MAZZELという名の“宴”。初見ライターが見た、8人8色の個性が紡ぐ多幸感

2026.6.16
『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』国立代々木競技場 第一体育館で開催された最終公演より

文=日比楽那 編集=森田真規


SKY-HIが主宰するマネジメント/レーベル「BMSG」に所属する8人組ダンス&ボーカルグループ・MAZZEL(マーゼル)。そんな彼らが2ndアルバム『Banquet』を引っ提げて全国4都市11公演を巡ったグループ初の全国アリーナツアー『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』の追加公演が、6月6日、7日に国立代々木競技場 第一体育館で開催された。

『Banquet』リリースを記念して、発売中の『Quick Japan』vol.183ではMAZZEL特集「開宴宣言」を実施。同特集は、メンバーがふたりずつのユニット(NAOYA×HAYATO/SEITO×TAKUTO/RYUKI×EIKI/KAIRYU×RAN)に分かれ、MAZZEL入門にもなるように4つのテーマ「華/ライブ/言葉/成長」について話し合ったセルフ“MAZZEL”論にもなっている。

そんな特集も踏まえて、本稿ではMAZZELのライブ初見となるライターがビギナー視点から彼らの魅力を綴った、『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』の6月7日に行われた最終公演のレポートをお届けする。

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華やかな開宴宣言

開演前、アナウンスが流れたあと、大型モニターには「BANQUET BANG」のMVの世界観を引き継いだオープニング映像が映し出された。『Shall we hit the Banquet?』というツアータイトルどおり、宴に誘うような雰囲気が期待を高める。

メインステージに照明が当たり、ついにメンバーが現れると、MUZE(ミューズ/MAZZELのファンネーム)の割れんばかりの歓声が! 今回、メインステージ以外にはバックステージも花道もなく、すべてが客席というレイアウト。超満員の会場が一気に高揚した。

ステージセットもムービー同様、華やかな宴の世界観。円卓を囲んだメンバーが思い思いに楽しみながら披露された1曲目は「BANQUET BANG」。華やかな開宴宣言に心を鷲づかみにされたと思えば、息つく暇もなく、たたみかけるように「MAZQUERADE」、そして「MAKERZ」と続く。

まず、とにかくダンスが圧巻だった。「ダンスはシンクロ率を高めるよりもメンバーの個性を活かすことを大事にしている」とMAZZELのメンバーが常々話しているとおり、それぞれの個性があふれているから、見せ方によるニュアンスの違いも、ダンスブレイクも、より楽しい。ダンスを観て、鳥肌が立つ感覚は新鮮だった。

『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』国立代々木競技場 第一体育館で開催された最終公演より
『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』国立代々木競技場 第一体育館で開催された最終公演より

8人8色の個性が輝く

「MAZZELメンバーはマンガなら全員掲載誌がバラバラ」とプロデューサーのSKY-HIがかねてから口にしていたように、『Quick Japan』vol.183掲載の特集「MAZZEL開宴宣言」で各メンバーがそれぞれの個性に言及しているように、冒頭の数曲を観ただけでもメンバーごとのカラーが手に取るようにわかる。

『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』国立代々木競技場 第一体育館で開催された最終公演より
『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』国立代々木競技場 第一体育館で開催された最終公演より

圧倒的な歌唱力で、高音パートやフェイクも期待を大きく超えていくKAIRYU。深みのあるその歌声には、彼にしか出せない味がある。

とことんキュートで、ハッピーオーラを振りまく「姫」でありながら、パフォーマンス中はかわいいだけじゃない、くるくる変わる表情と、バランスのよさで惹きつけるNAOYA。

ダンススキルもさることながら、ボーカリストとしても魅せるRAN。クールに見えて、内に秘めた熱量が伝わってくるのも印象的だった。

全国大会での優勝歴もあるというブレイキンはもちろんのこと、踊りながら力強いラップを繰り出すなど、フィジカルの強さと高度なテクニックがうかがえるSEITO。威勢のいいキャラクターもグループを支えているのがわかる。

その大胆さで空気をガラッとつかむRYUKI。ニカッと笑う姿を見ると、メンバーのEIKIが「RYUKIって、『週刊少年ジャンプ』の主人公みたい」と話すのも大きくうなずける。それから彼はカメラ目線の天才! ライブ中、モニターに映るカメラを瞬時に捉え、目線をくれるのがとびきりうまかった。

最年長でリーダーのTAKUTOは、センターに来たときに全体がグッと締まる感じがする。2024年リリースの「LIGHTNING」からコレオグラフにも深く関わってるというから、パフォーマー視点のみならず、クリエイターとしての視点もあるのが伝わってくる。

グループ最年少で、キラキラした歌声と振る舞いが、いい意味で一番アイドルっぽいHAYATO。特に前半のブルーの衣装と金髪がすごくマッチしていて、どこにいても目を引いた。

EIKIは、この世の誰よりも黒髪が似合うんじゃないかと思わせる、隙のないルックス。パフォーマンスでもMCでも、優しさの裏にある強さまで感じられる、稀有な才能だ。

この8人が並ぶと、一人ひとりが輝きつつ、MAZZELというパーティーを楽しんでいる姿、その多幸感に包まれた。

『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』国立代々木競技場 第一体育館で開催された最終公演より
『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』国立代々木競技場 第一体育館で開催された最終公演より

