K-POPの「もっと売れてほしい」4選!韓国アイドル戦国時代で注目される高クオリティ曲とは?

2022.12.1

トップ画像=VERIVERY『Undercover Japanese ver.』(通常盤/初回プレス)より
文=キクチカムサ 編集=菅原史稀


2022年もいよいよ終盤。今年のK-POP業界は大型新人のデビューが相次いだが、一方で「もっと売れてもいいはずなのに、まだ世間の注目度は低い」「曲はよかったのに、ほかの大きな事務所のアーティストのリリースとタイミングが被ってあまり話題にならなかった」というリリースも大いにあった。

スター事務所のグループが注目されるのは当然といえば当然だが、競争が激しいK-POPだからこそ、小さい事務所であっても負けず劣らず高クオリティの曲がある。本記事ではK-POPの視聴がもっと楽しくなるかもしれない、2022年の注目リリースを厳選して紹介したい。


DKZ「Cupid」

所属事務所はDONGYO Entertainment(ドンヨエンターテインメント)。2018年からDONGKIZとして活動していたが今年DKZ(ディーケージー)に改名を発表、リスタートを切った7人組グループ。イントロの曲フリのようなセリフに始まり、脳内リピートが止まらないような中毒性のあるコーラス、アウトロのセルフ「アンコール!」のかけ声に至るまで、夏の日差しのようなパッションとエネルギーが詰まっている。どこまでも親しみやすく堅苦しさは一切感じさせない、アイドルってこういう存在だよなと思わせてくれるし、何より自分の気持ちまで前向きになる。

DKZは同曲でデビュー後初の音楽番組1位候補。惜しくも1位の獲得は叶わなかったが、アルバム初動は実に前作の30倍。確実にファンを増やしつつある。

ICHILLIN’「Draw(MY TIME)」

KM Entertainment所属のICHILLIN’(アイチリン)。グループとしては3作目のリリースであり、日本でも人気を集めるグループKep1erを輩出したオーディション番組『Girls Planet 999:少女祭典』参加者・メインボーカル候補として一躍注目を浴びたジユンがグループに参加して初のシングル。

90年代R&Bを思わせるミニマルなドラムとパーカッションに始まり、徐々に展開していくトラック。ファンキーなベースと軽快なキーボード、チアフルなボーカルが心地よい。このジャンルの流行の先駆者に、今年の台風の目ともいえるグループ「NewJeans」が挙げられるが、同グループが大型事務所・HYBEからデビューし“BTSの妹分”として話題を総ナメにした一方で、新しい事務所がプロデュースする初めてのグループICHILLIN’は、やはり世間の注目も少ない。だからこそ1度聴いてみてほしい。チルで聴き疲れしない楽曲は場所を選ばず、いつの間にかプレイリストに入ってしまうはずだ。

VERIVERY「Tap Tap」

JellyFish Entertainment所属の7人組ボーイズグループVERIVERY(ベリベリ)。今年6月には日本1stシングル『Undercover(Japanese ver.)』で日本デビューを果たした。

本曲では2021年からつづいた連作「SERIES ‘O’」で表現していたダークでシリアスな世界観とは打って変わり、新人かのようなフレッシュなコンセプトに回帰。90年代のMTVを思い出させるようなポップなMVは笑顔が眩しい。ヒップホップパートとポップロックパートを行き来する当楽曲は一聴して全然違うものの組み合わせのようにも思えるが、ギターサウンドが印象的なプリコーラスが前後をつなぐ役割を果たし、聴けば聴くほどに緊張が一気に弾けるコーラスの開放感への期待が高まる。デビュー後1415日目にして音楽番組初1位を獲得。これからさらに活躍が期待されるグループだ。

作曲にはグローバルプロダクションチーム「THE HUB」が参加しており、同チームが手がけたNMIXXの「DICE」も異なるジャンルを融合させた楽曲。その2曲を聴き比べるのも楽しい。

PURPLE KISS「Nerdy」

最後に紹介するのがRBW所属、2021年にデビュー、まだ若い存在ながらもパフォーマンス力に定評があるPURPLE KISSの「Nerdy」だ。バイオリンのサンプリングとレトロなオルガンサウンドが特徴のホラーテイストの世界観。どこか懐かしい印象を受けつつもスタイリッシュなベースが全体を引き締め、野暮ったくない。息が多めでマットな質感のボーカルはトラックから浮くことなく、むしろその世界観をより強固なものにしている。独特な存在感を放ちながらもイロモノにならず、圧倒的な実力で視聴者を惹きつけるのが彼女たちのすごさだ。

MV中のピンクの髪色をしたメンバー、日本人のユキにも注目したい。目を引くビジュアルもさることながら、韓国語で流暢にラップをするだけに留まらず、自身でラップメイキングも手がける実力を併せ持つ。まだ活動2年目ということを考えると今後どのように活動を見せてくれるのか、とても楽しみだ。


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