丸山ゴンザレス「群を抜いて鋭い眼光だった」。コロンビアの伝説的「麻薬王」の実兄に直接取材(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『クレイジージャーニー』

丸山ゴンザレスによる中南米の麻薬ビジネス取材旅。その集大成として世界最大のコカイン生産地であるコロンビアへ。

街中の人が当たり前のように「この街ならコカインをすぐ買える」と答える。売人に直接コンタクトするなど緊張感のある取材がつづく。

そして、最後にはなんと、コカインを世界中に流通させた基礎を作った「麻薬王」パブロ・エスコバルの実の兄への取材アポが取れたと。

エスコバルといえばNetflix『ナルコス』をはじめ、さまざまな映画・ドラマの題材になった悪名高き人物。だが、コロンビアのスラム街では、貧困から人々を救った人物として英雄視されている。

その実兄であり元マフィアの幹部であるロベルトが存命で、今も同じ街に住んでいるというのも驚きだが、直接話を聞けるというのもスゴい。

指定の場所に時間どおり着くも、1時間半以上待たされ、何を聞くか事前にチェックするため質問リストを提出させられる。質問内容は問題ないとのことでようやく対面するも、ひとつ目の質問で「その質問には答えたくない」と拒否されてしまう。

話の流れから追加質問をしようとすると、目が見えないと言っていたにもかかわらず「質問するときはノートを見ていいんだぞ」とプレッシャーをかけ、「事前にもらってない質問には答えられない」とやはり拒否。さらには「そろそろ時間なんじゃないのか?」と終了を促す。

日本のヤクザのトップへの取材など修羅場をくぐっているゴンザレスをして「群を抜いて鋭い眼光だった」と言わしめる取材。

長時間待たせるなど、ギリギリ許容できる線を読み切って負荷をかけることで、優位に立っていたと。ゴンザレス「全然相手にされなかったですね……」。

途中、パブロが着ていたというジャケットを羽織り「体格が僕と似たような感じかもしれない」と言うゴンザレスに、地元の人が「いや、さすがにもうちょっと痩せてたわよ」とすかさずツッコむ。

そんなゴンザレス独特の愛嬌でクスッと笑えるシーンが時折挟まれているから、やっとギリギリ息ができるというくらいのヒリヒリする緊張感で、観終わったあとの疲労感がスゴかった。

『不夜城はなぜ回る』

今回は大阪の堺市に。

そこは、あなご加工の工場。その加工の模様を撮影しながら職人に話を聞こうとするも「しゃべりながらできる仕事ちゃうんよ」と拒否。かなりの緊張感が漂う。

実は、プジョルジョDは社長に許可を取って工場内に入ったが、その際、職人には挨拶していなかったそう。紹介しなかった自分も悪かったと反省する社長が見かねて助け舟を出すも、職人は素っ気ない返事を返すのみ。

それでも少しずつ受け入れてもらい始め、配達に同行できるまでに。改めて誠心誠意謝罪するプジョルジョにだんだん心を開く職人さん。本当に彼は相手の心をほぐし、懐に入るのがうまい。

配達先では、カメラにテンションが上がった仲よしのおじさんふたりが「こいつ浮気しよった」「何を言うねん!」とじゃれ合う。カズレーザー「大阪が過ぎるでしょ!(笑)」。

さらには別の場所で不夜城を捜索中、路上で出会った占い師に占ってもらっていると、突然「捕まえてください!」と叫ぶ声。目の前を走っていく男。どうやら食い逃げらしい。

必死で追いかけるプジョルジョ。が、捕まえられず。カズ「やっぱ大阪ってこれぐらいのことが毎日起きてるんですねぇ(笑)」。

さらにさらに、一年中サンタの衣装を着てゴミ拾いをしている元プロボクサーという要素が多過ぎる男がいたり、「さすが大阪」と言ってしまわざるを得ないような盛りだくさんで濃い回だった。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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