おぎやはぎ『JUNK』と岡村隆史『オールナイトニッポン』がつながった日(宮嵜守史)

文=宮嵜守史


「ナイナイ岡村隆史、“タイプど真ん中”美女が自宅お泊まり」

そんなゴシップ記事が出た日、TBSラジオの深夜枠は『木曜JUNK おぎやはぎのメガネびいき』の放送日。そして同時間帯の『オールナイトニッポン』を担当するのは、まさにゴシップの当事者である岡村隆史だった。

『JUNK』総合プロデューサーを務める宮嵜守史が、その日に起きた奇跡を振り返る。

※この記事は2018年12月21日に発売された『クイック・ジャパン』vol.141掲載の記事を転載したものです。

「今、岡村さんに、聞けないの?」

9月27日。木曜深夜。いつものようにおぎやはぎとTBSラジオの控室で雑談を済ませスタジオに向かう。打ち合わせはしない。

午前1時。生放送がはじまり、大好きなゴシップ記事を憶測のみでいじりだす。その中に「ナイナイ岡村隆史、“タイプど真ん中”美女が自宅お泊まり」という記事があった。小木さんが言った。「今、岡村さんに(記事の真相を)聞けないの?」聞けるわけがない。深夜ラジオリスナーはご存知、木曜深夜はナインティナインさん(今は岡村さん)が長らく他局でパーソナリティを務めている。ニッポン放送の『オールナイトニッポン』だ。ライバルというとおこがましいが、私はその真裏の番組『JUNK』を十数年担当している。小木さんとしては、岡村さんだって生放送中なのだから電話できるのでは、という了見だろうが、そうはいかない。いわゆる商売敵だし。

とはいいつつ、もし自分がリスナーだとしたら、両番組がなんらかの形でつながったら面白いだろうな……と。自然と小木さんの耳に「リスナーに……」と吹き込んでいた。ディレクターの手元にはボタンがいくつかあって、出演者のイヤホンに個別で指示を伝えられる。小木さんが言う。「そうだね。リスナーにメールしてもらおうよ、“あっち”に」。これで十分。あとは流れに任せよう。

しばらくして“あっち”のプロデューサーから携帯に連絡が来た。「どうしましょう?」リスナーがメールをしてくれたようだ。私は「こっちは大丈夫。そっちがいけるならつなぎましょうよ」とイキって答えた。大丈夫じゃない。本当は各所へ連絡しなきゃいけない。制作部、編成部、営業部、ネットワーク部……。もしなにか言われた謝り倒そう。大丈夫、きっとこの会社は理解がある(はず)。自分に言い聞かせて“あっち”の返事を待った。

電話の向こうに、いきなりの“裏のライオン”岡村隆史

関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

関連記事

『岡村隆史のオールナイトニッポン』に期待する深夜ラジオの新しいかたち

qjweb_tvsukima0504

岡村隆史の失言問題にどこまでも優しく寄り添う爆笑・太田(てれびのスキマ)

志村けんと岡村隆史——「アイーン」をめぐるふたりの絆(ラリー遠田)

ケビンス×そいつどいつ

ケビンス×そいつどいつが考える「チョキピース」の最適ツッコミ? 東京はお笑いの全部の要素が混ざる

「VTuberのママになりたい」現代美術家兼イラストレーターとして廣瀬祥子が目指すアートの外に開かれた表現

「VTuberのママになりたい」現代美術家兼イラストレーターの廣瀬祥子が目指すアートの外に開かれた表現

パンプキンポテトフライが初の冠ロケ番組で警察からの逃避行!?谷「AVみたいな設定やん」【『容疑者☆パンプキンポテトフライ』収録密着レポート】

フースーヤ×天才ピアニスト【よしもと漫才劇場10周年企画】

フースーヤ×天才ピアニスト、それぞれのライブの作り方「もうお笑いはええ」「権力誇示」【よしもと漫才劇場10周年企画】

『FNS歌謡祭』で示した“ライブアイドル”としての証明。実力の限界へ挑み続けた先にある、Devil ANTHEM.の現在地

『Quick Japan』vol.180

粗品が「今おもろいことのすべて」を語る『Quick Japan』vol.180表紙ビジュアル解禁!50Pの徹底特集

『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)表紙/撮影=ティム・ギャロ

STARGLOW、65ページ総力特集!バックカバー特集はフースーヤ×天才ピアニスト&SPカバーはニジガク【Quick Japan vol.181コンテンツ紹介】