競馬で負ける人の特徴は?“3億円を稼いだ芸人”&“借金芸人”が最高配当を明かす「勝ったその日に全額溶かした」<『稼ぐギャンブル[完全版]』トークイベント>

2023.6.30

文・撮影=山崎尚哉 編集=菅原史稀


競馬で9370万円的中するなど“稼ぐギャンブル芸人”として知られる、インスタントジョンソン・じゃい。5月27日には、万馬券の狙い方から、実際にギャンブルで稼いだ場合の税金対策までが綴られる著書『稼ぐギャンブル[完全版] 3億円を稼いだ芸人が徹底解説 99の方程式』が刊行された。

一方、“負け競馬芸人”として知られているのが、岡野陽一である。その負けっぷりは、ギャンブルによる借金は1000万円以上、QJWebにも「借金コラム」を寄稿しているほどだ。

今回は、対照的な競馬人生を歩んでいる彼らのトークライブ(6月6日実施)の模様を、ダイジェストでお届け。じゃいが分析する「岡野陽一が競馬で稼げないワケ」、そしてふたりの競馬哲学とは?

競馬人生初日から考えた「どうしたら勝てるか」

お互い“ギャンブル好き”という共通項があることで、以前より親交があったという、じゃいと岡野。そんなふたりによるトークライブは、さっそく突っ込んだ話題からスタートした。

今まで僕が負けた金額って、どれくらいだろう。どんぶり勘定ですが、3000万円くらいかな……。でも物欲がないんで、お金は競馬にしか使ってないです。なのに毎年1円も残らない(笑)。じゃいさんに配当を与えてるのは、負けつづけてる自分みたいな人たちですからね。感謝してもらわないと!

そのとおりですよ。世の中には、岡野さんみたいな人がたくさんいるんです。その人たちのおかげで、僕は配当をもらえてる。だから今度、ご飯でも奢ります。

全然足りないですよ!

それからふたりは、お互いの「競馬経歴」について振り返っていく。今では競馬にどっぷりな彼らが、この世界に足を踏み入れたきっかけとはなんだったのか。

馬主の息子の友人がいて、彼に中山競馬場に連れていかれたんです。初めて競馬場に行ったときは、「なんだここは!」と衝撃を受けました。その日から「競馬で勝つためにはどうしたらいいんだろう」って考え始めて。それからは、朝、競馬場に行って、12レース分買ってから、麻雀やりながらラジオで結果を知るという生活をしてましたね。

現場でレースを観て楽しもうとか、そういうことじゃなかったんですね。

現場で観ることもありましたよ。でもこのやり方だと、先にすべての馬券を購入してるので、負けの額が決まってるのがよかったですね。最初に買った額を回収できたら、勝ちなので。

なるほど。僕の初競馬は、鬼ヶ島の和田(貴志)さんに誘ってもらったことがきっかけでした。それまでずっとパチンコしかやってなかったんですけど、後楽園の場外馬券場に連れてってもらって……『(賭博黙示録)カイジ』みたいな世界で驚きましたよ。

最初に「ウォータープリプリ」という馬を買ったら当たってしまい、そこからハマってしまいました。当時はぜんぜん仕事がなかったので、毎週のように後楽園へ行ってましたね。寝ずに予想してそのまま、朝の5時から並んで、いい椅子の取り合いですよ。お馬さんのように、ゲートが空くと同時に席取りダッシュ!

でも、勝ったことはないと。

ないですね!

「生きてて興奮するのって、競馬のゴール前だけ」

初めから「稼ぐための競馬」をしていたじゃいと、あくまで「楽しむための競馬」をつづけているという岡野。スタンスの違いが見えてきたところで、トークは「これまでの戦績」へと移っていく。

1レースあたり、今までで一番勝った金額ですか。僕は、850万円です!

これは……どういうことですか……?

3万円が三連単で、280倍くらいで当たりました。生中継を家で観てたんですけど、興奮しましたよ。

僕ね、生きてて興奮するのって競馬のゴール前だけなんです。人間としての感情を、幼いころにどっかで落としてきたみたいで。競馬のゴール前の興奮が唯一自分を人間に戻してくれるんですよ。

その気持ち、わかりますね。この金額のあとにはとてもじゃないけど発表したくないですが……僕が1レースで勝った最高金額は、80万円です。でも、すごいですよね? なんのレースか覚えてないですけど、「私はこれで人生終わりです」と半ば諦めていたときに、大穴が来て。100円が80万円に化けたんです。これはうれしかった!

この80万円は何に使ったの?

競馬です。愚問ですよ、そんなの!

岡野曰く、勝った80万円をその日のうちに競馬で全て溶かしたのだとか。では、ふたりがこれまで最も負けた金額は?

