JO1、東京ドーム公演に感じた“パフォーマンスで伝える”という進化と覚悟

2026.4.20
『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』東京ドーム公演より (C)LAPONE ENTERTAINMENT

文=岸野恵加 編集=森田真規


2025年に続いて、2026年4月8日、9日と、東京ドームでの単独公演『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』を実現させたグローバルボーイズグループ・JO1(ジェイオーワン)。

昨年に続いてJO1の東京ドーム公演を観覧したライターの岸野恵加は、本公演について「センチメンタルな感情に浸ることはなく、“パフォーマンスで伝える”というメンバーの覚悟がひしひしと伝わってきた」と感じたという。

ここでは、『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』4月9日の模様をレポートする。

さらなる進化を感じたパフォーマンス

JO1にとって1年ぶりのドーム公演。とても楽しみであったと同時に、少し不安な気持ちも抱いていた。2025年4月に行われた、グループ初の単独東京ドーム公演『JO1DER SHOW 2025 ‘WHEREVER WE ARE‘ IN TOKYO DOME』が、あまりにも素晴らしかったからだ。

東京ドームを完全掌握するようなライブは、並大抵の実力ではできない。筆者はライブ取材のために頻繁に東京ドームを訪れているからこそ、強くそう思う。しかしJO1は昨年の東京ドーム公演を、初めてとは思えないほど高い完成度で見せてくれた。

迫力たっぷりのパフォーマンスはもちろん、大人数グループという特徴を生かした飽きさせない構成と演出、ファンとの一体感──『JO1DER SHOW』のコンセプトどおり、どんな人でも満足させる、上質なエンタテインメントを作り上げていた。

とても印象深かったので、2025年末に参加させてもらった、年間ベストカルチャーを選ぶ『Quick Japan』の企画「Culture Of The Year 2025」でも、同ライブを挙げさせてもらったほどだ。

2度目の東京ドーム公演『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』では、それ以上のものが見られるだろうか。メンバーも「昨年を超えなければならない」という強いプレッシャーを抱えていたことは想像に難くなく、その思いを出演したコンテンツではっきりと口にするメンバーもいた。しかし幕が上がると、JO1はそんな杞憂を吹き飛ばすような、さらなる進化を感じさせるステージを展開してくれた。

『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』東京ドーム公演より (C)LAPONE ENTERTAINMENT
『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』東京ドーム公演より (C)LAPONE ENTERTAINMENT

ライブで感じた“音楽への愛と飽くなき探究心”

『ʻEIEN 永縁ʻ』は4月22、23日に京セラドーム大阪での公演を控えているため、本稿でライブの内容すべてを詳細にレポートすることはできない。事細かに紹介できないことがもどかしいが、気になった人はぜひ会場へ足を運んで、極上のショーを肌で感じてほしい。

東京ドーム公演は両日平日に行われ、2日目は14時半開演。しかし客席は、多くのJAM(JO1のファンネーム)で埋め尽くされていた。ライブの冒頭では、メンバーがJO1としてデビューする前の道のりを表現したようなオープニング映像が流れ、純白の衣装をまとったJO1が登場。2023年にリリースした3RDアルバム『EQUINOX』のリード曲「Venus」で、神秘的なムードを放ちながら公演をスタートさせる。

メンバーが積極的に演出やセットリスト作成に携わるJO1のライブから強く感じるのは、音楽への愛と飽くなき探究心、そして「観客をあっと驚かせたい」というショーマンシップだ。楽曲はバンドによる生演奏で届けられ、新鮮なアレンジと演出で、それぞれの公演という“作品”にフィットするように生まれ変わる。

「Venus」に続いて披露されたのは、ストーリーが繋がっている楽曲としてJAMから高い人気を誇る「ICARUS」と「MONSTAR」。大きな翼を作るような「ICARUS」のフォーメーションに見入っていると、「MONSTAR」がまさかのマッシュアップ形式で披露され、観客から大きな歓声が上がる。こうして序盤では、JO1のパフォーマンスにおける大きな魅力のひとつである、儚く上品なコンセプトをじっくりと堪能できる楽曲が続いた。

『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』より (C)LAPONE ENTERTAINMENT
『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』東京ドーム公演より (C)LAPONE ENTERTAINMENT

観客を驚かせたいという貪欲な姿勢

また、本公演のために用意されたユニットステージも展開。ユニットそれぞれにまったく色が異なっており、JO1の表現の幅広さを実感させられる。中には、デビュー7年目を迎えたからこその表現が光る、大人の色気たっぷりな楽曲も。それぞれの楽曲の色を最大限に表現すべく、登場の仕方からセットや小道具の使い方まで細かな工夫と計算が凝らされており、瞬きするひまがない。

そして代表曲「BE CLASSIC」「SuperCali」「Handz In My Pocket」では、新たなアレンジでまったく異なる世界観が提示され、ドーム公演ならではのスケール感に圧倒された。ベートーベンの交響曲第5番「運命」をサンプリングした最新曲「BE CLASSIC」は、昨年のドーム公演でも芸術的なステージが展開されハイライトとなっていたが、2025年8月にJO1が出演した『SUMMER SONIC 2025』や、11月に香港で行われた音楽授賞式『2025 MAMA AWARDS』でも、それぞれ異なる壮大な演出で披露されていた。本公演でも、さらに新鮮なディレクションで観客を圧倒。成功した過去をけっしてなぞらない、JO1の貪欲な姿勢に感服する。

