最新作『HITCHHIKER』のジャケットから『第74回NHK紅白歌合戦』、京セラドーム大阪のステージにも立った『2023 JO1 2ND ARENA LIVE TOUR ‘BEYOND THE DARK’』など、JO1の数多くの衣装を手がけてきた韓国のスタイリスト、limsuli(イム・ソリ)とLeejaehee(イ・ジェヒ)。
『Quick Japan』vol.172(6月5日発売)の40ページ以上にわたるJO1の総力特集では、limsuliとLeejaeheeへのインタビューを実施。ふたりにJO1の衣装を制作する際のポイントや気をつけていること、グループの印象などについて語ってもらった。
さらにQJWeb限定で、JO1のメンバー11人それぞれに対するメッセージも掲載する。
スタイリストから見たグループとしての魅力
──JO1の衣装を担当することが決まり、彼らのことを初めて知ったときはどのような印象を受けましたか?
メンバーを把握するために映像と資料を確認して感じたのは、11人の個性がはっきりしていて、それぞれ違う魅力を持っていることです。パフォーマンス中はその魅力がひとつに調和していて、エネルギーがとてもよく自信にあふれていて、本当に素敵なチームだと思いました。
──おふたりが考える、JO1のグループとしての魅力は?
メンバーが多いので、11人がそれぞれ違う魅力を見せられることが大きな魅力だと思います。セクシー、かわいい、大人……どんなコンセプトでも、衣装を着たときに本人たちがよく理解して溶け込んでくれます。
──おふたりの衣装について、これまでメンバーからはどんな反応がありましたか?
いつもメンバーたちに感動しています。私たちが衣装を準備してフィッティングをするたび、すごく気に入ってくれて、衣装に対する称賛を惜しみなく表現してくれるんです。とてもよく着こなしてくれるので胸がいっぱいで、JO1のみんなが衣装を好きになってくれるぶん、私たちももっといい衣装を作ろうと努力しています。
──JO1のダンスはとても激しくダイナミックですが、パフォーマンス衣装を制作する際はどのような点に気を配っていますか? またパフォーマンスがより魅力的に見えるように工夫していることはありますか?
カラーやディテールなどに統一感を与え、11人が集まったときにひとつのチームに見えることに一番気を遣っています。同時にそれぞれの個性がしっかりと見えるようにデザインを考えます。またパフォーマンス衣装では、メンバーが動きにくさを感じずに、ひたすらダンスのみに集中できることが重要です。デザインを構想するときも、パフォーマンスが可能な範囲で各自に似合うディテールを入れて、11人の全体バランスが大きく崩れないことを意識しています。
『‘BEYOND THE DARK’』『紅白』における衣装コンセプト
──イム・ソリさん、イ・ジェヒさんの衣装はJO1メンバーの個性や魅力をよく引き出してくれると、JAM(JO1のファンネーム)からも厚い支持が寄せられています。特に『2023 JO1 2ND ARENA LIVE TOUR ‘BEYOND THE DARK’』のオープニング衣装は大きな反響がありました。この衣装はどのようなコンセプトで制作しましたか?
事務所から制服コンセプトでオープニング衣装を作ってほしいとお話をいただき、最初にメンバーが一番かっこよく勇壮に登場できる衣装にしたいと思いました。基本的な制服にキラキラした装飾を追加してメンバーの動きがよく見えるようにし、メンバーそれぞれの色に合わせてベルトとシルバーハーネスをスタイリングすると素敵なのではないかと考えました。さらに体型に合わせて丈をショート、ロングなどで調節しています。ファンの方々が遠くからでもデザインでメンバーを見分けることができるように製作しました。
──『第74回NHK紅白歌合戦』のピンクジャケットの衣装は、白組にも紅組にも染まらない“ボーダレス”という番組のテーマを体現していると、こちらもとても好評でした。どのようなことを意識して制作していきましたか?
