『M-1グランプリ2022』を語る芸人たちの愛が深い!『月曜The NIGHT』が終わるのはもったいないぞ

2022.12.22
M1反省会サムネ

文=釣木文恵 編集=アライユキコ
(C)M-1グランプリ事務局 


ウエストランドの優勝で幕を下ろした『M-1グランプリ2022』。けれども盛り上がりはまだまだ終わらない! 『M-1グランプリ2022』を振り返り、楽しみ尽くすコンテンツを、お笑いを愛するライター・釣木文恵が昨年につづきピックアップ、記事下最後の関連リンクに紹介した番組リンクがまとまっています。


当日の空気をもう一度楽しむ

まずは今年も盛り上がった番組を今一度振り返りたい。TVerでの配信も行われているけれど、おすすめはラジオ。
毎年恒例の『ラジオでウラ実況! M-1グランプリ2022』(ABCラジオ)は、笑い飯のふたりとNON STYLE石田明が『M-1』本番の映像をリアルタイムで見て話す、副音声的な番組。音だけで味わうと、一度見た漫才もまた違った魅力が伝わってくる(番組内ではネタ音声だけが放送され、それ以外の部分は出演者たちにも聞こえていない)。決勝経験者だからこそわかる、ファイナリストたちの心境を察したコメントは聴き応え抜群。笑い飯・哲夫の「ダイヤモンドが俺一番(笑い過ぎて)泣いた」「俺なら98点つける」と審査員の点数に左右されない評価が頼もしい(12/26までエリア内、もしくはradikoプレミアムにて聴取可能)。

『M-1打ち上げbyストロングゼロ〜芸人たちへの、がんばれ!とおつかれ!に。~』

ネタを振り返ったら『M-1』公式『世界最速大反省会』と『打ち上げ』を。『大反省会』ではSNSで厳しい言葉を受けたというファイナリストたちのエピソードに対し、MCの小籔千豊が「ほんならお前出てこい」と代わりに激昂する様子がおもしろくも優しい。また、大会を振り返るパートではマヂカルラブリー、ミルクボーイ、笑い飯・西田幸治が現場で見ていた錦鯉に繰り返し「現場ではどんな感じだったのか」と聞くのが興味深い。やはりその場で見るのと、テレビを通じて見るのとでは違う部分があるし、そのことを芸人たちもよく知っているのだろう(1/31まで)。

『打ち上げ』は2年ぶりに千鳥がMCに。大悟の「来年がおもろなるのは10位と9位獲った奴らやから」「今日の『M-1』で一番おもろかったのは点数出てるときの(ダイヤモンド)野澤(輸出)の顔」、ノブの「キュウの漫才なんかおもしろいのしかないやん」と下位メンバーに対する言葉には特に愛が感じられる。ヨネダ2000に対しての「ワシが審査員やったらヨネダには点数じゃなく花マルをやりたい」という大悟の表現からは、彼女たちの唯一無二性が伝わってくる。過去の『M-1』で最下位を2度経験している千鳥。今これだけ活躍している彼らからの言葉は、負けてしまったファイナリストたちの支えになるに違いない。

太田の喜びが炸裂する『爆笑問題カーボーイ』

タイタンから2組が決勝進出という前代未聞の『M-1』。しかも優勝はウエストランド!となれば『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)は聞かないわけにはいかない。ひと言めには「さや香が優勝だと思った」と、さや香のうまさを讃えつつウエストランドに触れないというボケを放った太田光。しかし直後には「下を向いて頭を抱える一流漫才師の審査員たちもウエストランドの漫才に全員参加しちゃった、井口は全員を巻き込んだんだ、それに感動した」と率直に喜びを伝える。審査員のリアクション含めてウエストランドの漫才に参加した、という意見は現役で漫才をつづけつつ、テレビバラエティを愛する太田ならではの見方で興味深い。また、明石家さんま、東野幸治、フワちゃんら、リアルタイムで優勝を知った面々から太田にかけられた祝福のエピソードも微笑ましい(12/27までタイムフリー聴取可能)。

ウエストランド【決勝ネタ】最終決戦〈ネタ順1〉M-1グランプリ2022

アルコ&ピース、パンサーにウエストランドが追いついた

優勝翌日のラジオ『おとなりさん』(文化放送)では電話越しで短い時間ではあるが、旧知の仲であるアルコ&ピースの平子祐希とウエストランドの会話が繰り広げられた。平子が「声を張れ!」と言えば、井口(浩之)が「新宿バティオスくらい声張ってますよ」と返す。「歴代の王者でいちばん王者感ねえからな」なんて言いつつ、「よかったねえ」のあと、すぐに二の句が継げなかった様子からは、平子の感慨が伝わってきた(12/26までタイムフリー聴取可能)。

