金木犀まで、もう少し。(ランジャタイ国崎)


お笑いコンビ・ランジャタイの国崎和也が、徒然なるままにコラムを執筆。本連載での名義は「ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん」です。

今月は、楽しかったライブの思い出を。

こっちのがワクワクする!

久しぶりに漫才師の片割れに会った。

普段は「働いている」と言う。

二児の「パパ」だと言う。

嘘つけと思ったが、

幸せそうに笑った顔を、見逃さなかった。

浜口浜村さんへ。

今回、東京、名古屋で7年前に解散した漫才師
「浜口浜村」さんとのライブをやらせていただいた。
浜口浜村さんとのライブは、数年前までは実現できるとは思ってもみなかった。


浜村さんは、誘えば絶対やると思っていた。
すぐやる。明日にでも、いや今日にでもやる。


「今からやります?」と言っても、

「やる!」と言うくらいまだまだ浜口浜村をやろうとしている。

問題は浜口さんだ。


あたくしの知っている浜口さんは

よくわからない、とぼけてとぼけて、オヨヨのヨ!

みたいな、不思議な、変な人だったからだ。

ただ、漫才には真剣で、まるで自分と違う、
ずっと「ネタのオチだけは逃げるなよぉ〜!」と、とぼけながらも、いつもオチもなにもなく終わる自分の漫才にアドバイスをしてくれた。

自分が芸人を引退する時にはスーツまでくれた。


一回それを着て漫才をしたら、お尻がやぶけた。


最悪だった。


そのまま直さなかったスーツは、今回、浜口さんが着て、「何とかミシンで必死に直した!」とフガフガ怒っていた。何ミシンだっけ??misonoミシン??

その浜口さんがOKを出したのだ。


信じられない!ほっほっほ!
そうと決まれば、やぶけたスーツで祭りだ!!!

やりぃ!

そんなこんなで、
まさかまさかのライブが実現した。

地下時代の、あの時代、あの劇場の、同じ空気を吸ってきた、なかの芸小ホールで自分たちと一緒に変なことをしていた人たちが、帰ってくる!

ライブ前に浜村さんと話す機会があり、

浜村さんが

「よく考えたらさ、ランジャタイと浜口浜村、そんな遊んでなくない?」

という話になった。

そうだ。不思議とプライベートでは、まったく会っていなかったのだ。

浜村さんが、「みんなエモいライブだと思って来るんだろう?違うよなあ〜?」と笑い

「違いますね〜!」と笑った。



確かに、2人とは一度しかご飯を食べたことがないし、何なんでしょうね?!と話していると

浜村さんが

「新ネタがさあ〜、あんまりでさあ〜」

と言った。


続けて、

「うーん、どうしよう、あと一週間あるからな、、なんとか作らないと!、、」

と言った。


これが見たかった。

久しぶりに漫才師の彼を見る。

名古屋から来て、東京で変な漫才をして、今はピン芸人になっている、そんな浜村さんの漫才が7年ぶりに見れる。

さあ、ここからがお祭りだ。

夏の終わり。

夏らしいこともあまりせずに、

「また会えたネ」というライブに向かった。

はじめは東京公演。

ライブはすんなりスタートした。

以下省略。

そして、、、

最後になる、名古屋公演。

以下省略。

終わりーい!

本当にいろいろあったんだけど、

省略しちゃった!


いっちばん大事な部分を、伝えたい部分を、削ぎ落としてみたくなって、めっちゃ書いてたのだけども、全部省略〜!

はっはっは!!!

こっちのがワクワクする!

いろいろ書いたのだ!
浜村さんのこと、浜口さんのこと。

めーっちゃくちゃ書いて、完璧だった。

ただ、

どうしても省略してみたくなった!

しかし待ってほしい。

本当にそれでいいのだろうか。

これでは浜口浜村に何も伝わらずに終わる。

いいのだろうか!?

おい!?

いい!!!
こっちのが楽しい!!!!
最高にワクワクする!

はっはっは!

どうしようもないね!

じゃあこれだけ、、

帰りの新幹線で浜口さんからメールがきた。

「                  。」

それは、心からのメールだった。

信じられないくらい、すごくいい内容だった。
省略せずに載せたかった。

全員、涙涙のメール内容だったのだ。

ただ、あたくしは
これを省略しようと思う。

絶対省略しないほうがいい。

全員知りたいと思う。

ちょっと考えてみる!!

んごめんねぇ〜!


省略ぅ!!!

最後に、浜口浜村さんへ。

最後に、浜口浜村さんへ。

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