福井俊太郎(GAG)連載「指が輝いてる人はピザ食べた人」第2回【吉祥寺×美舟×接待無味族】

文・撮影=福井俊太郎(GAG) 編集=福田 駿


2023年8月に始まった福井俊太郎(GAG)による新連載「指が輝いてる人はピザ食べた人」。総武線沿線の旨いグルメを、福井お得意の“決めつけ”を挟み込みながら紹介していく決めつけグルメ連載だ。今回、始まりの地・三鷹から一駅進んで降り立つのは、漫画やドラマでお馴染みのグルメシティ・吉祥寺。ドラマ『火花』の聖地巡礼をしながら、得意の“決めつけ”まとわせて今日も低くねっとりまとめ上げる。

オモシロ5文字食べ物ランキングの上位ランカー

どうもぉ最近では外国の方がネイティブな英語で「SO BEAUTIFUL SEA!」と言ったのが「総武線!」に聞こえた人間です、、たまにタモリ倶楽部の空耳アワー名作集をYouTubeで漁るんですが、、個人的に微笑んでしまうのはエルヴィス・プレスリーの「ボサ・ノヴァ・ベイビー」の中での「OH SO COOL OUTSIDE!」が「お酢を下さい!」と聴こえる作品ですね、、

今回で第2回目の指輝(指輝とはこの連載タイトルが「指が輝いてる人はピザ食べた人」と長いので略称として使わせてもらってます)、、いや結局説明が長くなっとるやないかいぃ、、とツッコミを入れてくださった読者さんには正統派ツッコミの種を差し上げます、、この連載の中で正統派ツッコミの種を100個集めてお笑い養成所NSCに持っていくと変な奴の称号がもらえますよ、、いや変な奴のかいぃ、、のツッコミで早くも種を2個集めれた方がいらっしゃったら大したものですよ、、

それでは本編へ、、まずは恒例の、、OPV(オープニングVTR)の代わりとなるOGP(オープニンググルメピクチャー)をアニメ『ミスター味っ子』の「ルネッサンス情熱」が流れているイメージでどうぞ!

♩ ルネッサンス情熱 僕のこの手は いつも何かさがし燃えてる ♩

いぶきうどん吉祥寺店さん

吉祥寺の高架下に総武線カラーのイケてる看板を掲げる、、立ち食い讃岐うどん屋「いぶきうどん」さんの、、舞茸天かけうどん(温)旨旨旨ぁ!!!、、私が美味しいモノに最大限の賛辞を送ろうとしたら出てくる漢字3文字がこの一杯をススると出ましたね、、続いて「久しぶりにこんなコシがあるうどん食べたなぁ(久しぶりにこんな骨のある奴が出てきたなぁの言い方で)」の決め台詞も出ましたし、、後、、私のような凡人なら必ず二度見をしてしまう薬味達にも痺れました、、だって、、

「お?薬味は入れ放題なんだ?えぇっと、、ネギに天かすに生姜に揚げいりこに、、んぅ?揚げいりこぉ?」って二度見しちゃいますよね、、厳密には二度呼びしちゃいますよね、、揚げいりこって、、オモシロ5文字食べ物ランキングで言うと上位ランカーだと思いますね、、ちなみにオモシロ5文字食べ物ランキング第9位は、、おっとっと、、で、、104位は、、ねぎま塩、、ですよね、、ちなみに、、ねぎまタレ、、は97位です、、

♩ ルネッサンス情熱 僕のこの手は いつも何か探し燃えてる ディンディンディンッ ♩

吉本の鬼爆コンビ、囲碁将棋

吉祥寺、、めちゃくちゃ良い街ですよね、、住みたい街にも常に上位でランクインしてますもんね、、駅を降りてから観る街の印象が、、あれ?何かに似てるなぁ、、と思ったら、、吉本の劇場で『R-1』チャンピオン佐久間一行さんがいて私のような後輩にも丁寧な「おはようございます」をもらった時の印象と似てました、、キーワードは『高い好感度』、、やはり高い好感度を目の前にすると街でも人でもフワフワした良い気分が味わえるって事なんですね、、

