Aile The Shotaが宣言する“J-POPスター”への道。愛とリスペクトを持って「新しいJ-POPを作る」
SKY-HI主宰のマネジメント/レーベル「BMSG」から2022年1月にデビューをすると、自身のルーツとするJ-POPにリスペクトを示しながら、オリジナリティあふれる新たなJ-POPのかたちを提示し続けているAile The Shota。
そんな彼が自身の第1章の締めくくりとしてEP『Epilogue』を12月6日にリリースした。そして、第2章では「新しいJ-POPを作るJ-POPスターになる」という明確な目標を見据えているという──。
Aile The Shota
(アイルザショウタ)2022年1月、BMSGレーベルより配信シングル「AURORA TOKIO」でデビュー。さまざまなプロデューサーと組みながら現代版シティポップサウンドから、R&B、Chill、ディープハウスまで、幅広くJ-POPと融合させた楽曲を発表している
目次
「ロングトーンで『生きろ』ってシャウトしたい」と思った
──『Epilogue』はご自身の第1章を締めくくる作品とのことですが、そもそもデビューからこれまでを“第1章”と位置づけることは、最初から想定していたのでしょうか?
Aile The Shota 走りながら徐々にですね。ワンマンツアーや制作を通して自身と向き合ううちに、「ここを第1章と区切ることが必要なんじゃないか」と思うようになりました。まだまだ僕が届けたいところには全然到達できていないので、「区切ることで退路を断とう」という決意の表れでもあります。ちなみにこれまでのEPのタイトルが『AINNOCENCE』『IMA』『LOVEGO』で、頭文字をつなげると“Ail”になっていたんですが、これは実は狙ってなくて。3作目のときに気づいて「じゃあ4作目は“e”かな?」と考えました。
──ということは、リード曲の「Epilogue」を中心にEPを作っていった?
Aile The Shota いえ、実は「Epilogue」は最後にできた曲なんです。収録曲を決めていくなかで、最後は「Epilogue」だな、と浮かび上がってきました。そんなふうにとことん自然体に完成したけど、コンセプティブな作品になったと思います。
──「Epilogue」は、Shotaさんの代表曲といえる「IMA」でタッグを組んだKNOTTさんとの作品ですね。
Aile The Shota 本当は別のリード曲候補があったんですが、「今じゃないかも」とやめたんです。それでリード曲をどうしようか考えたとき、ちょうどツアーを走り終えたころで、「IMA」という曲の自分にとっての重要性をすごく実感していて。急遽KNOTTにスケジュールをもらって、姫路に1泊して一気に作りました。
──“命”をテーマとしていて、Aile The Shota史上最もメッセージ性の強い印象を受けました。
Aile The Shota 時勢的にまわりに死を感じることが多くて、特に芸能人の自殺が僕の中に無視できないつかえとして残っていたんです。まったく同じ経験ではないけど、僕もゼロの状態から一気に人の目に触れる立場になっていろいろ感じたので、そこと少なからずリンクする部分があって、無視できなくて。KNOTTと一緒に2日間でメロディと歌詞を作り上げました。心の底から出てくるまま言葉を並べたけど、一番普遍的な曲になったと思います。Aile The Shotaとしては「あなたに届いていますか」というスタンスは初めてですが、聴いてくれる人に向けて書いた曲なので思い入れも強いし、まっすぐに届いてほしいですね。
──ダンサブルなビートに乗せた「生きろ」というストレートな言葉に心を揺さぶられました。
Aile The Shota ありがとうございます。曲を書いていくなかで、「ロングトーンで『生きろ』ってシャウトしたいな」とふと思いついて、KNOTTにビートを組んでもらいました。KNOTTは夫婦ふたりのユニットなんですけど、とてもアットホームなんです。「IMA」の間奏のシンセサイザーとかもそうなんですけど、MaluMeloさんのコード感がすごく好きなんですよね。心に届くメロディラインを生み出せるふたりだし、感情的に曲を作ってくれるので、それが今回の「Epilogue」にマッチしました。ビートや鍵盤に温かみがあるのは、KNOTTサウンドならではだなと思いますね。
初めて客演として呼んだSKY-HI
──そして「J-POPSTAR feat. SKY-HI(Prod.VLOT)」は、自分はJ-POPスターであると高らかに宣言する一曲ですね。
Aile The Shota 第1章を締めくくれると思ったのは目標が明確に見えたからなんですけど、それがまさにこの曲で歌っていることですね。いわゆる世間のイメージとしてあるJ-POPではなく、僕が新しいJ-POPを作るJ-POPスターになる。今の自分なら、そう宣言しても説得力を持たせられると思いました。第2章に行くにあたって、明確に示すかどうかで大きな違いがあると思うので、この曲の存在は必要不可欠だったと思います。
──宣言することでJ-POPスターの看板を背負う覚悟というか。
Aile The Shota そうです。SKY-HIがよく「Aile The ShotaとNovel Coreが売れることが、日本の音楽業界にとってすごくいいことだ」と言ってくれるんですね。J-POPは自分のルーツに強くありますし、そこと戦うのではなく、愛とリスペクトを持った状態で全部自分の色に昇華してやろう、という思いです。
──リリックはSKY-HIさんと、どういう分担で書いたんですか?
Aile The Shota ラッパーをフィーチャリングするスタンスなので、それぞれ自分が歌っているところを書きました。僕のバースは思いきりヒップホップマナーに則って書いているんですが、僕のリリック「ドリカムと同じステージで夢を語る」に呼応するように「ワンダーランド」と入れて回収してくれるあたり、やっぱりラッパーとして好きだなあと。
あとは韻を踏みながら「隣にShotaとCore」と呼んでくれるのもうれしかったですね。変な色がまったくついていないというか、純粋に仲間としてネームドロップしてくれる感じが。僕からしたらSKY-HIとNovel Coreはやっぱり先輩だし、キャリアもパフォーマンスのクオリティも尊敬しているので、そこに肩を並べているんだなという感覚にもなって、がんばろうと思わせてもらえます。実は僕がSKY-HIを客演で呼んだのは初めてで。お互いに媚びないタイミングを見極めていたんですが、今で正解だったと思っています。
──ちなみに、Aile The Shotaの第2章はもう具体的に見えていますか?
Aile The Shota はい。まずは明確に「これがJ-POPスターです」と示すアルバムを作りたいと思っています。あとはワンマンの規模も上げたいし、よりオーバーグラウンドな人たちともフィーチャリングしていきたい。無視できないところにどんどんAile The Shotaの名前を出していきたいですね。
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