心に刺さるお笑い芸人たちの名曲について

2020.7.16

文=かんそう 編集=鈴木 梢


テレビ番組のイメージソングやコントのキャラクターソングだけでなく、純粋な歌手活動をするお笑い芸人も昔から少なくない。それらは片手間というわけでもなく、過去には数々の名曲が誕生し、人々の心に深く残り、時に突き刺さっている。今回はそんな、お笑い芸人による名曲たちを紹介する。

お笑い芸人が歌うオリジナルソング

先日、YouTuberの「しゅーじまん」こと、三四郎の相田周二が突然オリジナルソング『Standby』を配信リリースした。

しゅーじまん『Standby』MV

『Standby』はストリングスとピアノが美しい心洗われるミディアムバラード。で、ラジオやナレーションで培ったしゅーじまんの聴き取りやすい低音ボイスが本人が手がけた歌詞の世界観に絶妙に絡み合い、気力を失くしその場に留まりつづけてしまう鬱屈とした感情と、それでも前に進みたいという希望の板挟みで揺れる主人公の気持ちが痛いほど胸に響いてくる。聴いたその日、私は歌詞のとおりあらゆる予定をキャンセルし、一日中家で寝てしまった。

ギャグなし、おふざけなしのその本気っぷりはしゅーじまんとプライベートでも親交があり、同じオールナイトニッポンのパーソナリティでもある菅田将暉やCreepy Nutsからも「普通にいい曲」「イカれてる」と感嘆&驚愕の声が上がっていた。

この『Standby』だけに限らず、私はお笑い芸人が歌う曲がとても好きだ。

今回はそんなお笑い芸人がリリースしたさまざまな楽曲の中でも特に心に残ったものをいくつか紹介しながらその変遷を辿っていきたい。

「お笑い芸人」という職業とのギャップがたまらない楽曲

まず初めに紹介したいのが、私がカラオケに行った際に必ず歌う楽曲、猿岩石の『白い雲のように』だ。『進め!電波少年』のユーラシア大陸横断ヒッチハイクの企画後にリリースされた楽曲で、帰国後に爆発的な人気を誇った猿岩石のブレイクのキッカケになった曲でもある。

猿岩石
猿岩石『白い雲のように』

藤井兄弟(藤井フミヤ、藤井尚之)が手がけた、風が吹き抜けるような爽やかさと一抹の切なさがミックスした曲で、何より猿岩石(有吉弘行、森脇和成)によるノスタルジックな歌声が本当にたまらない。以前、通勤途中に『白い雲のように』がイヤホンから流れてきたとき、曲のあまりの開放感に突然キレイな空が見たくなり、そのまま会社をサボって山登りに行ったことすらある。

冒頭の『Standby』やこの『白い雲のように』をはじめ、ビートたけしの『浅草キッド』や、ダウンタウン浜田雅功と槇原敬之の『チキンライス』など、お笑い芸人という普段は「ふざけ倒すのが仕事」の職業だからこそ、楽曲で見せる本気の一面とのギャップは非常にたまらない。

お笑い芸人としてのキャラクターが前面に押し出された楽曲

この記事の画像(全4枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

Written by

かんそう

1989年生まれ。ブログ「kansou」でお笑い、音楽、ドラマなど様々な「感想」を書いている。

関連記事

すゑひろがりず

大阪生まれ、大宮育ち。すゑひろがりず「人気ゼロ」から15年目の大逆転<シリーズ大宮セブン#1>

圧倒的な楽曲クオリティと笑いを融合させた、ジャルジャルの名曲『虹色の思い出』について

quickjournal_joe_kowloon_main

宮迫YouTubeから見える芸能界の未来(九龍ジョー)

ケビンス×そいつどいつ

ケビンス×そいつどいつが考える「チョキピース」の最適ツッコミ? 東京はお笑いの全部の要素が混ざる

「VTuberのママになりたい」現代美術家兼イラストレーターとして廣瀬祥子が目指すアートの外に開かれた表現

「VTuberのママになりたい」現代美術家兼イラストレーターの廣瀬祥子が目指すアートの外に開かれた表現

パンプキンポテトフライが初の冠ロケ番組で警察からの逃避行!?谷「AVみたいな設定やん」【『容疑者☆パンプキンポテトフライ』収録密着レポート】

フースーヤ×天才ピアニスト【よしもと漫才劇場10周年企画】

フースーヤ×天才ピアニスト、それぞれのライブの作り方「もうお笑いはええ」「権力誇示」【よしもと漫才劇場10周年企画】

『FNS歌謡祭』で示した“ライブアイドル”としての証明。実力の限界へ挑み続けた先にある、Devil ANTHEM.の現在地

『Quick Japan』vol.180

粗品が「今おもろいことのすべて」を語る『Quick Japan』vol.180表紙ビジュアル解禁!50Pの徹底特集

『Quick Japan』vol.181(2025年12月10日発売)表紙/撮影=ティム・ギャロ

STARGLOW、65ページ総力特集!バックカバー特集はフースーヤ×天才ピアニスト&SPカバーはニジガク【Quick Japan vol.181コンテンツ紹介】