業務スーパーで買った食材なら、我が家の焼鳥が少しでも店の味に近づかないだろうか(パリッコ)

2020.4.17

パリッコのマイバスケット・イズ・スーパーマーケット 第3回

文・写真=パリッコ 編集=森山裕之


『酒場っ子』、『つつまし酒』などの著書を持つ、若手飲酒シーンの旗手・パリッコさんが提案する「スーパーマーケット」の楽しみ方。「 最近、なかなか外食ができない中、非常に恋しい味のひとつが『焼鳥』だと気づいた」筆者が向かった先は、まだ足を踏み入れたことのない「業務スーパー」だった。

自転車で気軽に行けるくらいの距離なら日常

初回、第2回と、地元である石神井公園のスーパーについてじっくりと掘り下げた。つづく第3回、いよいよ石神井を飛び出し、ちょっと遠出をして見知らぬスーパーにでも行ってみようなんて思っていたら、コロナウィルスによるこの状況。近所のスーパーに日用品の買い出しにいくことは必要不可欠だが、わざわざ電車に乗って遠くのスーパーに行くなど、不要不急以外の何ものでもないだろう。もうそんなに近所のスーパーについて書くこともないよ……と、絶望的な気分になりつつ思いをめぐらしていると、ふと気がついた。「自転車で気軽に行けるくらいの距離なら日常の範囲内なんじゃないか」と。

さっそくスマホの地図アプリを立ち上げ、「スーパー」と検索。すると、なんとも興味深いスーパーが、そう遠くない場所にあるじゃないか! その名も「業務スーパー」。この、店名を聞いただけでなんだかそわそわしてくるようなスーパー、確かに街中にあるのをよく目にする。が、まさか自分の日常から手の届く範囲にあったとは盲点だった。颯爽と自転車を漕ぎ出し、風を切ってスーパーへと向かった。

オフィシャルサイトの説明を要約すると、業務スーパーは、「確立された神戸物産グループの製販一体体制を基盤に、他社にはない様々なオリジナル商品を販売して」おり、「輸入品は、全国展開する業務スーパーのスケールメリットを活かして大量に輸入するため、『世界の本物』の商品をベストプライスで販売して」いるのだそう。

神戸物産は日本最大級の食品流通会社であるらしく、その基盤を利用した「オリジナル商品」が目玉商品のひとつらしい。続く「世界の本物」という言葉にもあらがいがたい魅力がある。それらを「ベストプライス」で販売してくれるというのだから、もはやそれ以上に望むことはないじゃないか。

雲ひとつない青空に映えるゴシック体

巨大な文字で店名の書かれた看板。そこに「一般のお客様大歓迎」と添えてある。自分が歓迎されている喜び、そして、あえてそう記載されていることにより、「ここにはプロも買い物に来るんだ。その世界に自分も足を踏み入れていいんだ」という喜びが重なり合う。なんとスーパーファンのツボを突いてくる店だろう。

驚きの安さ、そして、でかさ

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パリッコ

1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、ほか。酒好きが高じ、2000年代後半よりお酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『つつまし酒 懐と心にやさしい46の飲み方』『酒場っ子』『ほろ酔い!物産館ツアーズ』、スズキナオ氏との共著に『“よむ”お酒』『酒の..

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