歌うことが嫌だった藤井隆を変えたひと言「君の感情は知らない」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『アンタウォッチマン!』

「芸人ソングSP」後編。90年代後半ではポケビ、ブラビやボキャブラ芸人たちの歌を紹介し、スタジオの古坂大魔王は「テレビが絡むとストーリーがついてくる」と分析。

2000年代には藤井隆が登場。歌うことが好きなイメージがあるが「ナンダカンダ」でデビュー当時は「自分が歌ったりするのはそんなに好きではなかった。実際にやるよって言われたときに、(まわりは)僕がもっと大喜びすると思ってたそうなんですけど、全然『嫌です』みたいな感じになっちゃったんで、その場が静まり返ったのを覚えてます」と意外な過去を回想。ノウハウがわからないから戸惑っていたと。

そんな藤井の意識を変えたのが、カメラマンのひと言だったという。MV撮影でうまく笑えなかった藤井はカメラマンに「君の感情は知らない。それは楽屋に置いてきてください。カメラの前に立っているのに照れるとかやめてもらっていい? プロ失格だ」と言われ、自分の中でプロ意識が生まれたのだと。藤井「毎回100点はできてないかもしれないけど、100点を目指そうとは思うようになった」。

「ナンダカンダ」は2020年にリバイバルヒット。「やりたいことやるべきです」という歌詞について藤井「それしかないと思うんです。これからのキーワードって。やらされたり嫌なことはやる時代じゃない。自分で自分の機嫌を取りながら自分のやりたいことを仕事にして生きていくのがテーマだと思う」。半ば「やらされた」感のある仕事から、そんなメッセージを受け取り、今やそれを体現する存在になっているというのがとてもおもしろい。

『テレビ千鳥』

ゴールデン2時間SP、最初の企画は「パンにコレ挟んだら旨いんじゃ!!」で、進行はノブの代役・東野幸治。東野に「顔がボロボロ」と指摘されると「もう、ノブしんどなってきたわ」と、限界を感じている大悟。「全番組新番組やる感じ。ノブ、もう帰ってこい!」。

そのノブが参加したのは「元サッカー部芸人PKダービー」。ゴールデンらしくナイナイ矢部も参戦。実は「1回断ってた」そう。日中用事があり夜だったら大丈夫と答えたら夜収録に。急にノブがサッカー芸人の枠に入ってきていることに「びっくりしてる」と視聴者を代弁するコメントを残す矢部。ノブは、岡山県立笠岡商業高校サッカー部のセンターFW。3年間の通算ゴールはなんと1点。それもコーナーキックのボールを腰に当ててゴールを決めたそう。

ほかのメンバーは、北陽高校出身でインターハイ出場経験のある又吉と仙台育英のキャプテンで10番だったパンサー尾形と、考え得る最高クラスのメンツ。ひとり目の又吉がなんと10本中9本成功し「なんでトップバッターにしたん?(笑)」とノブ。ふたり目の尾形は5ゴール。矢部の番になり「俺がブルってるの気づいてる?」と苦笑する矢部。だがさすが『やべっちFC』などでプロ選手と対戦してきただけあり、利き足ではない左足で決めたりPK職人っぷりを披露し見せ場を作る。それでも又吉の9ゴールには及ばず。

最後はノブに。と、その前に矢部が「やらしい話していい? 1回断ってもまだオファーしてくれてさ、来たぐらいだから俺ラストやと思ってた」と笑う。「主役なんです」と返すノブは、もしパーフェクトなら優勝というお膳立てが整った状態。1本目はキレイに決め、2本目。クロスバーの上に外してしまう。すると大悟、すかさず「帰ってきて」と呼び「1でもない2で来た。1(の成功)でみんなスイッチを切り替えたのよ。イケる!のほうに。うぉりゃーって。(でも)2で来た(笑)」「わしのデータにないねん。2で来た切り返しがないねん(笑)」などと笑う。

さらに外すと「メインがダイジェストになりかけてる」と嘆き、これを決めれば尾形を超えるという最後の1本も止められてしまう。「めちゃくちゃノブやん!」と大悟。ノブ「誰や、ノブをラストにしたの!(笑)」。

一方、大悟が挑戦したのは前回に引きつづき「元野球部芸能人ホームランダービー」。こちらのノブの代役はアンガールズ田中。ほかのメンバーが10本を超えるなか、やはり最後に挑戦する大悟。前回は6本だったため、目標を最初6本に設定するも、練習では1本も内野すら越えなかったと年齢で1年前より衰えているため「3本」に下方修正。ほかのメンバーに「恥ずかしいけど……打ち方教えてくれ」などと懇願しつつ、12球目でようやく1本柵を越え、2本という記録で最後の1球に。これがホームランになれば目標を達成というプレッシャーのなか、前回同様、最後にしっかり柵越えを打つ大悟。ティモンディ高岸も「どんだけ勝負強いの!」と驚愕するなか、泣いてると指摘され大悟「ホンマにどう見たって汗!(笑)」。

最後の1球がノブはどこまでもノブらしく、大悟はどこまでも大悟らしい感じが最高だった。あと、やはりノブと大悟がそろうとおもしろさが段違いだし、何より大悟が心底楽しそうでいいなと改めて思った。


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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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