(左から)佐藤景瑚、金城碧海、川西拓実、與那城奨、白岩瑠姫、豆原一成、木全翔也、河野純喜、川尻蓮
(左から)佐藤景瑚、金城碧海、川西拓実、與那城奨、白岩瑠姫、豆原一成、木全翔也、河野純喜、川尻蓮/『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』より (C)LAPONE ENTERTAINMENT

これらの楽曲以外にも見応えのある演出が多数用意され、ライブ初披露となった「Dot-Dot-Dot」も、メンバーの表現力の高さが存分に発揮された仕上がりだった。また前回に引き続きVCRとパフォーマンスとの連続性が高く、観客を没入させる仕掛けが満載。今回JO1のライブを初めて体験したという筆者の友人も、「演出が素晴らしく、体感時間があっという間だった」と語っていた。

演出面のみならず、メンバーのパフォーマンス力と歌唱力が、さらなる進化を遂げていたことも書き記しておきたい。河野純喜、與那城奨、金城碧海のボーカルライン3人は、見事なロングトーンで魅了。また普段はクールな白岩瑠姫がドスの効いた低音を繰り出したり、川西拓実は音源から音程やニュアンスを少し変えて遊び心を見せたりするなど、個性豊かな表現に心を奪われる。

息つく間もないセットリストの中で、メンバーは気迫たっぷりに踊りながら、安定したボーカルを余裕たっぷりに響かせていく。パワフルな楽曲を連続で畳みかけるパートが終わったあと、メンバーが汗だくで「キツい!」と漏らす姿を見て初めて、セットリストのハードさに気づかされた。

『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』東京ドーム公演より (C)LAPONE ENTERTAINMENT
『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』東京ドーム公演より (C)LAPONE ENTERTAINMENT

“物語”に別れを告げ、さらなるステージへ

オーディション番組出身のグループが歩んでいく道のりは、エモーショナルな成長物語に自然とフォーカスされがちだ。昨年の『JO1DER SHOW 2025 ‘WHEREVER WE ARE‘ IN TOKYO DOME』では、JO1の悲願であった初東京ドーム単独公演の実現というメモリアルな瞬間に、メンバーもJAMも涙を流し、その光景が特別感を高めていた。

しかし今回の『‘EIEN 永縁’』では、メンバーがそうした“物語”に別れを告げ、アーティストとして何枚も皮を脱いだと感じた。最後のコメントも終始シンプルな言葉で、センチメンタルな感情に浸ることはなく、“パフォーマンスで伝える”というメンバーの覚悟がひしひしと伝わってきた。

佐藤景瑚はオスカー像のポーズをマネて「みなさんのおかげでこの東京ドームが超大成功したので、みなさんにアカデミー賞をあげたいと思います」とJAMを沸かせ、「今年、絶対俺らはもっと上に行くから。みんなにもっと最高の景色を見せていきたい」と“Go to the TOP”への思いを改めて力強く宣言。さらに「行くぞー!」と拳を掲げ、「オー!」と応えたJAMと、心をひとつにしていた。

『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』東京ドーム公演より (C)LAPONE ENTERTAINMENT
『JO1DER SHOW 2026 ʻEIEN 永縁ʻ』東京ドーム公演より (C)LAPONE ENTERTAINMENT

木全翔也「失敗も成功も、楽しいこともつらいことも、全部含めてご縁」

『‘EIEN 永縁’』という公演タイトルは、これまでJO1が紡いできた縁や運命とともに前へ進む決意を、“永縁”という名の樹に見立てて表現したそうだ。本公演のために書き下ろされた楽曲「EIEN」について、作詞作曲に携わった木全翔也は「失敗も成功も、楽しいこともつらいことも、全部含めてご縁とだと思って、この曲を作りました」と、制作の裏にあった想いを紹介。歌詞にはグループの歩みを振り返るフレーズがちりばめられ、「You and me,we are destiny/解けない絆 永縁に」と、JAMとの永遠の絆を願う。

ライブの全編において堂々と頼もしい姿を見せてくれたJO1だが、「EIEN」を歌い上げる際は、JAMへの感謝や深い愛情など、等身大の思いをさらけだしていたように思う。「僕は一瞬一瞬の積み重ねが“永縁”を作るのかな、と、ライブをしながら考えました。今日という一瞬が、みなさんの人生の一部になってくれたらいいなって」という川尻蓮の優しい言葉にも、JO1とJAMの強い結びつきを感じた。

「EIEN」の曲中では、最年少の豆原一成が「僕たちはまだまだあきらめず、上に向かってがんばっていきたいと思います!」と情熱的に宣⾔。心の炎を燃やし続け、進化を止めないJO1が見せてくれる今後の景色に期待したい。

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岸野恵加

(きしの・けいか)ライター・編集者。ぴあでの勤務を経て『コミックナタリー』『音楽ナタリー』副編集長を務めたのち、フリーランスとして2023年に独立。音楽、マンガなどエンタメ領域を中心に取材・執筆を行っている。2児の母。インタビューZINE『meine』主宰。

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