「『錦鯉』まさのりさんたちのグループチャットを延々と見てしまって、仕事にならない」。ゲーム作家・米光一成が、『芸人グループアカウント「まさのりアパートメント」』にハマった。潜入型コンテンツの新しさ、魅力とは?
楽しい仲間と共同生活してる気持ちに
今、潜入型コンテンツが熱い。潜入型コンテンツとは、参加者一人ひとりが、あるコミュニティに潜入して、その場を体験するコンテンツのことだ。
具体的におすすめ作品を挙げよう。
たとえば、放送作家・長崎周成、スラッシュパイル片山勝三らが運営するオンラインサロン「WLUCK」が主催している芸人グループアカウント企画『まさのりアパートメント』や『風穴』。
芸人のオープンチャットに「入室チケット」を買って潜入し、LINEのやりとりを1週間のぞき見できるコンテンツだ。
入室チケットを購入するとオープンチャットURLが送られてきて、芸人がやりとりしているオープンチャットに「入室」できるのだ。
『まさのりアパートメント』は、実際に同じアパートに住んでいる錦鯉・長谷川、ジャック豆山、お団子まんじゅう・古澤、あたりきしゃりき・たこやきくん、ヤーレンズ・出井のLINEグループ。
古澤さん、ジャック豆山さんが朝の5時ぐらいには投稿していて「はやおきーーーっ」て驚愕したり、渋谷で迷子になって自撮りの写真が上がったり、夜になると、ヤーレンズ・出井さんが「それでは歌っていただきましょう。錦鯉・長谷川まさのりで『イマジン』などとしつこく振って、まさのりさんが「♪ほひーひひひーん」と『イマジン』をイメージで歌ったり、晩飯の写真が上がったり、スタンプの応酬があったり、楽しいのだ。
めちゃくちゃくだらないやりとりが交わされてるだけなのだが、それがリアルタイムで共有されることによって、潜入体験になる。ひとりで自主的ロックダウン生活をしていても「ひとりじゃないもん、楽しい仲間と共同生活してるもん」って気持ちになってアガるのだ。
『M-1グランプリ』予選の様子が赤裸々に
一方『風穴』は、定期的に『風穴』というライブを行っているメンバー、さすらいラビー、ストレッチーズ、ひつじねいり、ママタルトの4組のLINEグループ。
楽しいチャットのなか、『M-1グランプリ2020』予選の様子が赤裸々にリポートされる。「向こうで着替えてもいいん?」「トイレが一人ずつしか入れないように対策されててめちゃくちゃ並んでた。うんちは外でした方がいい」「うんち漏らして失格になるところやった」なんてやりとりが交わされたり、誰が落ちた通ったという速報が入ったり、ママタルトのキングオブコント準決勝進出をみんなで祝福したり、『ワラネタ寄席』でウエストランドさんのネタ時間が3分ぴったりであることに感嘆したり(『М-1』のネタ時間、2回戦・3回戦・敗者復活戦は3分)。共時的なドキュメンタリーの感覚すら生まれてくる。
ちなみに『まさのりアパートメント』『風穴』どちらも過去ログが全部残っているので、後から入ってもさかのぼって今までのやりとりが全部見れる
きださおりの『のぞきみカフェYouTube支店』も、まさに潜入してのぞき見する作品だった。Zoomで話すカップルの会話をのぞき見するのだ。カップルは役者でシナリオがあって進行していく。つまりオンライン型の演劇スタイルなのだが、Zoomでの会話を自宅のPCから覗くという設定のため潜入感が強い。さらに、参加型になっていて、没入感を上昇させる。
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