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父・鍵山正和は“日本の4回転ジャンパー”の先駆者
世界選手権のあと、優真君のいろんな記事を読み漁っていると、父でコーチの鍵山正和氏の話題が目に入った。なんと正和氏もトップスケーターで、アルベールビル(1992年)とリレハンメル(1994年)の五輪代表だったのだ。「あの伊藤みどりさんと同じアルベールビルの代表選手!?」と驚いたのも束の間、日本の男子選手で初めて4回転ジャンプをプログラムに組み込んだ偉大な選手だったことを知った。フィギュアに本格的にハマる前の出来事だったから知らなかった……。
一番身近な存在である父がコーチ、しかも“日本の4回転ジャンパー”の先駆者。けれど、ふたりの道はけっして平坦ではなかったようだ。2018年に正和氏が脳出血で倒れ、優真君は急遽、自分で練習メニューを組み立てるようになったという。もうひとりのコーチで振付師の佐藤操氏によれば、優真君は当時泣き言ひとつ言わなかったそうだ。インタビューのときの初々しくて飾らない人柄からは想像がつかない。この事実を知ってから、私は優真君の芯の強さに感服し、心の底から“鍵山親子”を応援するようになった。
五輪の舞台で自己最高の演技を更新できるか
優真君の魅力は、なんといっても父譲りの柔らかい足首と膝を活かした、質の高いジャンプ! 「え?いつ降りたの?」と思うくらい着氷が静かで、着氷後の流れもスムーズ。おそらく、フィギュアスケートに詳しくなくても「スケートがうまい」「ジャンプがきれい」と思えるほど、彼のジャンプは特徴的だ。軸が細く回転速度の速いジャンプ、その着氷の柔らかさにはぜひ注目してみてほしい。
そして、高いスケーティングスキルを活かしたステップも見逃せない。個人的に特におすすめなのが、ショートプログラムのステップ。使用曲「When You’re Smiling」の軽快なメロディと優真君の伸びやかなスケーティングがピッタリとマッチしている。なめらかな滑りで、ぐんぐん進んでいく姿は見応え抜群。上半身の振り付けはもちろん、足元も必見なんです。
北京オリンピックでは、難易度の高いジャンプである“4回転ループ”を投入する可能性も示唆している優真君。日本代表選手の中でも成長率と伸び代はピカイチなので、オリンピックの舞台で自己最高の演技を更新すれば、ひょっとすればひょっとするかも!?
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