トンツカタン・森本『Mステ』を見て新垣結衣に会いに走る

2020.1.23

文=森本晋太郎(トンツカタン)


2020年1月27日からネタと企画の定期ライブをスタートさせるお笑いトリオ・トンツカタン(初回ゲストはゆにばーす!)。そのツッコミ&ネタ作りを担当しているトンツカタンの頭脳ともいえる森本晋太郎は、高校時代にmixiで「新垣結衣さんと付き合っているテイの日記」を書いていたという。そして『Mステ』終わりのガッキーに会いにテレビ朝日まで走ったこともあるのだとか。

その“神回”の顛末を明かしたコラムをお届けします。

※この記事は、2019年2月22日に発売された『クイック・ジャパン』vol.142掲載のコラムを転載したものです。


ネットの海にゴミを放流していた日々

昔から書くのが好きだ。今までそんな自覚なかったけど、これまでの人生を振り返ってみるとそうなのかもしれない。

中学2年生のとき、いわゆるテキストサイトと呼ばれる、文章をメインとしたホームページを運営していた。ぼんやりとした記憶をたどり久々にアクセスしてみると「おもしろ日記中心ホームページ」と太字で、でかでかと書かれていた。初手からつまらない。恐る恐る「日記」のコーナーを読んでみると、「家のベッドで『少年ジャンプ』を読みながらジュースを飲んでいたらマンガに集中しすぎてこぼしてしまった」という底辺のユーモアを文字のサイズを大きくしたり色を赤くしたりして無理矢理おもしろ風に紹介していた。

なるほど、どうやら僕はネットの海にゴミを放流していたようだ。ほかにも、架空のおじさんと漫才台本を載せた「漫才」や、長文のエピソードを綴った「戯れ言」など、さまざまな種類のゴミをきちんと分別してお届けしていた。その中でも外部サイトへのリンクを載せたページのことを「糸」と名づけていたのには我ながらゾッとした。

そんなネット界の災いみたいなホームページ運営も2年ほどで目が覚め、次は当時流行っていたmixiにフィールドを移し、「新垣結衣さんと付き合っているテイの日記」を書き始めた。ずっと男子校で女性と関わる機会がなく、こじれこじれた結果の産物である。当事者が言うのもなんだが、一難去ってまた一難だ。

「よし!」とつぶやき、走ってテレ朝へ

当の本人がこの有り様なので、僕のマイミクたちもそれを読んで「キュンキュンするなぁ」や「ふたりの恋、応援してるよ!」など、様子のおかしいコメントがはびこっていた。基本的にはラブコメ的な内容だが、愛すべき芋臭い読者たちを飽きさせないよう、時には大喧嘩をする回もあった。

それからしばらく新垣結衣さんと疎遠になってしまい、なんとなしにつけたTVで流れていた『ミュージックステーション』に映る彼女を見て「『Mステ』は生放送だよな……よし!」とつぶやき、そのまま走ってテレビ朝日まで会いに行くという神回は大好評だった。盲信しきった読者たちからは「先生」と呼ばれるようになった。mixi運営側もよくこいつらを強制退会させなかったなと思う。

高校卒業後、がらっと環境が変わった大学ではなかなか馴染めず、誰とも会話せずに黙々と授業を受けて直帰するというストイックな日々を過ごした。猛スピードで単位を獲得していき、余った時間でバイトをしまくって貯めたお金でお笑いの養成所に入り、僕は夢であった芸人になった。


今はもう「思いとどまる」ことができる

しばらく何かを書くということから離れていた僕はブログを書き始めた。それにあたり、学生時代の過ちを繰り返さないよう細心の注意を払った。もう自らおもしろ日記を名乗らないし、女優さんと大喧嘩もしないし、リンクはちゃんとリンクって言う。そう、僕は大人になったのだ。

そして忘れもしない去年の4月。作家のセパタクロウさんが『クイック・ジャパン』で僕のブログを紹介してくれた。すぐに本屋に駆け込んで購入したのを覚えている。その後本人に初めてお会いできて直接お礼も言えた。あれから1年弱の時を経て、いまQJでコラムを書かせていただいている。QJ側もまさかこんな黒歴史量産人間にオファーしたなんて思ってもないだろう。

すべてのきっかけとなってくれたセパタクロウさんには本当に頭が上がらない。すぐにでもお礼を言いたい。そういえばあの人、深夜ラジオの作家をしていたな。しかもその番組は生放送……。いや、やめておこう。一瞬、あのときのように無我夢中で走り出しそうになったけど、ちゃんと思いとどまることができた。お礼は次お会いしたときにすればいい。そう、僕は大人になったのだ。

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トンツカタン 森本晋太郎

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森本晋太郎

(もりもと・しんたろう)プロダクション人力舎所属のトリオ芸人「トンツカタン」のツッコミ。音楽番組にレギュラー出演中で、ミュージシャンのお友達も多数。さらに幼少時代からずっとインターナショナルスクールに通っていたため、英語が堪能。

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