私のもう一つの吉祥寺のイメージは、、大好きな漫画やドラマのロケ地になっている、、なんですよね、、たとえば、、漫画『ろくでなしBLUES』では主人公の前田太尊(喧嘩最強東京四天王)が、、吉祥寺の前田、、と呼ばれているし、、漫画から大人気ドラマになった『GTO』、、これも主人公の鬼塚英吉(伝説の元暴走族のリーダーで、、実はGTOの前に「湘南純愛組!」というヤンキー漫画の主人公だった鬼塚英吉が教師として帰ってきた続編なんですよね。これは本当に勝手な決めつけですが、ハイパー漫才師の囲碁将棋さんってお二人とも「やってやんよ」とか「やってみろよテメエ」とか「ダチは見捨てらんねぇだろうがよぉ」みたいな独特な喋り方や発想をされてますが、これって「湘南純愛組!」に出てくるキャラクターの喋り方に通ずるんですよね。現に私が初めてお二人が舞台上で喋ってるのを目の前にして、、いや鬼塚英吉(文田さん)と弾間龍二(根建さん)の鬼爆コンビやんぅぅ、、と真面目に思いましたし、、あっ、そうですよねぇ、急に出てきた弾間龍二の件すいません、、湘南純愛組は鬼塚英吉と弾間龍二の鬼爆コンビによるダブル主人公なんですよ、、根建さんを弾間龍二にたとえたのも無理矢理ではなくて、、弾間龍二って喧嘩したりバイクで転けたりしてよく血まみれになるんですが、、根建さんも劇場スタッフさんに舞台が汚れるからダメだと禁止されているにもかかわらず赤い塗料を体に塗りたくってよく舞台に出てくるんですね、、

囲碁将棋・根建さん

あの場面でいつも、、いやリアル弾間龍二やんぅぅ、、って心痺れてます、、もちろんルールを破っての行為なので終演後に根建さんは毎度スタッフさんのところへ行き、、

根建「赤い塗料を使ってすいませんでした!」

スタッフさん「、、、(片付け作業を続けている)」

根建「以後気をつけますっ!」

スタッフさん「、、、(根建さんに背中を向けながら作業を続けている)」

謝罪すら受け取ってもらえてませんぅぅ(低くねっとりした声で)

謝罪を受け取ってもらえないって一番怒られてる人の末路ですからねぇ(低くねっとりした声で)

ただ数日後に時間薬(じかんぐすり←ここでの勝手な造語すいません)と普段の人の良さで許してはもらってますのでご安心を、、それでもいまだに赤い塗料を塗って舞台に出てる日もあるんで、、お笑いヤンキーですよね、、文田さんはシンプルに喧嘩強いし芸人でも引くような下ネタをハッキリと言うので、、その点でまさに鬼塚英吉とシンクロしてます、、鬼爆も囲碁将棋さんも神奈川出身だし、、囲碁将棋さんは吉本の鬼爆コンビ決定だって話です、、、、、、いや吉祥寺の話せえぇぇ!!、、、正統派ツッコミの種を3個もらえた方おめでとうございます、、

「接待無味族」のサバイブ方法

そして、、吉祥寺を舞台とした作品で、、吉本興業の芸人として忘れてならないのが『火花』なんですよ、、大尊敬するピース又吉さんの芥川賞受賞作、、小説もドラマも映画も全部拝見させて頂きました、、その中でもNetflixドラマはテープが擦り切れるほど何度も繰り返し、、否(ビデオじゃないから)、、ポケットWi-Fiが蒸し立てシュウマイくらい熱くなるほど毎回一気に観てまして、、その中に出てくる吉祥寺での食事シーンが気になっていたので、、『火花』聖地巡礼〜吉祥寺グルメ編〜に行って参りましたぁ!!