1レースの話でいうと、15万円くらいです。

本当ですか⁉

僕は、そんなにいっぱい馬券を買わないタイプなんです。それでも普通の人よりは多いほうだとは思いますが。ただこの金額はあくまでプライベートでの話で、競馬番組や企画でスッた金額は抜いてます。

じゃいさんくらい競馬やってたら、普通はもっと負けてますよね。1日あたりだと、最大いくら負けですか?

1日だと『競馬場の達人』という番組(グリーンチャンネル)で120万円負けたことあります。

競馬番組のギャラも、そこまでは高くないですよね? ということは、結果的にめちゃくちゃマイナスですよね。

でも全然いいんです。観てておもしろくて、また番組に呼ばれるっていうほうが大事ですから。

僕は、1レースの最大負け額は覚えてないな……。1日あたりだったら、110万円くらいです。

僕が『競馬場の達人』で負けた金額と同じくらいですね。

番組と違って、誰も観てないのに、スッてしまいました(笑)。その直前に、100万円当たった日があったんですよ。でも、次の週に110万円負けました。

勝ったら勝った分だけ負けちゃう人いますよね。

僕がそのタイプです。勝てたら勝てた分だけ突っ込んで、負けてても負けを取り戻そうとして突っ込むから。

毎レース毎レース、気持ちを切り替えなきゃダメなんですよ。前のレースでの勝ち負けに影響されちゃいけません。やらないレースはやらない、という気持ちが大事です!

負けず嫌いじゃないと勝てない

このように、まったく違う戦略で競馬に臨んでいるふたり。イベント終盤では、彼らの「競馬哲学」が発表された。

僕が大切にしていることは、「馬を愛す」ことですね。自分の本命馬が出遅れたり、落馬しても責めない。むしろ心配するくらいじゃないと。騎手がミスしても、その馬に賭けたのは自分なので、自分の責任だと思うことです。

(馬や騎手のミスに対して)怒る人って、いますよね。僕のデータだと、背の高いおじいさんはめっちゃ怒ります(笑)。僕も、じゃいさんと似てるモットーがあります。「負けても笑顔」!

いやいや! むしろ、悔しいと思う気持ちがないと勝てないんですよ。

僕も、昔は悔しいと思う気持ちがあったんですよ。でも徐々になくなってきて……。

負けに慣れてしまったと。

まさにそのとおりです。110万負けても、楽しく飲めますし。

どの世界でも、負けず嫌いじゃないと勝てないと思いますよ。でも「負けても笑顔」なところが岡野さんのよさだし、それでいいのかな。僕は、負けてる人の姿を見るのが一番笑えるんですよ!

なんてこと言ってるんだ! でも、なるほど……悔しくないと勉強しないからですね。

負けず嫌いってのは、一流になるための必須条件です。

でも悔しいからって、それを人前に出したらダメですよね。

そりゃそうですよ、もう大人なんですから! 競馬で負けた岡野さんが泣いてるの、見たくないですよ。おもしろいけど(笑)。

トークイベントの全編を収めた動画は、QJWebショップで販売中! またQJWeb YouTube上では、ダイジェスト版の動画を公開している。

じゃい×岡野陽一 トークイベント動画

販売価格:動画1,650円(税込)/動画+『稼ぐギャンブル[完全版]』セット3,300円(税込)

『稼ぐギャンブル[完全版]』

本書は、2011~2012年に刊行され大きな話題となった『稼ぐギャンブル』『同[実践編]』を合本、さらに書き下ろしの新章「令和のギャンブル」が追加され、現在のギャンブルにも対応した、大ボリュームの新刊だ!

稼ぐためのギャンブル論、麻雀でのギャンブル力の身につけ方、パチンコや競馬での実践のほか、じゃいが家を買うまでの実録など、既刊2冊の章がすべて収録。新章「令和のギャンブル」の目次の一部は下記のとおり。実際にギャンブルで稼いだ場合の税金対策についても掲載された。

新章「令和のギャンブル」より
・競馬の配当金の追徴課税が数千万円!
・ギャンブルに不向きな人
・損することを恐れたら稼ぐことはできない
・9370万円を的中させたこと
・“徳を積む”ということ
・人生の選択肢はすべてギャンブルだ!
・「人生最後のギャンブル」がはじまります!

『稼ぐギャンブル[完全版]』目次より一部
『稼ぐギャンブル[完全版]』 3億円を稼いだ芸人・じゃい最新解説本が刊行! “ゲン担ぎ”特典付き限定版も

また、ゲン担ぎにもなる(!?)特製「じゃい“的中”祈念カード」のついた限定版もQJWebショップで数量限定発売中。

じゃい・著『稼ぐギャンブル[完全版] 3億円を稼いだ芸人が徹底解説 99の方程式』は、2023年5月27日(土)より刊行。四六判、1,980円(税込)。

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山崎尚哉

(やまざき・なおや)1992年3月生まれ。イベント企画、編集者、ライター、映像制作などをやってます。南阿佐ヶ谷でTALKING BOXという配信スタジオを運営中。

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