ガチャピン&ムック、新曲初披露、ファンミ開催──3つのサプライズ

『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』ファイナル公演だったこの日は、いくつかのサプライズがあった。

1つ目は、「Get Up And Dance」でのガチャピン&ムックとのコラボレーション。

歌とラップとキャッチーな振り付けにMAZZELとガチャピン&ムックのわちゃわちゃした空気感が相まって、大きな盛り上がりを見せた。「Get Up And Dance」の元ネタは、FREEDOMが1978年にリリースした同タイトル曲。

日本ではスチャダラパーの「GET UP AND DANCE」やテレビ番組『ポンキッキーズ』(フジテレビ)のテーマ曲としても親しまれたこの楽曲をサンプリングし、MAZZELスタイルで昇華した一曲だ。ガチャピン&ムックもキレキレのダンスを見せ、MAZZELがより広く長く愛される未来を予感させるようなひと幕だった。

2つ目は、6月22日にデジタルリリースされる新曲「So Strawberry」の初披露。

「So Strawberry」はラテンのニュアンスをまとったビートに乗せてスリリングな恋を歌った、夏にピッタリなナンバー。NAOYAが「社長(SKY-HI)から『好きな食べ物、何?』と聞かれて『イチゴとマッチョ!』と答えた」という裏話(?)をするとメンバーがツッコみ、MUZEの笑いを誘った。

「So Strawberry」の世界観を体現したMAZZELの最新アーティスト写真
「So Strawberry」の世界観を体現したMAZZELの最新アーティスト写真

3つ目は、今年10月から12月にかけて全国20カ所22公演を行うファンミーティングツアー『MAZZEL 2nd Fan Meeting -Play at the MUZEUM Vol.2-』が開催されるという発表だ。

『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』国立代々木競技場 第一体育館で開催された最終公演より
『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』国立代々木競技場 第一体育館で開催された最終公演より

MAZZEL、次なるステージへ

SEITOが「2026年の年末は大事にしたいですね。憧れているいろいろなメディアやステージがありますけど、そこに届くチャンスを逃さないようにしたいです」と話し、KAIRYUが「アリーナツアーをしっかり埋めて、そのあとのドームを見据える年にしたいです」と、『Quick Japan』の特集で話していたことを思い出す。2026年の下半期も、MAZZELの躍進は止まらないことだろう。

さらに、MAZZELファンの入口にもなっている大人気動画コンテンツ「MAZZEL ROOM(通称:まぜべや)」風の映像が流れた転換や、ドラム、ギター、キーボードからなるバンド「MAD MAGAZINE」が登場し、人気曲の「J.O.K.E.R.」や「Only You」などをバンドアレンジで披露した後半も大いに盛り上がり、あっという間の2時間半だった。

MAZZELビギナーの筆者も、存分に楽しんだこの公演。オープニングから心をつかまれ、8人の個性を目の当たりにし、いくつものサプライズに今後の期待も高まる。最後のMCで、一人ひとりがMUZEへの感謝やこれまでの歩み、これからの目標を語った様子も感動的だった。

『Quick Japan』vol.183 SPECIAL EDITION MAZZEL特別カバー版

『Quick Japan』vol.183 SPECIAL EDITION MAZZEL特別カバー版 表紙
『Quick Japan』vol.183 SPECIAL EDITION MAZZEL特別カバー版 表紙/撮影=興梠真穂

MAZZELが表紙&バックカバーを飾った『Quick Japan』vol.183 SPECIAL EDITIONがQJストア限定で発売中。

『Quick Japan』vol.183掲載のMAZZEL特集「開宴宣言」では、NAOYA×HAYATO/SEITO×TAKUTO/RYUKI×EIKI/KAIRYU×RANのユニットでインタビューを実施。「華/ライブ/言葉/成長」のキーワードをもとにメンバー自身の言葉によってグループを見つめ直すセルフ“MAZZEL”論を展開する。

アリーナツアー『MAZZEL 1st Arena Tour 2026 “Shall we hit the Banquet?”』を完走し、さらなる快進撃が期待されるMAZZELの魅力に迫る。

『Quick Japan』vol.183 SPECIAL EDITION MAZZEL特別カバー版 バックカバー
『Quick Japan』vol.183 SPECIAL EDITION MAZZEL特別カバー版 バックカバー/撮影=興梠真穂

発売日:2026年4月14日(火)
サイズ:A5/並製/144ページ
価格:1,650円(税込)
※『Quick Japan』vol.183の通常版表紙&巻頭特集は甲斐田晴 ver./ローレン・イロアス ver./3SKM ver.の3種類あり、各バージョン別で約40ページの巻頭特集を収録(表紙と巻頭特集以外のページは、3パターンすべて同内容となります)
https://qjweb.jp/news/154697/
※「SPECIAL EDITION MAZZEL特別カバー版」の本体は「甲斐田晴 ver.」となります

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日比楽那

(ひび・らな)2000年生まれ。ライター、編集者。映画や音楽などアート・エンタテインメント、ユースカルチャー、ジェンダー、ウェルビーイングなどを中心に、広く企画、インタビュー、ライティング等に携わる。