武知海青(THE RAMPAGE)、“覚醒”のプロレス第2戦へ「僕が僕を超える瞬間を見せます」
2024年2月25日にDDTからプロレスラーとしてデビューした、THE RAMPAGEの武知海青。待望の2戦目を9月29日に控えた今、初戦を振り返りながらレスラーとしての現状とこれからを語ってもらった。
武知海青
(たけち・かいせい)1998年2月4日、兵庫県宝塚市生まれ。THE RAMPAGEのメンバー。2017年1月25日にシングル『Lightning』でメジャーデビュー。9月19日には初のボディ・ビジュアルブック『BULLET』(幻冬舎)を刊行した。
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メンバーからの言葉に「僕は間違っていなかった」と思えた
──海青選手にとって9月は怒涛の期間です。プロレス2戦目の準備だけでなく、ボディ・ビジュアルブックの発売、THE RAMPAGEとしてフルキャパでは初の東京ドーム公演、さらに『最強スポーツ男子頂上決戦2024秋』(TBS/10月14日放送)もあります。
僕的に今年は、パーフェクトイヤー。プロレスラーとしてデビューし、『スポ男』では2連覇できました。こんな機会を連続していただけることもなかなかないので、ありがたいです。『スポ男』は3連覇したいですし、プロレス2戦目も勝ちたい。このふたつが達成できれば今年は完璧な年だと言い切れる。9月に挑戦することすべてを今後につながる内容にできたら最高だし、一つひとつ覚悟を持って取り組みたいです。
──武知パーフェクトイヤーの始まりと言っても過言ではない2月25日のプロレスデビュー戦は大成功でした。たくさんの感想が寄せられたと思いますが、一番うれしかった言葉は?
上野(勇希)さんが試合終わってすぐに「さすがだね」と言ってくださったのが、一番うれしかったです。ドラマでも共演して、デビュー会見にも同席していただいて、ずっと僕のことを見ていてくださった。だからこそ、そのぶん、僕に対する期待値やハードルも上がっていたと思うんです。そんな上野さんに改めて認めてもらえたことで、初戦のハードルを乗り越えた実感が持てました。
──前回の「QJWeb」での取材で、「プロレスを見て美しいと感じた」と言っていたのが印象的でした。デビュー戦のリングからは、どんな景色が見えましたか?
正直、がむしゃらすぎて目の前の相手のことしか見えなかったですね。試合も体感では3分くらいに感じました。守るのにも必死だし、攻撃するのも必死で。でも、この必死さが見ている人の心を動かすのかもしれないと思ったので、ただただ精一杯な自分を見てもらおうという一心で戦いました。がむしゃらだったので、試合が終わって気がついたら体がボロボロでしたね。
──試合中は痛くなかったんですか?
痛くないことはなかったですが、家に帰ってシャワーを浴びたときが一番痛かったです。とにかくチョップを受けた胸が痛くて、お湯が染みて……。
──チョップは誰の攻撃でしたっけ……
(食い気味に)遠藤(哲哉)さんですね!
──絶対に忘れないぞという感じですね。
もちろんです(笑)。技を受けてみたら、衝撃が想像の5倍くらい強くて。でも、そのぶん僕も思っていたより5倍のパワーを出せた気がします。
──2月25日からはプロレスラーという肩書きを持つことになったわけですが、日常生活にも影響はありますか?
常に強くいなきゃと思うようにはなりました。普段から、自分はひとつ別のものを背負っているということを雰囲気で見せなきゃいけないなと思って。ナメられたら嫌なので。自然と立ち居振る舞いにも変化が出ているかもしれないですね。リハーサルで先輩と向き合ったりすると、「雰囲気がもうレスラーじゃん! 勝てねえよ!」と言われるようになりました(笑)。
──THE RAMPAGEのメンバーは、試合後どんなリアクションを?
