加藤茶が志村けんとやりたかったこと「俺たちなら破れると思ってた」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『金スマ』

中居正広が体調不良で、安住アナが司会を代役。ゲストは加藤茶夫妻。

『全員集合』の映像はよく観るが『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』はあまり流れないから、観ることができてうれしかった。

ガソリンスタンドでのコントでは、ガソリンスタンド自体を建ててしまう予算のかけ方。カースタントなどもハリウッド映画並み。すごい時代。

ボーヤ時代に、ドラマーから「折れたスティックを捨てといてくれ」と渡されたのを「削ったら使えないか」と削ってみたところ使えたためドラマーになろうと決心した、というデビュー前の話から、夫婦の出会いからバッシング、病気からの復活まで盛りだくさん。

そんな中でやはり盟友・志村けんとの話がとても印象的だった。ふたりの出会いは志村がドリフのボーヤになった1968年2月。母・妹と暮らす家に半年ほど居候させていたという。

懐に入るのが巧みな志村は「お袋と仲よくなるのがすごい早くて」自分の家のように振る舞っていたそう。「逆に、コイツいいな、笑っちゃうなって思ってましたね。志村のことが当時から好きだった。おもしれえなって思ってた」と回想する加藤。「ふざけ合っていると、平気で俺の頭を叩くんですよ。コイツいいなあって。長さんよりツッコミうまいなあって(笑)」。

ドリフへの加入も、いかりやに加藤が進言したもの。加入当初ウケずに悩んでいた志村には「お前のことを長さんにわかってもらえ。俺はこういう笑いをやりたいんだって。長さんだって嫌とは言わないよ」と助言。自分から言うようになってからブレイクを果たした。

すると「志村派」「加藤派」などと対立構造を煽られたが、本人は「僕がお願いして入れてもらったんだから、嫉妬するのはおかしいでしょ。楽になりますよ」とその状況を喜んでいた。

逆に「もう舞台に出てしゃべりたくない」と気持ちが落ちていた時期には、志村から「セリフがなくても動きだけで笑わせられないか」と提案され「ヒゲダンス」が誕生。助けられたという。

「志村が70歳になったら、やりたいコントがいっぱいあった」と志村と話していた加藤。「若いときにやったコント、今やるとこうなります」みたいなことをやりたかったそう。

だが、その70歳で志村が急逝。加藤は「年とってからコントやってウケる人って少ないじゃないですか。俺たちなら破れると思ってましたから」と大きなショックを受ける。

追悼番組までは気丈に振る舞っていたが、それが終わると一気に落ち込み、志村のコント番組を夜な夜な観ていたと妻は証言する。ただ仲がいいというだけでなく、志村とのコンビに「芸人」としての野心がまだまだあふれていたというのが痺れる。

志村が加藤に遺したメッセージを知ったことがきっかけで気持ちが回復していったという加藤は、79歳の現在の夢を聞かれ「95歳まで舞台に立って人を笑わせたい。もしできたらさらに100歳までやってみたい。100歳までいったら108歳まで」と貪欲に語る。

108歳は「茶寿」。茶寿で笑わせる加藤茶が観られたら最高だ。

『ぺこぱポジティブNEWS』

「戦友の地下芸人と本音で語り合うポジティブ会」後編。今年の『キングオブコント』予選で虹の黄昏がかなりウケていたという話。

かまぼこ体育館が「一番手応えがあった。何も変えてない、昔のネタをただやっただけ」と振り返ると、「賞レースでウケ出すって、追い風に入ってきてると思うんですよ」と松陰寺。芝も「なんかあるよね、評判が回り出すんだよね」と同調。まさにランジャタイや錦鯉など思い当たるコンビはたくさんいる。

野沢ダイブ禁止は「出られる催し物は全部出ようかなって。テレビももちろん」「そっち側(ぺこぱやモグライダー側)行きたいっしょ!って」と、カルト人気で終わるつもりがない感じが頼もしい。

ウエストランド井口は、『いいとも』時代を「知らないやつのボケツッコミ見てらんない」「誰も見向きもしなかった」と回想。最後のほうでタモリと絡んで笑いが起きたため「MCの人と絡まないとダメ」と痛感したという。

そのころは「ツッコみたいけど、俺なんかが行っていいのかな」「めちゃくちゃいいフレーズを思いついても行けない」という状況だったが、「でも今、テレビに出ると、まわりは知り合いばかり。こんなにやりやすいことはない」と語る。

そんな地下芸人仲間が、最初に牙城を崩したのは三四郎だったのではないかと振り返り、今は虹の黄昏が行きやすい状況だと。それを聞いて、自分に言い聞かすように、かまぼこ「行くなら今!」。

まさにここ最近はナレーションに起用されたり、虹の黄昏をさまざまなところで観るようになった。先進的なスタッフが使いたい存在になっているのだろう。「風が吹いている」状態の始まりを感じる。

ほかにも「打ち上げも出待ちもないから今の若手はかわいそう」「だから早めに辞めていく若手芸人が多い」という井口の分析や、シュウペイの「タレント力」には松陰寺も驚いたというエピソードなど、興味深い話連発。

シュウペイはテレビ出始めのころから自然と笑顔ができたそう。シュウペイ「パーティーに行って写真撮ったときの楽しい笑顔が生きてる(笑)」。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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