『紅白歌合戦』で歌った「NEWSmile」は、MVでも今までのJO1の中で一番かわいい衣装を着ましたし、明るくてかわいいイメージを与える楽曲なので、ピンクが一番似合うと思いました。ピンクが与えるかわいい感じとともに、男性がピンクをどのように活かして着れば素敵でおしゃれに表現できるか悩んだ末、ツイード生地とパールビーディングをミックスするアイデアを思いついたんです。
衣装の準備期間は少しタイトだったのですが、パールビーディング作業は時間が長くかかるので、一晩中メンバー別にビーディングの位置を悩み、自分で手を動かしていたことが印象深いです。衣装を送る直前までずっとビーディング作業をしていたので、私たちも愛情を持っている衣装のひとつです。
──韓国の音楽番組で「Venus」を披露した際に着用し、のちに『2023 JO1 2ND ARENA LIVE TOUR ‘BEYOND THE DARK’』でも着用したネイビーの衣装も、JO1の上品さが引き立てられていて人気が高い衣装です。スカーフや帽子などの小物使いも活きていますが、こちらはどのようにスタイリングしていったのでしょうか。
「Venus」のMVでは空色の衣装にスカーフを活用してスタイリングをしましたが、メンバーたちが踊るときにスカーフも一緒にゆらゆら動くのがとてもきれいで。その延長で、ハイブランドのスカーフをメンバー別にアレンジして使うようになりました。動画を観ながらみんなの手の動作、振り付けなどを見て、スカーフがひらひらと舞うように見せるポイントを作りましたが、メンバーたちが小道具をよく活用してパフォーマンスしてくれたので、衣装がさらに輝いた気がしています。
──2023年の『DREAM CONCERT』出演時のデニムの衣装は、グループに新鮮な魅力を与えていました。こちらもこだわりや、注目ポイントを教えてください。
『DREAM CONCERT』は1曲ではなく多様なコンセプトの楽曲を歌ったので、すべての曲に合い、野外のステージで色味的にあまり暑く見えないデニムをメインキーワードに考えました。 そしてデニムとハーネスをミックス。激しい曲でもデニムがあまりカジュアルに見えず、ハーネスの男性らしい感じが適切に混ざり合って、すべての歌によく染み込むようにスタイリングしました。
大人なスーツコンセプトをスタイリングしたい
──ニューシングル『HITCHHIKER』衣装のポイントを教えてください。
厳しい現実の中でロマンチックな愛を夢見る青年たちが愛を求めて旅立つコンセプトなので、通常盤はヒッチハイクというコンセプトに合わせて、レザージャケットをメイン衣装にハートやクマのぬいぐるみを追加し、“ロマンチックな愛”というテーマに合わせてキッチュなポイントを与えました。初回限定盤Aはグリッターをポイントにキッチュさを活かせるシークインルックで表現し、通常盤にハートのポイントを入れたので、こちらでは星柄をポイントに。初回限定盤Bはメンバーがそれぞれ違う帽子を被って、最大限かわいくてやんちゃな感じが表現できるようにしました。
──これまでおふたりが担当したJO1の衣装の中で、特に気に入っているものは?
『2023 MAMA AWARDS』本ステージの衣装です。「ギリシャ男神」というキーワードがありましたが、コンセプチュアルになりすぎないように衣装に落とし込まねばならず、たくさんデザインを悩みました。全般的にシンプルでムダのないスーツをベースに、ドレープでポイントを与えています。また素材に多様性を持たせて、オールブラックでものっぺりと見えないように、シルク、シースルー、ブラックラメの生地を混ぜました。大きな装身具がダンスのジャマにならないように、たくさん悩みながら作ったので思い入れ深く、一番好きな衣装ですね。
「男神」というキーワードに合わせて羽と鎧のポイントをハーネスで加え、アクセサリーも制作しました。私たちがステージで表現したかったものを、メンバーたちがよく着こなしてくれました。
──もし作品などに関係なくJO1を自由にスタイリングできるとしたら、どんなコンセプトの衣装を着せてみたいですか?
大人な感じのスーツコンセプトをJO1は一度もしたことがないと思うので、男らしい感じのスーツのスタイリングをしてみたいです。
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