『真犯人フラグ』6話を考察、7話を予想。瑞穂の善意の正体、予告編の猫おばさん「魔王の娘」の意味


光莉の監禁場所は特定できる?

一方、光莉の監禁映像は、どうか。
監禁場所として、一番疑わしいのは、凌介が書斎として使っているレンタルルーム「ハコハコカーニバル」の一室だ。そもそも、レンタルルームの存在は警察も知っているだろうに、なぜ調べないのか。凌介がレンタルルームの鍵を失くしたという場面があったが、なぜ放っておくのか。不審すぎる。
だが、公式サイトの第7話のストーリーには、監禁場所としてある廃墟が特定されると書いてある。レンタルルームが開かれるのは、第10話まで取っておかれるのだろうか?

瑞穂の行動は善意か?

予告編によると第7話では、凌介と瑞穂の不倫疑惑が巻き起こるようだ。給湯室での写真が流出していて、社内の誰かが情報を漏らしているようである。これは、前回の考察でも指摘したようにおそらく凌介と瑞穂の仲を嫉妬した太田黒芳春(正名僕蔵)の仕業だろう。

だが気になるのは、瑞穂の表情である。「勝負してくるわ」とマスコミと正面対決をした瑞穂をかばって、凌介が「この人は何の見返りもなく善意で行動する人です」と叫ぶ。このときの瑞穂のなんとも言えない表情は、彼女の行動がただの善意ではなく何か裏があることを示しているのではないだろうか。

真犯人フラグ相関図2
主要登場人物相関図。イラスト/たけだあや

魔王の娘とは?

予告編、猫おばさん(平田敦子)の「魔王の娘よ」という台詞も気になる。猫おばさんは3話で、シューベルトの「魔王」を口ずさんでいた。だから「魔王の娘よ」は、シューベルトの「魔王」に関連しているのだろう。
シューベルトの「魔王」には次のような歌詞がある。

「お父さん、お父さん!
あれが見えていないの?
暗がりにいる魔王の娘たちが!
息子よ、息子よ、はっきりと見えるよ
あれは灰色の古い柳だよ」

「魔王の娘」というのは、息子には見えているけれど、お父さん、つまり凌介には見えていないものだ。
第3話で出てきた光莉の愛読書『ピエールとライオン』を思い出す。モーリス・センダックの『ピエールとライオン』は、少年ピエールが家族が何を言っても「ぼく、しらない!」と言うばかり。お母さんもお父さんも出ていってしまいライオンに食べられちゃうのだ。
「魔王の娘」と『ピエールとライオン』が暗示するのは、どちらも家族には自明なことを凌介が気づかないという事態ではないか。それが家族失踪の鍵になるのだとしたら、誰かに監禁されているというストレートな事件ではないのかもしれない。

『ピエールとラ『ピエールとライオン-ためになるおはなし』
『ピエールとライオン-ためになるおはなし』モーリス・センダック 著/神宮輝夫 訳/冨山房

全20話だとしたら、第10話が折り返し地点だ。第7話、そろそろ大きく事態が動くのではないか。

https://youtu.be/gPk7RWq52Q0
【西島秀俊 芳根京子 宮沢りえ】日曜ドラマ「真犯人フラグ」第7話予告60秒【日テレドラマ公式】

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