SEVENTEENのファン「CARAT」が、こんなにも“幸せ”な理由。天才プロデューサー・WOOZIが示す楽曲へのこだわり

2023.7.3

(P)&(C) PLEDIS Entertainment

文=紺野真利子 編集=菅原史稀


SEVENTEENの勢いが止まらない。

家族や友人、さらにお世話になっている出版社やWEBメディアの皆さんにまで、誰かと会うたびに「SEVENTEENってすごいんですよ」という話を何度もしてしまっている気がするのだが、今年は例年よりさらに堂々と、声を大にして言いたい。「SEVENTEEN、本当にやばい‼‼」。

K-POP史上最多の売上枚数を記録…なぜSEVENTEENは人気?

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そのやばさは、数字にも現れている。4月に発売された10thミニアルバム『FML』の売り上げは、韓国のCDセールス集計サイト「HANTEOチャート」の集計で初週455万枚を超えた。この数字がどれだけすごいかというと、発売当時、K-POP史上最多の売上枚数を記録したのだ。(発売後1週間の販売数)

『FML』は依然として売り上げを伸ばしつづけており、2023年6月22日現在、累計枚数は500万枚を突破。さらにここ日本でも、売り上げは75万枚を超えた。リーダーであるS.COUPS(エスクプス)が「このアルバムにすべてを尽くした」と宣言していたが、楽曲を聴き、MVを見て、パフォーマンスを目の当たりにすれば、このアルバムへの13人の“本気”と“覚悟”が伝わってくる。

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「どうして今、こんなにSEVENTEENが人気なのか?」と聞かれれば、その理由を挙げ出したら本当にキリがないのだが……今回はSEVENTEENの楽曲のほとんどの作詞作曲を手がけている、メンバー兼“天才プロデューサー”WOOZI(ウジ)について書きたいと思う。

“メンバーが喜んでくれる音楽”が、ファンの喜びに

WOOZIが一曲一曲に懸ける想いは相当だ。先日、BTS・SUGAによるトーク番組『SUCHWITA(シュチタ)』に出演した際、彼は楽曲制作についてこう語っていた。

もともとはチャートを気にしてプレッシャーもすごかったが、今はただメンバーを信じて音楽を作っています。「みんなさえ喜んでくれたらいい」というマインドで、メンバーが喜んでくれる音楽だけを作っているんです。

そしてそれは、常にCARAT(SEVENTEENのファンネーム)が喜んでくれる音楽になっています。クオリティの高い楽曲を作るよう努力しているのは、人に自慢したいわけではなく、「こんなにかっこいいものを世に出したら、CARATがどれほど誇らしく思うだろう」、ただそれだけなんです。

SUGAもこの言葉には「それが僕たちの生きていく理由でもある」と大きく共感していた。

メンバーとCARATだけを信じ、ただただメンバーとCARATを喜ばせるためだけにいい音楽を作りつづけていく……。ファンにとってこれ以上うれしいことがあるだろうか。その楽曲が結果的に歴代1位を獲得しているのだから、最高にかっこいい。

日本オリジナル曲に込められたWOOZIのこだわり

そしてCARATにとってすごくうれしいし誇りであるのは、どの言語の曲でもWOOZIがこだわり抜いて作ってくれていることだ。今やK-POPグループが日本オリジナル曲をリリースすること自体は珍しくない。しかし、言語が違うことや日韓ではヒットする楽曲の傾向が異なることもあるため、日本オリジナル曲は日本のクリエイターが制作する場合も多い。そんななか、WOOZIは日本オリジナル曲も自ら手がけている。

日本語の歌詞は、WOOZIが韓国語で書いたものを一度日本語に翻訳して、それをまた韓国語に翻訳し直し、歌詞の意味を深めながら丁寧に作っているそうだ。SEVENTEENとして活動しているだけでも多忙を極めているはずなのに、日本語曲にもこれだけ力を入れて作ってくれているなんて……。WOOZIがどれだけ自身の楽曲にプライドを持っているのかがわかるし、CARATのこともとても大切にしてくれていることがわかる。

