2.都市伝説系サイトの起用
フィクションとはっきり書いてはいるし、3Dモデルの女の子画像も出てくるものの、本当にあった事件のような見せ方になっている。元テレビマンだったというスタッフの演出手腕の賜物だろう。
この動画がアップされたことで、「みやまん」に起きた事件は形式上「都市伝説」「未解決事件」のひとつとして並べて見やすくなった。いわばモキュメンタリー作品の中で流れる架空の新聞やテレビのニュースのような立ち位置を、『あるごめとりい』が担ったことになる。
次に「上級騎士なるにぃ」のチャンネルでもプロモーション動画がアップされた。こちらは普段『ダークソウル』などのゲームの考察を行っているYouTuberだ。
公式側から「上級騎士なるにぃ」に、「考察してみませんか」と案件が届いたそうだ。つまり「事件考察の楽しみ方の一例」がここで撮影されたことになる。実際に舞台になっている平塚に訪れ地域の映像をアップ。今のご時世的になかなか移動できないなか、ファンが観ることができる貴重な現地映像になっている。
次に起用されたのがYouTuber「キリン」。以前謎多きVTuberとして有名な「鳩羽つぐ」のおもしろ考察動画シリーズで注目された経緯の持ち主だ。
現在は考察のほか、ネット上の話題を集めてエンタメにする雑多な情報チャンネルになっている。ここで半分ガチ目半分ネタの考察プロモーション動画がアップされたことで、「ゴシップ」としての楽しみ方の視点が「みやまん」の事件に付加された。
アイドル系VTuber「Re:AcT」の「獅子神レオナ」のチャンネルでは、オカルト話・都市伝説を読み上げる配信が行われた。その中で「みやまん」に関わる「血の人形事件」の話題が並列に混ぜ込まれている。
ここでの事件は、リアルに起きているものではなく、根も葉もない怪談という感覚。「無関係な人の耳に入った噂話」としての「みやまん」事件を観ることができる。
それぞれの動画はすべて公式のスタッフが関わっていないので、本編の事件解決の鍵はないだろう。ただあえて外部に依頼し事件をいじってもらったことで、観客の声が好き勝手に飛び交うSNS時代の劇場型モキュメンタリーっぽさを出すことに成功している
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