【映画『RYUJI 竜二』特集#02】柳楽優弥が語る、伝説的作品を“なぞらない”という覚悟

2026.11.1
【映画『RYUJI 竜二』特集#02】柳楽優弥が語る、伝説的作品を“なぞらない”という覚悟

文=折田侑駿 撮影=梁瀬玉実 編集=森田真規


1983年公開の映画『竜二』を、43年の時を経て再創造した『RYUJI 竜二』が公開中だ。主演の柳楽優弥と、竜二を慕う舎弟・ひろし役を演じるBE:FIRSTのJUNONが、本作で初共演を果たした。

2026年10月21日に発売となった『Quick Japan』vol.186では、映画『RYUJI 竜二』を全14ページにわたって特集する「43年目の継承」を掲載している。柳楽とJUNONが2ショットで表紙を飾るSPECIAL EDITION特別カバー版も、QJストア限定で発売中。

本記事では、柳楽優弥が『竜二』という伝説的作品をいかに受け止め、何を“なぞらず”に新たな竜二像を立ち上げたのか。その覚悟と、43年の時を経て作品を再創造する意味について聞いた。

柳楽優弥
(やぎら・ゆうや)1990年生まれ、東京都出身。俳優。2004年、映画『誰も知らない』で第57回カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を史上最年少で受賞。主な出演作にドラマ『ライオンの隠れ家』(TBS/2024年)、『ガンニバル』シリーズ(Disney+/2022年、2025 年)などがある。『映画 九条の大罪』が2027年1月8日公開予定

【QJストア限定】『Quick Japan』vol.186 SPECIAL EDITION 柳楽優弥×JUNON(BE:FIRST)特別カバー版

数字よりも大切なものが、本当はたくさんある

柳楽 初めてオファーをいただいたのが、7年くらい前のことになります。というのはつまり、当時の僕はまだ20代。振り返ってみると、そのころの自分にはできなかっただろうと改めて思いますね。

それに、オリジナルの『竜二』をリメイクしようという人たちがたくさんいるのは作品を観ればわかっていただけると思いますが、でもだからといって、それはけっして簡単なことでない。あの時代に生まれるべくして生まれた映画だと感じていましたから。

柳楽 今この時代にあの映画をリメイクするうえで、僕はもっと理由がほしかった。そしてその理由は、月日を経ていく中で自分の中に芽生え、大きくなっていきました。そしてやがてそれはそのまま、僕自身の自信にもつながりました。最初にオファーをいただいたときにはなかったものです。

柳楽 オリジナルの作品を、追いかけてはいけないということ。なぞろうとしてはいけないということ。そんなことですね。43年の時を経て新しく『RYUJI 竜二』という作品が生まれるわけで、僕としてはこの映画がこうして誕生することの運命や奇跡を大切にしたいと思っていました。それがリメイクの意義や、この作品だけが持つ、この作品らしさになるんじゃないかなって。

映画『RYUJI 竜二』柳楽優弥インタビュー

柳楽 そうですね……最近のことなのですが、浜崎洋介さんの『小林秀雄の「人生」論』という本の中でたまたま出会った言葉というか、考え方にとても共鳴しましたね。

柳楽 芸術に対して、「そんなものは意味がない」と言う人がいたとします。たしかに、芸術に意味を求める必要なんてないのかもしれない。でも、この“意味”というものから守るべきものが、芸術なのではないか。これは今こうしてお話しするための僕なりの意訳ですが、すごく深いなと思ったんです。

だって今の時代、合理化ばかりを求めて、多くのモノの価値を意味の有無で決めたりするじゃないですか。結果として出てくる数字よりも大切なものが、本当はたくさんありますよね。無意識のうちに意味を追っている自分に気がついたとき、「危ない危ない」と僕は我に返るんです。

柳楽優弥/『Quick Japan』vol.186未掲載のアザーカットより
柳楽優弥/『Quick Japan』vol.186未掲載のアザーカットより

『Quick Japan』vol.186 SPECIAL EDITION 柳楽優弥×JUNON(BE:FIRST)特別カバー版

『Quick Japan』vol.186 SPECIAL EDITION 柳楽優弥×JUNON(BE:FIRST)特別カバー版
『Quick Japan』vol.186 SPECIAL EDITION 柳楽優弥×JUNON(BE:FIRST)特別カバー版 表紙/撮影=梁瀬玉実

発売中
サイズ:A5/並製/144ページ
価格:1,650円(税込)

【QJストア限定】『Quick Japan』vol.186 SPECIAL EDITION 柳楽優弥×JUNON(BE:FIRST)特別カバー版

映画『RYUJI 竜二』

映画『RYUJI 竜二』ポスタービジュアル (C)2026「RYUJI」製作委員会

公開:2026年10月30日(金)全国公開
監督:水田伸生
原作:金子正次「竜二」
脚本:冨岡淳広
出演:柳楽優弥、川栄李奈、萩原利久、JUNON(BE:FIRST)、田中美里、RYUKI(MAZZEL)、千原ジュニア、三宅健、伊藤英明
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
主題歌:BE:FIRST「It’s not a bad life」
公式HP:https://www.culture-pub.jp/ryuji_movie/

この記事の画像(全6枚)


この記事が掲載されているカテゴリ

Written by

折田侑駿

(おりた・ゆうしゅん)文筆家。1990年生まれ。主な守備範囲は、映画、演劇、俳優、文学、服飾、酒場など。映画の劇場パンフレットなどに多数寄稿。映画トーク番組『活弁シネマ倶楽部』ではMCを務めている。

関連記事

【映画『RYUJI 竜二』特集#01】柳楽優弥×JUNON(BE:FIRST)初共演で変わったお互いの印象「かわいらしい人だと思っていたけど、イメージは大きく変わった」

【映画『RYUJI 竜二』特集#01】柳楽優弥×JUNON(BE:FIRST)初共演で変わったお互いの印象「かわいらしい人だと思っていたけど、イメージは大きく変わった」

映画『BE:the ONE -START BEYOND DREAMS-』より (C)B-ME & CJ 4DPLEX All Rights Reserved.

BE:FIRST、初ワールドツアーで提示した“音楽が自由で楽しく深いコミュニケーションツール”であること【映画『BE:the ONE -START BEYOND DREAMS-』レビュー】

俳優・柳楽優弥が語る、駆け抜けた10年の終わりと始まり

大王×ナユタ

東京よしもとの期待株・大王×ナユタが語る若手芸人の層の厚さ「10年前と今の子はおもしろさが違う」

たくろう×丸亀じゃんご

たくろう×丸亀じゃんご、『M-1』優勝に向けて劇場でつけた勝ち癖と「サボったらヤバい」と思わせてくれた仲間

『マンゲキ夏祭り2026』

【写真たくさん】活気あふれる会場に出演芸人たちも大盛り上がり! 売れっ子芸人大集結の『マンゲキ夏祭り2026』レポート

「気づけば支えられている。表現者って、素敵な職業ですよね」声優・小原好美にライバーが聞く“続ける原動力”【17LIVE特別企画】

CANDY TUNE 186

CANDY TUNEが表紙・巻頭特集に登場!「10秒で元気になれる」悩み相談にパワフルなメッセージで全力回答!

長谷川あかり特集号、表紙ビジュアル解禁! 趣味の料理を楽しむ人も、日々の料理がつらい人も「人生の主体」を取り戻す言葉と創作の50ページ