はぁ?美術探偵『半沢直樹』爆誕?最新作『半沢直樹 アルルカンと道化師』ドラマ化を妄想してみた

2020.9.24

渡真利も中野渡も登場

前日譚ということで、2013年『半沢直樹』『西大阪スチール編』(原作『オレたちバブル入行組』)で半沢にケチョンケチョンにやられた浅野匡支店長(演じたのは石丸幹二)、腰巾着の江島浩副支店長(宮川一朗太)、若手行員の中西英治(中島裕翔)など、覚えのある登場人物は多い。おなじみの半沢の同期・渡真利忍(及川光博)や、まだ頭取になる前の中野渡謙(北大路欣也)も出てくる。

TBSとしては大人気シリーズの続編をやる気満々なはずだが、『アルルカンと道化師』はどうだろう。
ドラマ化すると想定して考えてみる。
「今度の敵は誰が演じるの?」が魅力だったりするから同じ役者が出過ぎるのがちょっと心配、前日譚ということは、俳優陣の加齢も心配だ。第1シリーズと第2シリーズのように7年も空いてしまったら……。なので、続編であれば、『帝国航空編』の後日譚のほうが時系列としては都合がよさそうだ。小説の時制ではまだ登場しない大和田暁(香川照之)との関係もいちから作らずに済む。大和田のいない『半沢直樹』は想像できない。また、舞台も東京にしておきたい。『アルルカンと道化師』の舞台は、大阪である意味が強いが、ドラマでもう一度半沢を大阪に飛ばすのは不自然だ。

『半沢直樹 ディレクターズカット版』DVD-BOX/TCエンタテインメント
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スケールダウンも心配。『帝国航空編』では国を相手取っている半沢が、『アルルカンと道化師』で相敵対するのは統括部長の宝田。行内での争いに逆戻りしてしまうのだ。多くの視聴者が求めている「逆境からの逆転」がどうしても弱まってしまいそうだ。

とはいえ、宝田もアクが強いし、田沼社長のモデルはおそらく『ZOZO』の創業者である前澤友作だ。新たな役者の力により強いミステリ要素が加われば、また違った“底知れない感”が出せるかもしれない。化け物視聴率を叩き出しつづける半沢直樹製作陣の手腕に期待したい。

『アルルカンと道化師』主要キャストを妄想

最後に、『アルルカンと道化師』編の主要キャスト予想というか、僕の希望を挙げておく。放送される時期の想定はざっくりと5年後だ。

まず、仙波工藝社社長の仙波友之は、桐谷健太を推したい。ちょっと軽いイメージの友之は、買収される不安と怒りなど、喜怒哀楽の振れ幅が激しい。派手な柄のシャツを着こなしながら、ずっと汗をかいていてほしい。友之の伯母の堂島政子は、小泉今日子がいい。60歳くらいで白髪の設定だが、経営の知識を持ちつつ、アートへの造詣の深さを醸す大事な役だ。僕はずっと小泉今日子の5年後イメージで読んでいた。

見た目のイメージはだいぶ違うかもしれないが、宝田は本気でむかつかせにくる高嶋政伸で観たい。やはり敵役はわかりやすく、大物がいい。田沼社長は、田口トモロヲがいい。趣味が良いんだか悪いんだかわからないけど絶対に高いんだろうな、っていう服も着こなせそうだし、絵画が似合いそう。ひとりだけ『半沢直樹』の世界観と離れた人物を演じつづけてほしい。

勝手に妄想を書き連ねたが、実際にドラマ化は簡単ではない。そもそも『半沢直樹』シリーズの新刊が発売されたのは約6年ぶり。これまでのドラマ化スタイルに準じるには原作がもう1冊必要だ。第2シリーズの『ロスジェネの逆襲』から『銀翼のイカロス』のように、次回作が2年後に発売されたとしても、すぐに撮影に取りかかれるとは思えない。また、メインキャストがひとりでも出演拒否したら、代替えは効かなそうだ。

2シーズンにわたって超高視聴率を獲得しながら、もうこれでおしまい。それはそれでカッコイイかもしれないが、ファンとしてはどうしても、新作を読んで妄想してしまった。

日曜劇場『半沢直樹』9/27(日)最終回【TBS】

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