CUBERS優が明かす9年間で最高の瞬間「いい空気が流れている感じがあった」
2024年3月31日をもって解散することを発表しているCUBERSの“これまで”と“これから”が詰まった書籍『CUBERSメモリアルブック ~ポップデジタルタトゥー~』が3月15日に発売される。
メンバー5名のソロとグループで合計5万字以上のインタビューが収録されている『ポップデジタルタトゥー』から、ここでは優のソロインタビューからごく一部を抜粋してお届けする。
※本稿で掲載したインタビューや写真は制作中のものとなり、『CUBERSメモリアルブック ~ポップデジタルタトゥー~』の内容とは一部異なる可能性がございます。あらかじめご了承ください
コロナ禍で直面した悔しさとやるせなさ
──CUBERSの活動全体で、何が一番印象に残っていますか?
優 ええ……なんだろう? 活動で一番思い出に残っていること……あ、コロナ禍での活動かもしれないですね。思いっきり(コロナ禍が)直撃したグループなので。そのときの何かっていうより、コロナ禍での活動期間がすごく思い出にあるかもしれないです。「どうしよう」「何をしよう」って、みんなで常に話し合いをしていたから。みんなっていうのは、メンバーもそうですし、事務所とかレコード会社の方も含めてなんですけど。こういうことって、歴史的にもあまりないじゃないですか。だから、世界が一変したことに伴って、どうしていくか試行錯誤していた期間が一番印象には残っているかもしれないです。
──CUBERSにとって、一番大事だったであろう3年間に直撃していますよね。
優 そうなんです。もう、おっしゃるとおりでございます。
──国際フォーラムでのライブも中止になってしまいましたし。
優 はい、そうなんです。悔しい気持ちもあるけど、しょうがないですよね。誰のせいでもないし、怒りの向け場がない感じ。悔しさをどこに向けることもできないので、やるせないというか。肩透かしをくらったみたいな感じでしたね。「これが悪いんだ!」って思える何かがあれば、逆によかったのかもしれないけど。ぶつける場所もなかったので、「はー……」って感じでした。
──とはいえCUBERSは、コロナ禍での対応の初速も速かった印象があります。
優 そうですね。ほかのグループの活動状況があまりわからないので、なんともいえないですけど。オンラインとか、わからないなりにいろいろやってみたって感じですね。できることもそれしかなかったですし。
──コロナの影響をあまり受けなくなったと思えたのは、いつころからでしたか?
優 いつだろう……そのへんがちょっとごちゃっとしているんですよね。明けたと思ったら、もうひと波来たじゃないですか。人前に立てるようになったのが、大きな変わりどころだったかな。ライブに観客を入れられるようになったくらいから、「明けてきたな」と思えるようになったかもしれないです。2020年12月の『CUBERS JUMPING BOX TOUR ~Xmas Special~』ころかな。でもそのあと、延期してた国際フォーラムライブもまた中止になっちゃったりしてたからいつなんだろうな。
──数年間続いたインディーズ時代は、長く感じましたか? それとも、短く感じましたか?
優 あまり考えたことなかったですね。「長い」と思ったこともないし、「短い」と思ったこともない。「あ、こんなもんなのかな」って。メジャーデビューしているほかの人たちがどれくらいの時間がかかっているのか、あまり知らないので。でも、時間がかかる人って、もっとかかっているような感じもするんですよね。それこそ、僕は芸人さんが好きなんですけど、芸人さんって売れるのに10年かかるのなんて、ざらじゃないですか。錦鯉さんとかハンパないじゃないですか。そう考えたら、9年の活動期間も「長いのかな?」って感覚になりますよね。
──メジャーデビュー前は、下積みをしている感覚があったんですか?
優 今になってみると、「あれって下積みだったよね」みたいな感じです。当時はその環境しかわからなかったから、「こういうものなのか」と思いながら活動していた気がします。あのころと比べて、やらなくていいことが増えていって「下積みだったんだな」と思ったというか。だから、下積みをしていた感覚はなかったかもしれないですね。
自分にとってファンは「変わらずに信じられる存在」
──グループインタビューで「優さんは変わった」というお話が出ていましたが、何か大きなターニングポイントがあったんですか。
優 そんなこといったら、“何か”しかないんですけど(笑)。自分では気づかないので、何がきっかけかはわからないです。でも、何もないということは絶対にないですね。いろんなことがあったので。しかも、コロナ禍っていう一番でっかいことがありましたし。ターニングポイントを強いて挙げるとするなら、メジャーデビューじゃないですか。そこな気がします。それは、みんなそうだと思うし。
──メジャーデビューを機に、意識が変わった感覚があると。
優 意識が変わるというか、環境がガラッと変わるので、そうすると考え方も変わってきますよね。要は、関わる大人が増えたり、会社が増えたりするわけですから。そのおかげでいろんな仕事ができるようになると、さらにいろんな人と関わっていく。そうなると、僕に限らず、みんな考え方が変わっていったんじゃないですかね。メジャーデビューのときは、自ずとそうなっていったような気がします。
──優さんはCUBERSの活動を通して、何を得たと思いますか?
