考察コロナ禍ドラマ配信事情。スマホでゴロゴロ2分半、松重豊『きょうの猫村さん』最強説
コロナの影響をモロに受けた春ドラマのなかで、深夜ドラマは踏ん張っている。『M』にツッコむ興奮は中断して残念だけど、『きょうの猫村さん』でまったりする幸福は残されている。深夜ドラマを愛する大山くまおが、実はコロナで成長している配信事情を交えてレビュー。
テレビドラマはバラエティよりコロナの影響大
コロナ禍において、テレビドラマの世界も他のエンタテイメントのジャンルと同様、大きな負の影響を被っている。緊急事態宣言が出された4月上旬からほぼすべての撮影がストップしており、スタッフの規模が大きなプライムタイムのドラマは軒並み放送延期に。先行して撮影が行われていた大河ドラマ『麒麟がくる』や朝ドラ『エール』も6月にはストックが尽きることが明らかになっている。
比較的小規模なスタッフと短いスケジュールで撮影を行う深夜ドラマの世界にも影響は及んでおり、4月期にスタートしたものでは全8回だった『いいね!光源氏くん』(NHK)や、すでに映画と共に撮影が終了していた『映像研には手を出すな!』(MBS)などは最終回を迎えることができたが、話題作の『M 愛すべき人がいて』テレビ朝日)や『浦安鉄筋家族』(テレビ東京)などは放送が中断しており再開のメドは立っていない。
5月25日に緊急事態宣言が解除されて、バラエティ番組は徐々にリモートからスタジオに出演者が戻ってきているようだが、ドラマに関しては撮影が再開されてもまだしばらくは放送できない状態がつづくだろう。テレビというメディアの中で、最後までコロナの影響を受けつづけるジャンルがドラマということになるのかもしれない。
癒やし効果絶大な『きょうの猫村さん』
そんななか、コツコツと放送回数を重ねているのがミニドラマ『きょうの猫村さん』(テレビ東京)だ。ほしよりこの人気コミックのドラマ化で、主人公(ではなくて主猫公)の家政婦、猫村ねこを松重豊が演じることが話題になっていた。共演は濱田岳、石田ひかり、市川実日子、松尾スズキ、小雪、池田エライザ、水間ロン、染谷将太、安藤サクラ、荒川良々と豪華極まりない。脚本は『バイプレイヤーズ』(テレビ東京)のふじきみつ彦、監督は映画『マザーウォーター』の松本佳奈。全24回分の撮影は8日間で終わったらしい。
放送時間は水曜日の深夜0時52分から0時58分まで。正味は2分半なのだが、深夜で2分半というのはリアルタイムで観ようと思うとなかなか大変だ。その時間に合わせてテレビの前に座るのも難しいし、ちょっとウトウトしている間に終わってしまう可能性さえある。全24回の放送が終わったら、毎朝8時15分から再放送しつづけてはどうだろうか? それなら朝ドラを観終わった後、チャンネルを変えるだけですむ。
ストーリーは家政婦になった猫村さん(松重)が、ぼっちゃん(濱田)との再会を夢見ながら、大金持ちの犬神家で奮闘する様を描くというもの。原作と同じくストレスフリーで癒やし効果がとても高いので、コロナ禍の中で観るドラマとしてはもってこいだろう。
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