『鎌倉殿の13人』番宣番組で佐久間Pが地上波初MC。大泉洋の代役を小栗旬がしていた秘話も!(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『鎌倉殿の13人 ウラ話トークSP』

北条ファミリーの小栗旬、小池栄子、坂東彌十郎、坂口健太郎を迎えて、話を聞くMCは佐久間宣行。

自身のラジオでもその顛末が語られていたが、「地上波の初MC」が日曜夜8時という、本来大河ドラマ本編を放送する枠、しかも相手は芸人でもなく俳優陣だということに戸惑いをあらわにする佐久間。あとから「北条を許さない御家人の会代表」として佐藤二朗も登場。

彌十郎について「後にも先にもクランクアップであんなに泣かれた人は初めて。赤ちゃんみたいに泣いてた」と小栗が証言すると「自分でどうなったかわかんないくらい感動しましたねえ」と彌十郎。やっぱりこの大河では、坂東彌十郎が世間的に“発見”されたというのが大きい。

マスクで表情が見えないテストから、初めて表情が見える本番で新鮮なリアクションになるなどといった、役者で体験しているからこその証言もあったりして、とても興味深い。

VTRでは、佐久間と三谷幸喜の対談も。褒められるのはうれしいが「ほかの作品は観てねえのかとか悪いほうに考える」という三谷は、三谷のほかの大河より「一番おもしろい」と佐久間が讃えると、「それが一番よくない」と先制攻撃。

そこから梶原善の話など濃密なトークがつづく。テキストでいいから完全版を公開してほしい。

佐久間が、義時は「ちょっとずつ変わっていく」と指摘すると、三谷「それが大河ドラマのおもしろさ。急激に変わらないんですよね、人って。行ったり来たりする」。

さらに大泉洋もVTR出演。「全部大泉のせい」というSNSで流行したフレーズについて、「人々は物語のツラさから逃れるために、『大泉』というどれだけぶつかっても優しく包み込んでくれる最強の男を見つけたんですよね。大泉だったら『全部大泉のせい』って言われても受け止めますから。全国民を僕は抱き締めることができる」といかにも大泉らしく振り返る。

第23話の頼朝が比奈の寝室を訪ねるシーンのうしろ姿は、なんと小栗旬が代役をしていたという秘話も。大泉が体調不良で参加できなかったため「その日の当日に、チーフ演出の吉田(照幸)さんから『小栗さん、やりませんか』って(笑)」と回想する小栗。大泉の歩き方のクセをコピーし、完璧に大泉らしい頼朝になっていた。スゴい。

三谷は佐久間に終盤の観どころを聞かれ「僕は無理難題に立ち向かっていくのが好き」と、コロナなどで突然出られなくなった役者がいても、台本でいない理由をしっかりつけていたなどと語ると、「聞きたいのはそういうことじゃなくて!」と佐久間がツッコミ。

そこから最終回の話に広がっていく。三谷「すごく悩んだんですけど、義時の人生を描くにあたって、最期に彼はどこに到達するんだろうか。それは物語として最後、何を描くんだろうかと同じことなんですけど、僕が思った以上に義時は結果、ダークになっていく。いろんな死に関わってきた彼が最期、幸せに亡くなっていいんだろうか。やっぱり彼なりの最期をきちんと描くべきじゃないか。だから、あんまり大河ドラマにはない、主人公のラストシーンになった気がします。ちょっと僕なりにドキドキしましたね。こういう終わり方なんだ、でもこの終わり方しかない」。

この台本は小栗や小池ら役者陣も絶賛。すでにクランクアップしているため、最終回の台本を読んでいない佐藤二朗「今回の番宣の番組は100点満点だね! だって観なきゃいかん気になるもん! 俺も思ったもん。絶対観なきゃって!」。

ほかにも佐藤浩市や菅田将暉といったツボを得たVTR出演の人選や、物語から退場した人たちの名場面を振り返る「在りし日を偲んで」で、最後に病気のため降板後に逝去した辻萬長が演じている姿を流したり、きめ細やか。

また、ドラマを大して観ていない賑やかしのような人がいない代わりに、大泉洋や佐藤二朗のボケしろは残してあるという、過不足ない素晴らしい番宣番組だった。佐久間「撮り終わる今、思ってますもん。俺がMCでいいのか?って(笑)」。

『トンツカタン森本&フワちゃんの「Thursday Night Show」』

森本とフワちゃんという親友同士の英会話バラエティ。

初回のゲストはハリウッドザコシショウ。「日本は狭いでしょ?」と世界進出を促され、ザコシ「俺、日本だけでいいかなって(笑)」。

いきなりふたりがペラペラの英語で進行し、番組をスタートさせると「え? あんだって?」「ハァッ!?」と困惑するザコシ。いったん収録を止められると「説明せえよ! 勝手にやりやがって! どういう番組やねん!」「寂しなったわ」と本気で抗議。

ここから日本語で作戦会議。ザコシショウの誇張ものまねを世界で通用するように英訳。「肌ざみぃでございますわね~」は「It’s very chilly」だと森本が訳すと、フワちゃんは「シショウっぽくするなら『chilly chilly chilly~』」だと。

「シューーー!」は「Pee Shooooo」、「でさーねー」の代わりに「It’s a joke」と締めるのを提案し、「Exaggerated Michael Jackson(誇張したマイケル・ジャクソン)」などを完成させる。

試しに観せたアメリカ人一家は微妙な反応だったけど、思えば最初ザコシショウが日本のテレビに出始めたときも、それ以上に反応が悪かったことを考えれば、思わぬタイミングで海外で大ブレイクする日も来るかもしれない。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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