路線図エバンジェリスト・井上マサキの近況をご報告。高校受験を控えた娘さんがもらってくる入学案内パンフレットに掲載されている路線図をチェックするのをやめられないそうです。そこで今回は「登校に特化した路線図」のめくるめく世界にご案内。また、7月10日、QJWeb主催の「路線図偏愛トークイベント」に出演。『タモリ倶楽部』などでおなじみのダーリンハニー吉川らとマニアックな路線図話で盛り上がること間違いなしです。チェックお忘れなく、では、出発進行!
入学案内パンフレットの路線図が気になる
今年度から受験生の親をやっております。
あんなに小さかった娘もすくすく育ち、今や中学3年生。夏が迫り、志望校だ夏期講習だ学校説明会だと、もろもろ騒がしくなってきた。本人が一番大変だけれども、親としてそれなりに気を揉んでいる今日このごろ。
で、これは育児日記ではなくて路線図コラムである。最近娘が高校の入学案内パンフレットをもらって帰ってくるのだけど、その裏に路線図が載っていて、どうしてもそっちを見ちゃう。
たとえばこういうの。

横浜近辺のJRや私鉄が記載され、通学に使う路線を示している。主要駅に吹き出しで示されている数字は、登校時の所要時間。「この駅からでもこれくらいの時間で通えますよ!」というアピールでもある。
さらによく観察すると、JRや京急などは直線で簡略化されているが、中央上部の横浜市営地下鉄だけやたら細かい。グリーンラインなんて日吉から中山まで直線で描いてもいいくらいなのに、実際の経路に合わせて曲がりくねっている。これは細かい仕事ですねぇ……。
……と、ひとしきり見てパンフレットを戻すと「ちゃんと中を見てよ!」と怒られるのだった。
施設に来てもらうために作る「インディーズ路線図」
高校の入学案内パンフレットに載っているのは、その高校へのアクセスを示すものである。厳密な意味で「これは鉄道路線図」ではない、という人もいるだろう。
でも、鉄道会社が作る路線図が「メジャー」なら、その以外の路線図は「インディーズ」だ。インディーズだって、路線図として楽しんだっていいじゃないか。路線図だもの。

特定の施設へのアクセスを示すインディーズ路線図は、「来てもらうこと」を目的に作られている。高校ならば「最寄りの駅」「アクセスのよさ」「遠くからでも通える」ことも伝えたい。
高校ごとに言いたいことが異なれば、路線図の表現も変わってくる。メジャーの鉄道路線図に比べ、より多彩な表現が許されるのがインディーズ路線図の醍醐味である。

東京都千代田区に位置する白百合学園は、飯田橋駅と九段下駅が最寄り。路線図では多くの路線が乗り入れる飯田橋駅をフィーチャーし、まるで初代仮面ライダーのベルトのように路線が渦を巻く。
飯田橋はもっと左上のほうでは、というツッコミはここでは聞こえない。これはこれでいいものだなぁ、というスタンスでつづけます。

パステルカラーと柔らかな曲線から構成された、聖徳大学附属女子中学校・高等学校のアクセス路線図。中央をぐるりと回る大きな曲線はご存知JR山手線……ではなく、よく見るとJR武蔵野線だったりする。
山手線は左へ縦長に配置。多数の路線と広範囲の駅を網羅して、遠方でも通えることを伝えている。メインの通学路線となるJR常磐線、JR総武線、北総線の3本だけ、線の幅が太いことにもお気づきだろうか。
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