山彰(山本彰吾)さんが、本当にプロレスのファンになったんです。僕じゃなくて「プロレスのファンになった」と言っていて、それがすごくうれしくて。同じ表現者としてステージに立つメンバーからも「プロレスはおもしろい」という意見が出たことで、僕はやっぱり間違っていなかったんだと思えた。これからは一緒にプロレスの魅力を発信できたらいいなと思います。
──山彰さんは、次の試合で海青選手がチームを組むMAO選手のファンになったそうですね。
そうなんです。MAOさんと僕のタッグが見たいし、僕がMAOさんと戦っているところも見たい、どっちも見たい! と言ってくれています。
──MAO選手と海青選手が闘う日が来たら、山彰さんはどちらの応援を?
いや、それなんすよね〜……カメラを入れて問い詰めたいですね! カメラの前でしっかり意思表明をしていただかないと(笑)。
「第3戦目まで意識しています」覚醒と進化を見せていきたい
──2戦目が決まったときの心境を教えてください。
まず、確実に1戦目を超えなくちゃいけないと思いました。最初はお手並み拝見という感じだったと思います。結果的にいい意味でみなさんの期待を裏切って、想像以上のものを届けられたのではないかという実感があります。
だからこそ2戦目は、1戦目のインパクトを超えるにはどうしたらいいのか、という模索から自分の中で始まった。見る側の姿勢も1戦目とは違うでしょうし、もっと自分の何かを解放しないと、感動を生むことはできないだろうなと。1戦目の自分自身が壁になっていますね。
──ずばり2戦目のテーマは?
「覚醒」ですかね。1戦目が「誕生」で、2戦目で覚醒して、3戦目があるとしたら、そこで「進化」を見せたい。
──3戦目まで見越しているんですね。
はい。技のクオリティーもそうですが、1戦目は気持ちの面でも初めてのことだったので、自分を表現することに全集中できない部分があった。まわりのことが気になったり、無意識のうちに羞恥心があったり、自分が持っているオーラを出し切れたかというと、まだまだ足りない部分がありました。だから2戦目で覚醒して、次につなげていきたいです。
──今回のタッグパートナーはThe37KAMIINAの上野選手とMAO選手です。
僕にとってはドリームチームで、願っていた組み合わせ。逆に言うと闘いたくはないふたりというか……。敵にはなりたくないし、特に上野さんとはまた組めてうれしいです。頼れる兄貴ですね。
──MAO選手とは初顔合わせですね。
2月25日の僕の試合のひとつ前がMAOさんの試合だったのですが、マイクパフォーマンスも含めて会場の雰囲気を一気に変えてしまった感じがしたので、すごい力がある方だなという印象です。あとは、僕のファンを返してもらいたいなっていう……。
──ファンを取られたんですか?
そうなんですよ。今回はチームメイトですが、ファンの奪い合いになるかも(笑)。プロレスデビューをしてから僕たちのファンがDDTのファンになったり、DDTのファンの方が選手のグッズやタオルを持って僕たちのリリースイベントに来てくれたりして、それ自体はうれしいし、お互いのファンが行き来するのはエンタテインメントの発展のためにもとてもいいことだと思うんです。
ただ、僕のファンだけ、なぜかMAOさんのグッズを持っている率が高いんですよ! まだ戦ったことも組んだこともないのに、なぜだろうって。もしかしたら似ている何かがあるのかもって、ちょっと思っていて。それをリングの上で確認したいです。
──では裏テーマは「ファンを取り返す」ですね。
はい(笑)。でも、このふたりと組めることを本当に光栄に思っています。もしかしたら一生に一度の機会かもしれない。DDTのトップに立つふたりと組むことで、僕にとっても今後のプロレスラーとしてのターニングポイントになる可能性がある。だから、試合中の一瞬一瞬を大事に噛み締めたいです。
──対戦相手はSCHADENFREUDE Internationalの3人ですが、まずはクリス・ブルックス選手の印象は?
初対面のときに気さくに話しかけてくださって、優しい方だと思っていたんですが、試合を見たらかなり容赦ないなと。だから最初に対戦相手がクリス選手だと聞いたときは「俺、やられるんじゃないかな」と思ったのが正直なところです。クリス選手の攻撃をどこまで受け切れるか、という勝負になるかもしれません。
──高梨将弘選手と正田壮史選手の印象はどうですか?
