遅く起きた日曜日に、憧れの“寿司折”を求めて近所をウロウロする

2021.4.4

私が追い求めていたすべてがここにあった

もう少し歩くと「穴場」という寿司店があった。しかしここも17時からの営業。

大阪市内に数店舗ある寿司居酒屋「穴場」

さらにもう少し行くと「梅すし」という店が見えてくる。近所を少し歩いただけでこんなにたくさんの寿司屋さんが見つかるとは意外だ。普段の自分がいかに“寿司アンテナ”を立てずにぼーっと歩いていたかを思い知る。

しかしここもまた17時に開店するとのことだ

というか、ひょっとして寿司屋さんってたいてい夕方からオープンするのだろうか? お昼からやっているのはチェーン店だけなのか……。いやそんなことはないはず。空腹感がつのって辛くなってきたが、もう少し歩いてみる。

道沿いの掲示板の下にいかにもレトロな雰囲気の理髪店の広告があって、「あー、昔こんなお店があって、広告だけがこのまま残されているんだろうな」と思った。

なんとも時代を感じる広告

しかし、しばらく歩いていたらその「男爵」の実物が目の前に現れて驚いた。勝手に「昔あった店」なんて思っていたが、現役である。

「男爵」はバリバリ営業中でした。失礼しました

あと、「すし」という文字が目に入って「あ、あったぞ!」と思って近づいてみると、「はん」だったりもした。

ひさしの脇に「すし」という文字が見えた気がしたのだが
ハンコ屋さんの「はん」でした

お腹が空いて私の“寿司アンテナ”は過剰に敏感になってきているらしい。「もういいわ。スーパーに入って惣菜コーナーで買ってしまおう」と思いもした。しかし、今度こそいい店が見つかった。

「三陸寿し」だ。のれんも出ている!

そういえばこの店の前を何度も通ったことがあった。いつも少しだけ気になっていたのだ。ドアに持ち帰りのメニューが貼られていて、「大将おまかせ折」というものもある。

私が追い求めていたすべてがここにある

「日替わりのおすすめネタをお得に!」とあって、税込1,000円とのこと。大将! おまかせします! よろしくお願いいたします!

「ここまで頑張って歩いて来てよかったよ……」、と引き戸をガラガラと開けて中に入ると「あ、すいませーん! 今日は終わっちゃった!」と大将。ドーン! 「あ、そうですか! すみません!」と言って外に出てみると、お昼の営業は14時半までと書いてある。腕時計を見てみるとすでにその時間を過ぎているのだった。

もうだめだ。遅く起きてしまった自分が悪い。あるいはいっそのこともうひと眠りして、夕方以降に出直そうか……と、トボトボと家に向かう。

「もう、オリジン弁当でいいじゃん」とも思った

寿司、桜、川の流れ、ほら貝の音色……まるで夢の世界のようだ

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