優 数えたらキリがないですが……キザになりますけど、やっぱりみなさんの愛じゃないですか。かけてくれた言葉だったり、してくれたことだったり。もちろん「何かができるようになった」とかいろいろありますけど、一番はそんな気がしますね。
──優さんにとって、ファンの人はどんな存在ですか?
優 変わらずに信じられる人たちかもしれないですね。最初から最後まで裏切られたと思ったことはないですし、大きいところでライブをすることになったとき、たくさんの人が入ってくれているところを見ると、やっぱり「ありがとう」って思うんです。そういうときに再認識じゃないですけど、感謝の気持ちは強くなっている気がします。
──正直なところ、CUBERSの活動を辞めたいと思った瞬間もありますか?
優 (しばらく考え込んで)……あんまりなかったかもしれないです。もうしんどい、つらい、明日行きたくないとかはありますけど(笑)。辞めたいはなかったかもしれないですね。ほかにやりたいことがあったらすぐ辞めていたと思うんですけど、それがなかったんで。超極端な話ですけど「おそば屋さんになりたい!」って本気で思ったら、俺はすぐおそば屋さんで働き出していたと思うんです。でも、そういうものに出会わなかったから。だから、続いていたのかもしれないです。それだけ芸能の仕事が魅力的な世界ってことじゃないですかね。キラキラした仕事じゃないですか。
──芸能の世界に魅力を感じるのはもちろん、CUBERSにも魅力を感じていたのかもしれませんね。
優 たしかに。あと、僕が辞めようと思わなかったもうひとつの理由は、歌とダンスが嫌いじゃなかったこと。たぶん、嫌いだったら辞めていたかもしれないです。グループ活動していると「歌は好きだけど、ダンスは好きじゃない」とか「ダンスは好きだけど、歌は好きじゃない」とか、ありがちだと思うんです。もしくは、「芝居が好きになっちゃった」とか。それで辞めていく人って、少なからずいると思うんです。でも僕は、この仕事のダンスと歌っていう部分が、別に嫌いじゃなかった。なおかつ、やっていて楽しいと思えていた。だから、続けてこられたのかもしれないです。嫌いになっていたら、楽しいと思えなかったら、辞めていたかもしれない。
──CUBERSとして9年間活動してきた中で、最高の瞬間っていつでしたか?
優 どこだろう……。ちょっと悲しくなってきますけど、国際フォーラムでのライブを発表したときかもしれないですね。なんかいい空気が流れている感じがあったし、あのころは目に見えて数字がよかったんですよね。動員数だったり、動画の再生数だったり、Twitterのフォロワー数だったり。のぼり調子で来ていた感じがするので。それがコロナ禍2年目くらいからガシャンって下がってしまったから、一番よかったのはそこかも。でも、みんなそう思っているんじゃないですかね。
──メジャーデビューしたときではないんですね。
優 それもそうではあるんですけど、最高以外の感情も乗っかってきていて。右も左もわからない感じだったので、最高の瞬間っていわれればそうだけど、ほかにも「どうなるんだろう?」みたいな感覚もあった。わからないことが多くて、明確に未来が見えていないっていうか。国際フォーラムでのライブが決まったときは、ある程度は活動を重ねてきて、道筋もなんとなくできていましたから。
QJストアにて直筆サイン入りミニカード3枚封入で予約受付中!
タイトル:『CUBERSメモリアルブック ~ポップデジタルタトゥー~』
発売日:2024年3月15日(金)
定価:4,400円(本体4,000円+税)※送料別
仕様:B5判/80ページ
販売:QJストア、Amazon(特典なし)
予約ページ:https://qjweb.myshopify.com/products/cubers
発行:太田出版
※発売日や仕様などは変更の可能性があります
※発売日が商品の到着日ではありませんのでご了承ください
※現在、一般書店での販売は予定しておりません
※第三者への転売、オークションでの転売等は禁止致します、ご了承ください
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