『ヴィンチェンツォ』14話。それはそれは美しいキスシーンの神回

2021.7.17

ペーパー・カンパニーの謎を追え

ヴィンチェンツォの狙いは、ハンソクを労組潰しで立件することではなく、バベルグループの資金洗浄や脱税を行っているペーパー・カンパニー「ジェイソン・ファンド」の悪事を突き止めることだった。資金洗浄や脱税が明らかになれば、会長のハンソクは逮捕され、莫大な追徴金が課せられれば、巨大なバベルグループにも大きなダメージが与えられる。

しかし、書類だけで実態のないペーパー・カンパニーの正体を突き止めるのは容易ではない。そこで事務長(ユン・ビョンヒ)が目をつけたのが、もともとバベルグループの企業舎弟だったものの、現在はクムガ・プラザで細々と高飛び専門旅行代理店「バイバイ・バルーン」を経営するパク・ソクド(キム・ヨンウン)だった。「資金洗浄と脱税は俺の専門だ」とうそぶくパク・ソクド。冷凍倉庫に入れられて殺されかけた彼にとってもバベルグループは敵なのだ。

ヴィンチェンツォたちの前でペーパー・カンパニーの仕組みについて講義したパク・ソクドは、一緒に仕事をしていたバベル建設のナ・チーム長(ナ・チョル)が連絡役だったことを思い出す。かつては高圧的な態度でヴィンチェンツォたちと相対していたナ・チーム長だったが、ヴィンチェンツォにきっちりお灸を据えられて職を失い、今はトロット歌手になる夢を追っている最中だった。

韓国のクラブで歌うナ・チーム長。マイクには「歌うナ・チーム長」と書いてある

トロットとは韓国の大衆歌謡で、日本の演歌をアップテンポにしたような感じの音楽。どんな音楽か知りたければ、パク・ヒョンビンの「シャバン シャバン」(2011年)を検索してみよう。

ナ・チーム長によると、ペーパー・カンパニーはラグサン・ギャラリーという大規模なギャラリーに偽装して、絵画を使って資金洗浄を行っていた。ここのチョン・ドヒ館長(イ・ヘジョン)が悪事を一手に引き受けているというのだ。

赤い髪がインパクトのある女性館長を演じるのは、モデルのイ・ヘジョン。夫で俳優のイ・ヒジュンも、第1話でヴィンチェンツォを騙すタクシー運転手の相棒役でカメオ出演している。イ・ヘジョンは「夫婦でひとつの作品に出演すること自体が大変光栄」と大いに喜んでいた。

ソン・ジュンギ、チョン・ヨビンと素敵な3ショットを披露するイ・ヘジョン

彼女の意外過ぎる正体!

気になる動きを見せる人々もいる。チョン検事は政治家や有力者の悪事を記した「ギロチン・ファイル」を手に入れるため、ヴィンチェンツォのビジネスパートナーであり、実は対外安保情報員の諜報員だったチョ社長(チェ・ヨンジュン)とつながっていた。ふたりの今後の動きが気になる。

もうひとり、バベルグループのハンソがヴィンチェンツォに接近してきた。兄のハンソクを射殺しようとして失敗したハンソだが、ハンソクの失態を見るたびに笑みを噛み殺せなくなってきていた。ハンソは兄を潰すために協力を持ちかけるが、ヴィンチェンツォは「俺は家族の裏切りを利用しない」とすげなく断る。

「よその家族の裏切りを利用すれば、自分の家族に裏切られる。覚えとけ」

カッコいい! しかし、深い。ヴィンチェンツォは実の家族(母親)にも義理の家族(イタリアのマフィア)にも裏切られていた。“家族”はヴィンチェンツォの行動を考えるときのキーワードになりそうだ。ヴィンチェンツォに悪態をつくハン代表。しかし、見送るハンソの顔はちょっとウットリしているような……。

さらに、もうひとり。金塊探しをつづけるクムガ・プラザの人々と少し距離を置いていた、ピアノ教室のソ・ミリ院長(キム・ユネ)がヴィンチェンツォにググッと迫ってくる。なんと、彼女の正体は、金塊を隠した秘密の部屋のセキュリティーシステムを作り上げた凄腕ハッカー&システム・プログラマーだった! 金塊を隠した作業員たちは皆殺しにされたが、彼女だけは遠隔で仕事をしていたので逃げることができたのだ。虹彩認識も1分あれば開けられると豪語するソ院長に、ヴィンチェンツォも思わず十字を切る。「必殺仕事人が多過ぎる」と呆れるチャヨンの気持ちもよくわかるよ。

ソ・ミリ役のキム・ユネのオフショット。かつてはウリ名義でモデルとして活動していた

美し過ぎるキスシーン

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