BTS・Vソロ作に見る「キム・テヒョンとはどんな人間なのか?」。ミン・ヒジン、愛犬が引き出す“自然体な魅力”

2023.9.28

文=紺野真利子 編集=菅原史稀


BTSのVが9月8日についにソロデビューした。V solo Album『Layover』は、初動210万枚を超え、歴代K-POPソロアルバムの初動最多記録を樹立した。NewJeansを手がけるプロデューサーのミン・ヒジンとのコラボがリリース前に発表されたこともあり、大きな注目を集めていたVのソロアルバム。BTSとしてのVとはまた違った表情を見せ、世界中を虜にした。


初のソロアルバムで表された“Vならでは”のサウンド

「自分の好みが100%反映されたアルバム」と本人が語るように、『Layover』のVはすごく自然体だ。『Layover』は一貫して、Vが以前より愛しているジャズとクラシックにR&Bを融合させたようなサウンドでまとめられている。

メンバーのSUGAが「Vが楽に出せる声だからすごくいいね」とコメントしていたが、どの曲も彼のキレイなバリトンボイスが心地よく、すっと耳になじむ。このゆったりとしたサウンドと、Vの特徴的な歌声が相性抜群で、なんの違和感もなく、一瞬で引き込まれていく。特に低音域では、声により深みが増して色気すら感じられた。

BTSとしてゴリゴリのダンスパフォーマンスで華々しいステージを披露するVも、もちろん魅力的だが、『Layover』での彼はより人間らしく自然体で、アーティストとしてというより「Vとは、キム・テヒョン(Vの本名)とは、いったいどんな人間なのか?」が、明確に表現された一枚になっていると思う。実際にVは、「ステージの上では華やかだが、アルバムではそのような要素は減らした。僕という人間が持っている本来の色を見せるためにたくさん努力した」と語っている。

愛犬とのコラボも。自然体なVの魅力

そしてここまでVの“自然体”を引き出したミン・ヒジンのプロデュース力は、やっぱりすごい。これまで数えきれないほどVの写真や動画を見てきたはずなのに、「こんな姿を見るのは初めてかも!?」と衝撃を受けた。

韓国のファッション誌『W KOREA』でのインタビューによると、ミン・ヒジンから「テヒョン、明日時間ある? ちょっと出てきて」と呼び出されたVが現場に行くと、すぐにその場で写真を撮られたこともあったそうだ。

ここまで素の本人に近い姿が見られるのは、もしかしたら『BTS In the Soop』(BTSが森の中で自由に過ごすリアルバラエティ番組)以来かもしれないなと思った。部屋の中でふいに撮られたような写真は特に、その親密な雰囲気や自然体な姿が魅力的だ。

Vの愛犬であるヨンタンとのツーショットも微笑ましい。パフォーマンスも、BTSでのVは表情管理バッチリで、常に“V”としてステージに立ちつづけてくれていたが、今回のステージではとてもリラックスして歌っているように見えた。まさかのヨンタンとのコラボステージも最高だった。

タイトル「Layover」に込められた意味

本人はこれまでの自分とかけ離れた姿を見せることについて、「惜しく思われるファンの方もいるかも」と不安を語っていたが、けっしてそんなことはない。自分のスタイルを貫いたアルバムをリリースしたことに対し、驚いたARMY(BTSのファンネーム)は少ないのではないだろうか。

なぜなら私たちARMYは、彼が“BTSのV”と同じぐらい、“キム・テヒョン”としての自分自身をすごく大切にしていることを知っているからだ。そして、もちろんすべてを把握しているわけではないが、彼がBTSでいることに悩み、苦しみ、努力したことも知っている。

『Layover』ジャケット

「Layover」は「経由する」という意味だそうだが、Vは、「このアルバムが、僕の最終的な目標をしっかりと固めるきっかけになったらいいと思っている」と語っていた。彼の最終目標がどこなのか、何を目指しているのかはまだ知る由もないが、「キム・テヒョンにはやりたいことがたくさんある」と昔から話していたように、これからも彼のやりたいこと、表現したいことをどんどん追求していってほしい。そこに寂しさはまったくない。

それは、Vが「7人でステージに立っているときが、僕が見せる姿の中で一番最高だと思っている」と話してくれていたように、どれだけソロ活動を行おうが、BTSでありつづけることに対して迷いがないことも、わかっているからかもしれない。 


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紺野真利子

エンタメ系ライター。俳優、アイドル、声優などのインタビュー記事やK-POP関連のコラムなどを執筆中。

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