてやるしかないなって。
──おふたりから「継いだ意思」というのは具体的にどういったものでしょうか?
高松さんは、『銀魂』を「バラエティ番組」のつもりで作っていると仰っていて。毎週その時間にお茶の間に座ってテレビを観て笑う、楽しんでもらえるものを作りたいという気持ちです。それを藤田さんも引き継いでいて。「なんでもあり」だけど「なんでもありじゃない」っていう。その部分のさじ加減。自分自身の持つ信念とかポリシーみたいなものですかね。今思うと「自分が、これが正解だって思ったものをブレさせるな」ということだったのかなって。
──「アニメ」なのに「バラエティ番組」という感覚は新鮮ですね。
そうですね。「作品」ではなく「番組」だ、というのをけっこう言われていたので、それくらい気楽に観てもらいつつ、ガードが下がり切ったところでたまに泣ける話とかぶち込んで(笑)。そんな番組だったのかな。