『パンサー向井の#ふらっと』(TBSラジオ)にもウエストランドが登場。決勝前に決め打ちでウエストランドにだけオファーしていたというパンサー向井慧の「(優勝してもしなくても)どっちに転んでもおもしろくなるだろうと思われてることがウエストランドのすごさ」という言葉が印象的(12/28までタイムフリー聴取可能)。

『笑っていいとも!』(フジテレビ)終了から9年。『いいとも!』最晩年に3交代でレギュラーになって苦労したアルコ&ピース、パンサー、ウエストランド。その後活躍を果たした2組に、ようやくウエストランドが追いついた。

『月曜The NIGHT』から伝わる小沢の愛

スピードワゴンがMCを務める『月曜The NIGHT』ABEMA)では、賞レース直後の放送でファイナリストを招き、振り返りトークと共に「2本目に用意していたネタ」を披露するのが恒例となっている。キュウが本気の漫才を披露し、小沢(一敬)が「こんないいネタ、マジでThe NIGHTで扱うな!」と言うところにも愛があふれている。体調不良でガクが欠席した真空ジェシカ、川北茂澄が披露した「ひとり漫才」も見もの。

『月曜The NIGHT』は小沢の果てしない若手芸人愛が満ちていて、お笑いファンにとっては「『月曜The NIGHT』を見るまでが賞レース」といってもいいくらいだった。今回の『M-1』も、準決勝をすべて見たうえで話しているから、より深い話が聞ける。今年で終了してしまうのはあまりにもったいない。再びスピードワゴンと若手芸人とが接する番組がどこかでスタートすることを願ってやまない。

それぞれの漫才の見方を知る

審査員にも賛否両論が寄せられる『M-1』。今年から審査員に再登板した博多華丸・大吉の博多大吉がが『たまむすび』(TBSラジオ)のパートナー・赤江珠緒を聞き手に、どんな基準で、どのような考え方でそれぞれの点数をつけたかを詳細に語っているのが特別配信「博多大吉、『M-1グランプリ2022』を振り返る。」(TBSラジオ スペシャルプログラム)。「そんなところを見ていたのか!」と驚いたり、点数の理由がわかったり、発見の多い配信だ(1/31まで)。

ナイツ塙宣之も自身のYouTubeでひと組ずつ感想を配信しているほか、審査員初登場で注目を集めた山田邦子は直後にデイリースポーツの取材に応えて審査基準などを語っている。

M-1 2022 審査めちゃ悩みました…【ナイツ塙】
山田邦子が審査直後に激白 ウエストランドM-1優勝の理由は?審査基準は?【単独インタビュー1】

芸人たちもそれぞれにYouTubeで感想を語っているけれど、中でも出場権がありながら不出場を選択したニューヨークの配信(『ニューヨークのニューラジオ第192回』)は、芸人たちと幅広い交流のある彼らならではの感想が聞けて楽しい。決勝だけでなく、敗者復活戦で2位に迫った令和ロマンや大きな爪あとを残したダンビラムーチョに触れているのもさすが。

【第192回】ニューヨークのニューラジオ 2022.12.18

まだまだある『M-1』振り返り

決勝翌朝から各局の生放送を回って漫才を披露したウエストランド。『ラヴィット!』(TBS)では「『ラヴィット!』なら大丈夫かなと思って」(井口)とルシファー吉岡のくだりをたっぷりと足したバージョンを披露した。ほかにも疲れているはずのウエストランドとさや香がツイスターゲームで戦ったりも。翌日は10位のダイヤモンドを招き、水曜には男性ブランコを呼んで「音符運び」を現実化するなど、この番組ならではの『M-1』ファイナリスト歓待が。

『高田文夫のビバリー昼ズ』(ニッポン放送)では高田文夫が井口を「談志、たけし、太田の後継者」と絶賛。太田光から高田に届けられた「やっと胸を張って紹介します。ウエストランドです」という手紙にはグッとくる(12/26までタイムフリー聴取可能)。

この先も、井口をこよなく愛してきた東野幸治の番組、『マルコポロリ!』(関西テレビ)の放送が控えている。井口が「密着がついてるけど気まずい」と語る『M-1グランプリ アナザーストーリー』(ABCテレビ・テレビ朝日)でふたりがどんな顔を見せるかも楽しみだ。

『M-1グランプリ』は振り返りも含めて楽しめる。当事者、審査員、まわりの芸人たちの感想や見方を知ると、一度見た漫才の新たなおもしろさを発見する。今年もみっちり楽しんで、来年に臨もう。


この記事の画像(全6枚)




関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

Written by

釣木文恵

(つるき・ふみえ)ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。