JO1、ついに叶った初の有観客ライブ「僕らにはJAMがついているし、JAMには僕らがついている」

2021.12.13
『2021 JO1 LIVE “OPEN THE DOOR”』

文=坂井彩花 編集=森田真規


サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』で選ばれた11人によるグローバルボーイズグループ、JO1。2019年12月11日に結成されたJO1のデビュー後の活動は、コロナ禍の影響を大きく受けていた。

そんな彼らがデビュー後、初めての有観客ライブ『2021 JO1 LIVE “OPEN THE DOOR”』を、2021年11月19日、20日、21日の3日間、幕張メッセ国際展示場で行った。JAM(JO1ファンの呼称)と初対面となったライブの11月21日夜公演の模様をレポートする。

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攻めの姿勢を示したライブ構成

いつバズってもいいように、僕たちはパフォーマンスのクオリティを上げておく必要がある。

「木全翔也&佐藤景瑚が語るJO1としての夢「パフォーマンスで世界一のアーティストになる」」、『QJWeb』2021年9月12日掲載

JO1メンバーの佐藤景瑚が力強くそう語ったのは、4THシングル『STRANGER』がリリースされたときのことだった。今以上に行動が制限され、思うようにライブができなかった2021年晩夏。それでも彼らは、何ひとつ望みを失っていなかった。それどころか、「今は準備期間という気がしています」とまっすぐな視線で未来を見据えていたのである。

外に出られないからこそ、とことん自分と向き合い新たな自分を発見する。11月21日に目撃した『2021 JO1 LIVE “OPEN THE DOOR”』は、そんな彼らのひとつの集大成だったように思う。

本公演のテーマは“未知の世界の扉を開き、新しい冒険へ出発する”。この文言だけを目にすると、いろいろな地への冒険をつづけるJO1を彷彿とさせるが、4THシングル『STRANGER』のコンセプト“見慣れない世界との出会い、また新たな自分の姿を発見する”とつながっているように感じた。それを物語るかのように、全編のラストには『STRANGER』のリードトラックである「REAL」が選曲された。いうならば『2021 JO1 LIVE “OPEN THE DOOR”』は、JO1の現在地を確認すると共に新たな彼らを見せるコンサートなのである。

ステージは「Here」「Somewhere」「Our Space」「Home」「Here, again」という5つのパートで展開された。内省から始まり、自分を取り巻く環境へ目を向け、再び自我を確認するという構成だ。また、1STシングル『PROTOSTAR』からの選曲は、全18曲の中で「ツカメ〜IT’S COMING〜」のみ。慣れ親しんだ曲に落ち着くのではなく、豊潤になった楽曲群を活かして攻めの姿勢を示して見せた。

未知なる領域へ進むJO1

『2021 JO1 LIVE “OPEN THE DOOR”』
『2021 JO1 LIVE “OPEN THE DOOR”』より (c)LAPONE ENTERTAINMENT

ステージ正面のスクリーンに映し出されているのは「WHERE ARE WE FROM?」の文字。JO1からの問いかけがスクリーンから消えると、オープニング映像に引き連れられ伸びやかな河野純喜の歌声が響き渡った。パワフルな「Born To Be Wild」でライブを封切り、堂々としたパフォーマンスで魅せていく。

知名度や人気は日本トップクラスのグループであるものの、JO1は活動2年目のアーティストであり、『OPEN THE DOOR』も彼らにとって初となる有観客ライブ。幕張メッセを埋め尽くすオーディエンスに委縮してもおかしくないものだが、そんな様子は微塵も見せない。それどころか「この日のためにパフォーマンスを磨いていた」と言わんばかりに、シンクロダンスやボーカルワーク、表情管理で惹きつけ、一瞬にして場の空気を掌握してしまったのである。流れるようにつながれた「OH-EH-OH」でも、その勢いが淀むことはなかった。

『2021 JO1 LIVE “OPEN THE DOOR”』
『2021 JO1 LIVE “OPEN THE DOOR”』より (c)LAPONE ENTERTAINMENT

自己紹介を経て、大平祥生がJO1クラップで会場をさらに盛り上げると、その頂点を目がけて「GO」を投下。ゆっくりなムーブというのは、細かい拍を自分で感じなければならずそろえるのが難しいはずなのだが、彼らにかかればお手の物。「Safety Zone」では指先まで意識を巡らせ、エレガントを香らせる。安全地帯を抜け、JO1は未知なる空間へと進んで行った。

JO1が吐露する心中、JAMが贈る温かい拍手


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坂井彩花

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