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たとえば「Happy Ending」のサビに「聞かせて 聞かせて 愛してる」という一節がある。この一節はWOOZIが最初から日本語で書いたそうだ。韓国語の表現だと通常「聞きたい 聞きたい 愛してる」となるところを、WOOZIは「日本語で表現するなら『聞かせて 聞かせて 愛してる』のほうが伝わると思った」と語っていた。こうした韓国語と日本語のわずかな違いも理解し、歌詞を作り上げている。

また、「日本では“愛してる”より“大好き”のほうがよく使うそうだけど、“愛してる”のほうが重みがある気がしたので、変更しなかった」とも話していた。母国語ではない日本語の、“大好き”と“愛してる”のニュアンスの違いまで感じ取っていることにも驚く。こだわり抜いて作り上げられているからこそ、SEVENTEENの日本語曲は、私たち日本人の耳にとても自然になじむのだと思う。なじむどころか「なんて美しい歌詞なんだろう」と感動する。

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日本オリジナル曲の中でも特に「舞い落ちる花びら」なんてもう、曲名からして美しい。この楽曲は13人それぞれが一枚の花びらとなり、まるで一輪の花のように見える振り付けも圧巻なのだが、「私は花 私は花」と高音で繰り返すサビや、「君へと舞い落ちてくよ 今すぐ会いたい」、「刹那に生きてきたけど君と会い そう全てには意味があることを知ったんだ」と切なく日本語で歌うSEVENTEENがあまりにも儚くキレイで、目が離せなくなる。K-POPグループがここまで日本語の歌詞を深く理解し、美しくパフォーマンスできるその表現力の高さに「SEVENTEENすご過ぎる」と改めて思わされる。

かと思えば日本デビュー曲「CALL CALL CALL!」の歌詞はあまりにもぶっ飛んでいる。「セカセカセカセカセカ……」から始まる楽曲がほかにあるだろうか(いや、ない)。初めて聴いたときは衝撃だった。サビで「チリンチリーン!」とめちゃめちゃかっこいい表情で歌う彼らに戸惑いすら覚えた。

だけど一度聴いたら絶対に忘れられないこの曲は、結果的に日本デビュー曲として大きなインパクトを残したし、どんなに元気のない日でもこの曲を聴くだけで元気になれる、CARATにとって欠かせない一曲となった。

今年の5月に行われた日本ファンミーティング最終日、アンコールで「CALL CALL CALL!」のイントロが流れた瞬間、会場が喜びで爆発したのを覚えている。筆者もあの日会場にいたのだが、本当に東京ドームが揺れたのでは!?っていうぐらい、凄まじい歓声だった。SEVENTEENとCARATで一緒に大合唱できてすごく楽しかったし、SEVENTEENにまだ帰ってほしくなくて、引き留めたくて、CARATが一致団結して最後の最後まで歌うのをやめなかったのも熱過ぎた。

こんなに大盛り上がりできる日本語曲を作ってくれたWOOZI、やっぱり天才だ。

「CARATはSEVENTEENから大事にされている」

8月23日には日本ベストアルバム『ALWAYS YOURS』の発売も決まり、さらに9月、11月、12月に日本ツアーも決定しているSEVENTEEN。本当に、こんなに大事にされていていいのだろうか……?と思うぐらい、CARATはSEVENTEENから大事にされていると思う。

アルバムには新曲も収録されるとのことだが、“メンバーが喜ぶ楽曲だけを作っている”WOOZIが作るんだから、神曲に違いない。今度はどんな楽曲を聴かせてくれるのか今からすごく楽しみだ。

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今回はWOOZIが日本オリジナル曲をどれだけこだわって作ってくれているかについて紹介したが、もちろん本国でリリースしている楽曲も本当に素晴らしく、メンバーの想いが詰まっている曲ばかりなので、またいつかコラムで書けたらいいなと思う。“最高で最後のグループ”SEVENTEENをこれからも末長く推していきたい。

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紺野真利子

エンタメ系ライター。俳優、アイドル、声優などのインタビュー記事やK-POP関連のコラムなどを執筆中。

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