「僕たちはカサノ・ファミリーです」
クムガ・プラザの人たちが、自分たちの店を一斉に休んでヴィンチェンツォを待ち受ける。黙ってハグするヨンホ食堂のクァク・ヒス(イ・ハンナ)。ハグを素直に受け入れるヴィンチェンツォ。彼女は言う。
「私たちは、弱者だと思ってたけど、違ったの。闘う気がなかっただけよ。今後は強気でいくわ。一緒に闘わせて」
“弱者の反撃”と“民衆の強さ”はこのドラマの大きなテーマのひとつ。アンくんは「弁護士さん、僕たちはカサノ・ファミリーです」と高らかに宣言する。偽パク・セロイのチョン・スナム(イ・ダル)がアンくんの肩に手を置くところがいい。
ヴィンチェンツォは事務長(ユン・ビョンヒ)にカードを託して黒スーツを買いそろえさせる。『愛の不時着』で決戦に赴く第5中隊の面々がスーツでビシッと決めたシーンを思い出したよ。グータッチするホンシク社長(チェ・ドムクン)と“クムガ洞のヌートリア”ことパク・ソクド(キム・ヨンウン)もたまらなくカッコいい。彼らはバベル・タワーのパーティー乗っ取りでも活躍する。まさにカサノ・ファミリーであり、ヴィンチェンツォの兵隊だ。
彼らがクムガ・プラザの前を全員一列になって歩くシーンは、全20話の中でも屈指の名シーン。物語上は必要じゃないかもしれないが、こういうケレン味たっぷりのショットを撮ることができるのが今の韓国ドラマの強みだろう。
敗北は恐怖と共に始まる
「お前とチェスをする。お前の駒をひとつずつ消し、最後はお前ひとりが残る。怖くて恥ずかしいだろ」
ヴィンチェンツォはハンソクに電話をかけ、チェスのように王様を丸腰にしてやると宣言。イタリア語で「敗北は恐怖と共に始まる」と囁く。
手始めは、バベル・タワーの分譲権を地元の有力者に配るパーティーだ。欲に目がくらんだ区長をはじめとする権力者たちの恥知らずぶりは醜くて仕方がないが、きっと現実もこれに近いのだろう。「人間は欲に弱い。欲に勝つのはさらに大きな欲だけだ」というヴィンチェンツォの言葉どおりだ。
ヴィンチェンツォは彼らを会場に閉じ込め、“猟犬”のイ・ファンギュ(イ・ドグク)を突入させる。彼の腰と大きなケーキの中には爆弾が仕掛けてあった。誓約書を破棄し、ハンソクと縁を切ることを誓えば、爆弾の時限装置が止まるのだという。実はヴィンチェンツォの仕掛けで、“猟犬”たちはこのミッションが終われば大金を得て国外に逃亡する手はずだったが……。ヴィンチェンツォはリモートでファンギュの腰の爆弾を爆破! 壁に吹っ飛んで絶命する。
もともと猟犬はホン・ユチャン(ユ・ジェミョン)を殺すために暗躍したチェ・ミョンヒの手駒だった。結局、パニックになった区長たちから絶縁の証言を引き出し、バベル・タワーの許認可を無効にすることにも成功する。なお、もうひとりの“猟犬”ピョ・ヒョクピル(キム・テフン)はミョンヒの部下たちに惨殺された。彼らは報いを受けたわけだが、ならばミョンヒはどのような報いを受けるのだろうか?
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