『クレイジージャーニー』復活に、松本人志「1発目から来ましたね」コカイン密輸ルート、抗争中のギャングのアジト(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『クレイジージャーニー』

ついにレギュラー復活。それにふさわしく、番組を代表する丸山ゴンザレスと佐藤健寿がジャーニーとして登場。

ゴンザレスは「コカイン密輸ルート取材旅」に出向くのだが、その趣旨を説明していると、松本「YouTubeやってるからか、しゃべりが流暢になりましたよね?(笑)」。

まずゴンザレスはコロンビアからパナマを経由して、アメリカへ向かうところを検挙された密輸専用に作られた潜水艇を見に行くことに。

天井に頭をぶつけたり、荷物を落としてしまったりするゴンザレスを見て「やっぱかわいいー」と小池。このあとの防弾チョッキの着方などもそうだが、ひたすら緊迫感と重苦しい空気があるVTRを、ゴンザレスのチャーミングさが少しだけやわらげてくれる。

実際の潜水艇は想像した以上に手作り感満載。だが、密輸ということを考えると見つけられにくく、実は理にかなっているという。使い捨て前提で作られているのも怖い。 

さらにゴンザレスは、ギャング勢力が抗争中のパナマのスラム街へ。

「友達の友達の友達」のつてを辿って「ギャングの友達」と称す男のコーディネートという心許なさ過ぎる取材。「命の保証はない」と言われても、取材続行。

が、ギャングのアジトの前に行くと「てめぇら、何撮ってんだ!」と怒号。思わず「友達じゃないじゃん……」と呟くディレクターの気持ちが痛いほどわかる。

今はかなり危ない状況で、ちょうど報復で相手を殺しに行こうとしていたところだったが、ゴンザレスらが来たことで作戦を中止したそう。危険だから離れたほうがいいという指示に従い、スラムを脱出しようとしていると、そのギャングたちに呼び戻される。

ディレクターはありありと戻りたくない雰囲気を出すも、目が据わったゴンザレスは当然のようにまたも取材続行。アジトに入ると銃を向けられたり、すごまれたりとめちゃくちゃ怖い。

殺しが生業という彼らの話をひとしきり聞くと、おもむろに弾丸を抜いた拳銃を渡される。「お前を信用している証拠」だという。「お前はもう俺らの仲間だからな。ほかのチームにつくんじゃねえぞ」という言葉がいろいろな意味で恐ろしい。

長居すると敵に狙われかねないということで、取材を切り上げるゴンザレス。

VTRが明けると、スタジオの3人は「怖かった」「疲れた」と息をつく。松本「けっこう1発目から来ましたね」。

戻るように言われたときは、推測で書くわけにはいかないので「やった!」と思ったゴンザレスは、ボスのいかついほど鍛え上げられた肉体を見て逆に安心したという。

なぜなら「自堕落な暮らしをしていたらできない体」「普段は肉体労働に従事していて、話の道理が通じないヤツではない」と思えたから。危険地帯の取材経験豊富な彼だからこその視点に痺れる。

このあとも、メキシコの麻薬戦争のレポートだったり、佐藤健寿は世界最北のゴーストタウン「ピラミデン」という見たこともない光景を見せてくれた。

観終わったあと、ドッと疲れる感じこそ『クレイジージャーニー』。その復活を実感した。

『激レアさん』

以前も登場したマナリスさんをひと目見て「お、久しぶり!」と若林。「レジェンドの部類に入る激レアさん」だと。

もともとは「803日連続ですき家を食べ続ける人」という肩書で登場した彼だが、今回の肩書は「1082日連続ですき家を食べ続け、さらにこの先2年間は食べ続けることが確定してる人」。あと100日程度で終わるはずが、番組に出たことでさらにポイントが貯まって、期間が延びてしまったそう。

親からも「あなたがわからない」と言われ、友人たちからも連絡先をブロックされ、友達を失うことになったという。

「やめようとは思わなかった?」と弘中は尋ねる。「名前も顔も知らない人たちのためにつづける必要ない。自分の人生だから自分で決めたほうがいいと思います」とキッパリ諭すと、「ぐうの音も出ない……」とマナリスさん。若林「激レアさんで弘中ちゃんに議論で勝った人いないからね(笑)」。

本人も一時はやめようかと悩んだそうだが、ある日の飲み会で女性にすき家のことをネタにすると大爆笑。「俺にはすき家しかない」と考えつづけることに。

「仕事もしてるだろ」と田中が擁護する一方で、若林は「わかるよ」とマナリスさんに同調。「俺たちだって、芸人じゃなくなって生身で世の中に放り出されたら、何もないじゃん」。

そこからいつものように若林vs田中の小競り合いになっていくのがおもしろかったが、実際のところネットの悪ノリとその反応を過剰に意識して人生が左右されているという、根深い現代的な問題も同時に考えさせられる味わい深いクレイジーな回だった。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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