私立恵比寿中学と出会った僕が、結婚式でサイリウムを振るようになるまで(さすらいラビー宇野)

2022.5.28

文=宇野慎太郎 編集=菅原史稀


アイドルグループ・私立恵比寿中学(通称・エビ中)の大ファンとして知られ、かねてより自身のツイッターやブログで“エビ中愛”を発信しつづけているお笑いコンビ・さすらいラビーの宇野慎太郎。

それまでアイドルにハマったことがなかったという宇野が、彼女たちの姿になぜ心動かされ、どう変わっていったのか。エビ中と出会い、エビ中と共に人生を歩むことを決めたひとりの芸人が、愛の物語を紡いでいく。


正直乗り気ではなかった、彼女からの誘い

2020年1月1日の京浜東北線の車内。僕は私立恵比寿中学のファンクラブの入会ページにアクセスしていた。さっきまで見ていたライブで心が躍りつづけている。もっと、もっと、彼女たちを知りたいし応援したいと思った。

僕とエビ中の出会いは2019年12月初め。「大晦日にエビ中がカウントダウンライブやるんだけど、一緒に行かない?」と彼女に言われたことだった。昔からエビ中ファミリー(エビ中のファンの呼称)だった彼女。よくひとりでライブに行っていたし、エビ中の曲『まっすぐ』を結婚式で流すのが夢だと言っていた。

しかし僕はアイドルというものに興味を持ったことはなかったし、メンバーの名前もわからないし、曲だって「なんか聴いたことあるかも」くらいの感じだった。正直そんなに乗り気ではなかったが、売れてない若手芸人が大晦日に仕事なんてあるわけがなく、僕はライブに行くことになった。

あのときもし、仕事が入っていたらエビ中に出会うことはなかったと思うと、あの瞬間だけは売れてなくてよかった。

写真:さすらいラビー(左:宇野慎太郎、右:中田和伸)

その日からは、少しでもエビ中を知っておくため彼女が録画していたエビ中のバラエティ番組を観る日々が始まった。

エビ中のバラエティ番組はおもしろかった。BBQ企画でただ普通にBBQをニコニコ楽しんで、マネージャーに「テレビだぞ」と怒られる彼女たち。料理対決企画では苦手なのに勝ち進んでしまって喜び切れない彼女たち。かわいげであふれていた。

僕はメンバーの名前を覚えることができた。きっとライブもゆるい雰囲気だろうし、ある程度は楽しめるはず。

「こんなに楽しいなんて」人生で一番楽しい年越しに

そして迎えた、ライブ当日。僕は衝撃を受けた。

エビ中のライブパフォーマンスは凄まじかった。バラエティ番組で観た、さながら本当の中学生のようなあどけない雰囲気から一変、完璧な歌と踊り。表情。グループが結成された当初は「キレのないダンスと不安定な歌唱力」を売りにしていたが、そんなのどこへやら。キレしかないダンスと、安定感抜群の歌唱力で圧倒された。

そして僕がなにより一番驚いたのは、僕自身の中に生まれる気持ちだった。目の前で歌って踊る彼女たちを見ていると、どんどん楽しくなる。想像していた何倍も楽しい。こんなに楽しいなんて、楽しめるなんて思ってもなかった。人生で一番楽しい年越しだった。

帰りの電車内で僕は、エビ中のファンクラブに入会した。

【ライブ】ジャンプ Live at カウントダウン学芸会『ねずみ年の幕開けはエビチュー』

エビ中のファンになってからは、「楽しい」「うれしい」をたくさん感じるようになった。

ライブに行くことや、曲を聴くことももちろん楽しい。エビ中のYouTubeが更新されてもうれしい。新曲発表の予告だってうれしい。どこかのブランドとエビ中がコラボして、その商品を街中で見るのも楽しい。メンバーのインスタのストーリーズが更新されてるのだってうれしい。

きっと誰かを応援することや、好きになることは、生活の中に「楽しい」や「うれしい」が増えることなんだろう。僕らを応援してくれるお客さんにも、同じように「楽しい」や「うれしい」が増えていたら、僕はめっちゃ「うれしい」しもっと喜ばせたい、と思うようになった。

エビ中最大の魅力は、ライブにあり

僕が思うエビ中の魅力は、ライブにあると思う。音源で聴くエビ中もすごくいいが、映像で観る、生で観る、ステージ上のエビ中は桁違いにいい。歌や踊りや表情ですべてを出し切って、見ている人の感情を動かそうとする。そこに、ただひたすらに、まっすぐなのだ。エビ中を好きになればなるほど、ステージにかける想いの強さに驚かされる。

メンバー自身で振り付けやフォーメーションを考え、レッスンで言われたことを直してこないメンバーがいると、他のメンバーが本気で注意をする。だからこそエビ中のパフォーマンスは、常に最高を更新しつづける。

そんなエビ中から繰り出されるのは、さまざまなアーティストから提供された幅広い楽曲。「星の数え方」のようなバラードだって、「HOT UP!!!」のようなロックだって、「ハッピーエンドとそれから」のようなポップだって、「元気しかない!」のようなユーモアたっぷりな曲だって。なんでもエビ中は歌いこなす。

【ライブ】HOT UP!!! from 大学芸会2021~Reboot~ × 360 Reality Audio | スペシャルビデオ

時には生バンドで、コールなし、サイリウムなしというアイドルライブとは思えない、歌に特化したライブだって行う。そんな彼女たちの高い歌唱力と幅広い楽曲、最高のパフォーマンスを存分に楽しめるライブこそ、エビ中最大の魅力だ。

ファンになってからは、彼女が行くライブに僕も必ずついて行くようになった。最初は彼女もうれしそうだったが、ハマっていくうちに完全に僕の熱量が上回ってしまい、普段は行かないツアーのライブも僕が行きたいと言い、彼女がついてくるという逆転現象も起きた。

エビ中コンサート現場での宇野(写真提供=宇野慎太郎)

悪性リンパ腫の療養のため休業していたメンバーの安本彩花さんが、無事に芸能活動を再開するというニュースが出た日は、彼女と乾杯した。

気づいたら僕と彼女の会話はエビ中でいっぱいになった。

「楽しい」や「うれしい」を教えてくれた彼女との結婚


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宇野慎太郎(さすらいラビー)

(うの・しんたろう)1991年生まれ。太田プロダクション所属のお笑い芸人。中田和伸とのコンビ「さすらいラビー」のメンバー。

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