高梨選手はやっぱりタッグワークをリードしているイメージです。動きも速いし、魅せ方もうまくて会場の雰囲気を持っていく力がすごく強い。正田さんは前回も闘いましたが、今かなり体がデカくなっているなと思って。最初は僕より年下だし、若いイメージでしたが、闘ってみたら印象が変わりました。
僕より大きく見えたし、オーラも纏っている、覇気みたいなものを感じた。この半年の間にも、プロレスというステージに立ってきている数がぜんぜん違いますから、持っていかれないようにしたいです。
プレッシャーがかかりすぎて、壊れた自分がちょっと楽しい
──パーフェクトイヤーということで脚光を浴びるぶん、プレッシャーを感じることも多いのでは?
プレッシャーはもう感じすぎて感じなくなっています。2月に試合があったので、今年はずっと体脂肪率5%を切ってるんですよ。それくらい食事制限もしていて、精神も相当研ぎ澄まされている。だから今の自分は何事にも負けない自信があります。プレッシャーがかかりすぎて壊れた自分がちょっと楽しい(笑)。
──そのストイックさが海青選手の魅力である一方で、やはりファンから見ると少し心配になってしまう気もします。
そうですよね。心配や不安になられる方はもう、それはしょうがないと思う。でも、その不安を取り除けるのは僕しかいない。だからファンの方の不安を取り除けるようにがんばります。1戦目のときも、最初は心配していたけど、実際に試合当日は超楽しんでくださった方が大半だと思うし、僕はそれがうれしかった。だから、今回も目一杯楽しんでくれたらいいなと。
僕は常に自分と戦っていて、試合の相手が誰であろうと、最後の敵は僕自身だと思っているので、僕が僕に打ち勝つシーンを見せたい。自分自身を超える瞬間を、ぜひ感じ取ってほしいと思います。
『Quick japan Presents DDT Special Guidebook 2024』
武知海青(THE RAMPAGE)を表紙に、コスチューム姿の撮り下ろし写真を多数掲載したスペシャルブック。デビュー戦を振り返りながら、メンバーとのエピソードや憧れのレスラーについて熱く語るロングインタビューも実施している。
さらに、武知海青デビュー戦でゲスト解説を務めた松井利樹(BALLISTIK BOYZ)の対談企画、DDT所属選手の撮り下ろしインタビューも掲載。
「QJストア」のほかに、9月29日(日)に開催される『DRAMATIC INFINITY 2024 ~3時間スペシャル~』の会場と「DDT ONLINE STORE」で販売。それぞれ違う特典(武知海青の撮り下ろし写真を使用したミニカードなど)がセットとなっている。
「QJストア」ではサイン(プリント)入りポストカードがセット。
タイトル:『Quick japan Presents DDT Special Guidebook 2024』
仕様:A4判/並製/フルカラー/40ページ(本文36ページ)
価格:2,000円(税込)
発売日:2024年9月29日(日)
販売:DDTイベント会場/DDT ONLINE STORE/QJストア
特典:会場販売:B8サイズカードA
DDT ONLINE STORE:B8サイズカードB
QJストア:サイン(プリント)付きポストカード
※いずれも武知海青の撮り下ろし写真を使用
THE RAMPAGE 陣&与那嶺&藤原が表紙『HARBOR MAGAZINE by QJ』発売中
『Quick Japan』編集部による、「人と動物の調和」がテーマの新媒体『HARBOR MAGAZINE by QJ』が始動。第1号の表紙と特集には、愛猫家として知られるTHE RAMPAGEのメンバー、陣と与那嶺瑠唯、そして藤原樹が登場。愛猫たちの暮らしにまつわる微笑ましいエピソード、保護動物に対する思い、そして彼らが実際に行っている支援活動が明らかになっている。
「QJストア」限定販売のブックレットで、陣・与那嶺・藤原のミニカードが2枚セットとなる特別プランです。