息つくヒマもない『ヴィンチェンツォ』18話。男性が親しい年上の男性のことを“兄貴(ヒョン)”と呼ぶ文化が韓国らしい

2021.8.14
Netflixオリジナルシリーズ『ヴィンチェンツォ』独占配信中

文=大山くまお 編集=アライユキコ 


『愛の不時着』と同じ「スタジオドラゴン」制作の大人気ドラマ『ヴィンチェンツォ』を韓ドラ大好きライター・大山くまおが解説、鑑賞をガイドする土曜日。今週は18話、ここからラストまで3話、一瞬も気の抜けない展開が待っています(18話までのネタバレを含みます)。

【関連】『ヴィンチェンツォ』1話から徹底解説スタート『愛の不時着』以来の「沼」に首まで浸かれ、エ・ミーオ!

止まらないハンソ愛

韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』全話振り返りレビューもラストスパートの第18話! ヴィンチェンツォ・カサノ(ソン・ジュンギ)のサディスティックな一面が剥き出しになりつつ、なぜか敵対していたはずの男たちから「兄貴(ヒョン)」呼びをねだられたり、欲にかられた権力者がクムガ・プラザを襲うラストまで、今回も息つくヒマもない傑作回だった。

インターポールの捜査官と韓国の刑事たちに取り囲まれ、大ピンチになるヴィンチェンツォだったが、隙を突いて拳銃を奪って形勢を逆転させる。ここまでは事実。その後、ヴィンチェンツォがインターポールの捜査官を射殺して韓国人の警察官を脅し、チャン・ハンソ(クァク・ドンヨン)の腕を撃ち抜いた場面は、ハンソがついた嘘を映像化したもの。

カラクリはこうだ。ヴィンチェンツォにインターポールの情報を流していたのはハンソだった。バベルグループの副会長のはずだが、もはや完全にヴィンチェンツォの味方である。ヴィンチェンツォの出血は、第4話でも披露していた事務長(ユン・ビョンヒ)お得意の弾着トリック。

ヴィンチェンツォの分まで大荷物を持って歩くハンソはまるで舎弟のよう。ヴィンチェンツォに自分の腕を撃つように頼み込み、せっせと自分で銃を準備するのがおかしい。「3で撃つ」と言いつつ「1、2」で撃つのはヴィンチェンツォの得意技

では、なぜハンソは兄のチャン・ハンソク(オク・テギョン)を裏切ってヴィンチェンツォの味方をするのか? この回だけでヴィンチェンツォに2回も尋ねられていたが、ハンソはこう答えていた。

「あなたは兄貴みたい。怒られてもうれしいし、ホッケーするのも楽しい。酒を酌み交わすのも気楽だ」

ハンソは傲慢なサイコパスの義兄ハンソクよりもヴィンチェンツォにブラザーフッドを感じていたようだ。ヴィンチェンツォのことを「ビン兄貴(ビンヒョン)」と呼んで、実にうれしそうな顔をするハンソ。あの鈍臭くて兄に怯えてばかりいたハンソがヴィンチェンツォに認められるなんて! 視聴者の“ハンソ愛”がこのあたりでピークに達したような気がする。このドラマの一番の儲け役はズバリ、彼だろう。

演じるクァク・ドンヨンは現在24歳ながら、数々のドラマで助演を務めている若手の演技派俳優。Netflixでも配信されている『サイコだけど大丈夫』でも2話のみの特別出演ながら印象的な役柄を演じていた。最終回放映後は「『ヴィンチェンツォ』での思い出をこれからもずっとずっと大切にしながら、がんばって演技していきたい」と泣けるコメントを発表している。

ハンソ役のクァク・ドンヨンのインスタグラムより

「年齢とは、地位じゃなく責任の重さを表すものだ」

この記事の画像(全51枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

関連記事

Netflixオリジナルシリーズ『ヴィンチェンツォ』独占配信中

『ヴィンチェンツォ』名シーンだらけの17話、こんなの泣くに決まってる!ソン・ジュンギの泣きの演技の見事さ

Netflixオリジナルシリーズ『ヴィンチェンツォ』独占配信中

『ヴィンチェンツォ』16話。声を殺して泣くヴィンチェンツォにとんでもない悲劇が!

Netflixオリジナルシリーズ『ヴィンチェンツォ』独占配信中

『ヴィンチェンツォ』15話「すべてを手に入れたとき、殺してやる」言葉のナイフで滅多刺し

エバース

「ウケるからやるは『M-1』では失敗する」。3位だったエバースは2026年、自分の感覚を信じる【よしもと漫才劇場10周年企画】

豪快キャプテン×ダイタク

ダイタク×豪快キャプテン、認め合うお互いの漫才の魅力「簡単そうに笑いを取る」【よしもと漫才劇場10周年企画】

三遊間×ゼロカラン

三遊間×ゼロカラン、人気投票との向き合い方の正解は?「やっぱり有名にならなあかんな」【よしもと漫才劇場10周年企画】

Furui Rihoが『Letters』で綴った“最後の希望”「どんなにつらい日々であっても、愛は忘れたくない」

Furui Rihoが『Letters』で綴った“最後の希望”「どんなにつらい日々であっても、愛は忘れたくない」

EXILE NAOTOが語る、「勝負する身体」がステージと水面で魅せる“攻めの0.1秒”。大きな影響を与えるオーディエンスのパワーとは【『SG第40回グランプリ』特別企画】

4年目の今、重荷だった「王子様」を堂々と名乗れる。Last Princeが語る、プリンスを背負う勇気と楽しさ

甲斐田晴/ローレン・イロアス/3SKMの撮り下ろし表紙を公開! VTuberのトップランナーたちを徹底解剖【春のQJ×にじさんじ祭り!】

ニューヨーク『Quick Japan』vol.181

ニューヨーク、60ページ総力特集「普通は勝てない?」を考える。バックカバーにはSHUNTO×MANATO×RYUHEI(BE:FIRST)が登場【Quick Japan vol.182コンテンツ紹介】