まずはこちら、、

「いせや」さんのシュウマイ
「武蔵野珈琲店」さんのチーズケーキとブレンドコーヒー

井の頭公園の入口にある「いせや」さんのシュウマイ、、と、、「武蔵野珈琲店」さんのチーズケーキとブレンドコーヒー、、めちゃくちゃ旨かったです、、シュウマイは肉肉しくサイズも大きいので買い食いで得れる満足感ではなかったですね、、食べた後の気持ちを捨て台詞でたとえるなら「練習試合やと思ってたら公式戦かいっ 始まる前に言うといてくれよっ」でしたし、、チーズケーキに関してはそれはとてもとても上品な甘みで、、もし喋りながら食べていたとしたら私は口の前に手を当て「オホホホホ」と笑っていた可能性もあります、、ただこんな美味しいものを食べながらフと思ったんですね、、

全く同じものを俳優さんが撮影しながら食べてらっしゃったけど、、ちゃんと味がするのかなぁ?

、、って、、だって「台詞に集中する神経」と「味覚」って反比例だと思うんですよね、、だからそこまで味わえてないのだろうなぁと、、何故そこが気になったのか、、それは私という人間が(場面こそ少し異なりますが)お笑いの先輩に食事に連れて行ってもらうと、、全く舌が機能しなくなるんですね、、先輩に失礼のないようにと会話に集中すればするほど味がしなくなる、、過剰な礼儀や気遣いを自分に食べさせ過ぎてお腹も減らないし、、その先輩が有名であればあるほど面白い人であればあるほど舌の感覚がゼロに近づいていく、、緊張感のある会話で味覚が奪われる民族「接待無味族」なんですよ、、だからもし読者さんの中にも職場の偉い人と食事に行ったら味がしなくて悩まれてる同じ民族の仲間がいたら安心してください、、ひとりじゃないですよ、、緊張感のある飲み会横断歩道みんなで渡っていると思えば少しはマシ、、そして、、もう言っちゃいますね、、我々の生きる道はひとつです、、、その答えは、、、、、、、、行かない、、、、、、、、一択です、、

もちろんそんな事は現実的に難しいですよね、、断るのも体力を使います、、私の仕事の場合、、売れてる先輩との飲み会、、ビッグ番組の打ち上げ、、そこへ参加させてもらうのって光栄な事でもあるし、、大袈裟に言えば、、名誉を取るか?味覚を取るか?、、DEAD OR ALIVE、、全てを理解した上で、、、、、、、、、、、、行かない、、、、、、、、、、、、一択です、、、、(もちろん自分がお相手に緊張しない位置まで登り詰めようよの正論は大切にしたいですよね)

締めは『火花』の名物メニューで

『火花』でお馴染み「美舟」さん

最後に、、『火花』の主人公である、、あほんだらの神谷さんとスパークスの徳永がよく飲みに行っていた居酒屋「美舟」さんへ寄って、、2人がよく頼んでいたメニューでドラマ中は遠目からどんな料理かよくわからなかったので、、ついに食べれるぞとワクワクしながら入店して女将さんに大きい声で「ぽこ天くださいっ!後、瓶ビールで!」と注文した、、5分後の私の一言感想で締めさせていただきます、、

ぽこ天

ぽこ天めちゃくちゃ気まずいぃぃ(低くねっとりした声で)

何個か頼んだ中の1個やったらまだしも机の上にこれだけはすごい気まずいぃぃ(低くねっとりした声で)

ぽこ天って名前に確かにヒントは隠されてるから罠ですやんぅとも言い切られへんけどぉこれは罠ですやんぅ(低くねっとりした声で)

いや一言ちゃうんかいっ!、、4個目おめでとうございます。

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福井俊太郎(GAG)

(ふくい・しゅんたろう)お笑いトリオ・GAGのネタ作り担当。『キングオブコント』では過去4度決勝進出を果たす。2023年から「福井俊太郎(GAG)プロジェクト」始動。GAG活動は「GAG福井」、個人としての脚本・執筆活動などは「福井俊太郎(GAG)」として活動する。低くねっとりとしたボイスが持ち味。

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