佐藤景瑚が主演作『どこ吹く風』で“自分と正反対”の寡黙な青年役で見せた好演【JO1初主演ドラマ『ショート・プログラム』レビュー】

2022.3.15
佐藤景瑚/『どこ吹く風』より

(c)あだち充・小学館/吉本興業
文=吉田可奈 編集=森田真規


2022年3月4日にデビュー2周年を迎えた、11人組のグローバルボーイズグループ「JO1(ジェイオーワン)」。あだち充の同名短編集を原作に、彼らがそれぞれ1話ずつドラマ初主演を務めた『ショート・プログラム』が3月1日よりAmazon Prime Videoにて配信されている。

QJWebでは、このドラマの概要と見どころを記したレビューを1話ずつ掲載していく。第7回は、佐藤景瑚が主演を務めた『どこ吹く風』を紹介する。

JO1主演『ショート・プログラム』30秒|Amazonプライムビデオ

JO1のムードメーカー

JO1の中でも、圧倒的なスタイルと端正なビジュアルが際立つ佐藤景瑚。彼がそこにいるだけでスタイリッシュになる華やかさは、天性のもの。しかし、ひとたび口を開けばメンバーも驚くほどのバラエティ力の高さで突拍子もない言葉を放ち、バラエティ番組に出演したときも、かなりの打率で爪あとを残す。

本人も“オチを期待されることが多い”と困りながら話すも、まんざらではなさそうなところも心強い。天真爛漫でありながらも、メンバー&JAM想いな彼は、まさにJO1のムードメーカーとして、メンバーから、そして多くの人から愛されつづけている。

佐藤景瑚/『どこ吹く風』より
佐藤景瑚/『どこ吹く風』より

胸がギュッと締めつけられる恋愛物語

佐藤が初主演ドラマ『どこ吹く風』で演じたのは、親友・慎の幼なじみである道子に高校時代からずっと片想いをしつづけている田原正平。自分の気持ちは伝えることなく、仲のいい慎と道子を見守っている姿はとても切なく、苦しい。たとえ自分の気持ちは伝わらなくても、“道子が幸せでいるのなら”と願いながら見つめる姿は、胸がギュッと締めつけられる。

道子を演じるのは、ドラマ『ねぇ先生、知らないの?』(MBS)、『コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―』(フジテレビ)などに出演する実力派女優・馬場ふみか。さらにドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ)、『セトウツミ』(テレビ東京)、『連続テレビ小説 まれ』(NHK)など、存在感のある芝居に定評がある葉山奨之が親友の慎を演じている。

佐藤景瑚/『どこ吹く風』より
佐藤景瑚/『どこ吹く風』より

応援したくなるさりげない優しさのリンク

今回、JO1のメンバーそれぞれが主演したドラマ『ショート・プログラム』では、演じるキャラクターがどこかメンバーとリンクしている作品が多いが、今作で佐藤が演じた正平はちょっと違う。本人も「普段の僕の性格とはまったく違う性格」だと話している。控えめで、気持ちを言葉にすることなく、視聴者としてはとてもじれったい展開がつづくが、そこにはずっと正平の優しさがあふれている。

相手のことを思い、気を使い、自分を抑えて相手の最善を尽くす。そんな正平は、佐藤が普段メンバーやJAMに対して自然と見せるさりげない優しさとリンクしているように感じる人も多いはずだ。だからこそ、演じている本人が“自分と正反対”と言えども、演技初心者である彼が、観ている人たちの心を揺さぶるような芝居ができているのだろう。だって、今作を観た誰もが正平を応援したくなるのだから。

ドラマの中には、キリンの絵が描かれたTシャツが登場する。佐藤は以前から自分のことをキリンに似ているから“ジラ”(キリンの英語表記Giraffe=ジラフに由来)と呼んでほしいと呼びかけている(あまり浸透していないが……(笑))。そこから派生したであろう小道具にも制作陣の愛を感じることができる。悩み、自分の気持ちに確信を持ち、意を決する眼差しはとても強く、物語が進むにつれて、正平の幸せを願わずにはいられないはずだ。

俳優として、新しい一歩を踏み出した佐藤景瑚。最初から自分自身とまったく異なる役柄を演じ切ったからこそ、今後はどんな役を演じてくれるのか。楽しみで仕方ない。

『ショート・プログラム』ときめくキャラ紹介 田原正平(演:佐藤景瑚)|Amazonプライムビデオ

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  • JO1初主演ドラマ『ショート・プログラム』 (c)あだち充・小学館/吉本興業

    JO1初主演ドラマ『ショート・プログラム』

    配信開始日:2022年3月1日(火)よりAmazon Prime Videoにて独占配信中!
    作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B09PQRYF97
    出演:大平祥生、川尻蓮、川西拓実、木全翔也、金城碧海、河野純喜、佐藤景瑚、白岩瑠姫、鶴房汐恩、豆原一成、與那城奨ほか
    原作:あだち充
    脚本:山浦雅大、守口悠介ほか
    監督:渡部亮平、菊地健雄、上村奈帆、土屋哲彦、益山貴司、森谷雄
    プロデューサー:北橋悠佑、森谷雄、斎木綾乃
    制作:アットムービー
    製作:吉本興業
    (c)あだち充・小学館/吉本興業

    1話読切の短編集。あだち充ならではの青春感や切なさがふんだんに注ぎ込まれた作品集を、JO1メンバー全員が主演を務め、世代を超えて、現代に生きる視聴者にも共感・共鳴できるドラマに仕上がった。
    さらに、メンバー11人全員が出演する最終話「Dreamer」も3月14日(月)よりサプライズ配信がスタートした。


Written by

吉田可奈

(よしだ・かな)エンタメ系フリーライター。著作『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん?』(共に扶桑社)が発売中。音楽、映画、声優、舞台、アイドル、オタク事が得意。現在は『InRed』、『steady.』(共に宝島社)、『NYLON JAPAN』(CAELUM)、『ダ・ヴィンチ』(KADOKAW..

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